アイデア/データのパクリとは、法律で保護されない範囲とされる範囲って???
無印良品、中国でパクリ会社に提訴され一審敗訴「本物が偽物に負けた」とネット騒然
http://news.livedoor.com/article/detail/15530540/
【概要】
技術的な話はいっぱいあると思うので、アイデア/データがどこまで保護されるのか?という話です。
ポイントは、事実の記載=保護されないと、その具体的表現=保護されるということです。
【はじめに】
パクリ度を簡単に把握できるサービスを、IBMのWatson Visual Recognitionで開発中でもあるので、
https://future-forecast-001.mybluemix.net/SilkySnow
整理しておきます。
上記の 無印良品、中国でパクリ会社に提訴され一審敗訴 のように
パクリ問題って、あとをたちません。
(これは日本国内であれば、完璧にアウト。しかし、中国本土の商標登録は、向こうが先。よって、商標の先願主義によって、というわけです。けっして、中国本土では法律が守られていないというわけではなく、国家間の法律の盲点を突いた、という話です)
それはさきおき・・・
基本的には、法律上
× 事実の記載=保護されない
〇 その具体的表現=保護される
は、別という区分になっている、ということは知っておいたほうがいいともいます。
(今回の「保護」はおもに著作権についてですが、商標とか意匠も基本的には法律的には、同じ考え方をしています)
では、その差を見ていきましょう。
【1.事実】
単なる事実は、保護対象にはあたりません。
1866年3月7日 薩長同盟 締結 のように事実の記載は、保護されません。
(保護されるとしたら・・・教科書、出せません(笑))
※注意点
ポイントは、事実の記載と、その具体的表現は、別ということです。
要するに、薩長同盟 締結という歴史的事実の記載 は保護されませんが、
司馬遼太郎 竜馬が行く は著作権で保護される、というわけです。
【2.データ】
単なるデータも保護対象にはあたりません。
よって他人が収集したデータを利用する場合は、許諾を得ることは不要です。
※注意点
ポイントは、やはり事実の記載と、その具体的表現は、別ということです。
この場合、データそのものは保護対象外ですが、そのデータを分析や統計処理した表現(たとえばグラフや表、説明文章等)は当然、保護対象ということです。
【2.1 「データベース」は????】
世の中にある「データベース」すべてが著作物ではありません。
データベースのうち「その素材の選択又は配列により創作性を有するもの」である必要があります。(詳しくは弁護士さんに聞いてください)
もちろんですが、その無断複製行為は、民法上の不法行為となります。
基準となる判例「翼システム事件」
要するに・・・
1.データ項目等(自動車や自動車に関する情報)
2.型式/類別区分(体系的構成)
についてはデータベースの著作物としての創作性を有さない
3.複製
データベースのデータを複製して販売したことは明らかに不法行為
ということです。
【3.アイデア】
単なるアイデアも、保護対象にはあたりません。
「表現」は保護されるが「アイデア」は保護されないという大原則があります。
わかりやすくいうと「アイデア」=事実の記載と判断される、ということです。
同じような料理、例えばカレーですが、カレーには本当に多くのレシピがありたくさんのお店がありますが、レシピは「アイデア」であるため、
「カレー」の「著作権」を侵害したことにはなりません。
アイデアは、著作物として保護されません。ですから、残念ながら
アイデアをどんな専門用語で表現しても、創作的表現とはいえないため
残念ながら保護されません。
【結論】
だから保護策(商標/意匠/特許等)を予め行うおく必要があるわけです。
※著作権法上の「著作物」は、「思想又は感情を創作的に表現したもの」(著作権法上2条1号)をいいます。