ファスト&スロー:あなたの意思はどのように決まるか?(2014/6/20)/ダニエル・カーネマン【読書ノート】
システム1とシステム2:脳の2つの働き
システム1とシステム2とは、脳の2つの異なる働きを指します。
システム1:これは直感的な判断を行う脳の部分で、簡単な計算や日常的なタスク(歯磨きや食事など)を自動的にこなします。また、車の運転も初めは考えながら行いますが、熟練すると無意識のうちにできるようになります。システム1は、無意識で瞬時に判断を下す役割を果たします。
システム2:これはシステム1とは対照的で、物事をよく考えて判断する脳の部分です。複雑な計算や重大な決断(志望校の選択、就職、結婚など)に必要です。システム2は、直感的には解決できない問題に対処する役割を果たします。初めは意識的に使いますが、習熟度が上がると無意識のうちに使えるようになります。
システム1とシステム2の使い分け
システム1は、脳に負担をかけずに瞬時の判断を行うために使われます。しかし、重大な決断や複雑な問題にはシステム2が必要です。システム2を使うと、脳の負荷を減らすことができます。つまり、システム1に頼りすぎると、不合理な選択をする可能性が高まるのです。
この本は、脳の2つのシステムがどのように働くかを深く掘り下げて説明しており、人々の意思決定に関する洞察に富んでいます。システム1とシステム2の理解は、日常生活やビジネスにおいて非常に役立つ知識です。
序論
本書のルーツ
本書の目的
本書の構成
■第1部 二つのシステム
第1章:登場するキャラクター
---システム 1(速い思考)とシステム 2 (遅い思考)
二つのシステム
二つのシステムの相互作用
二つのシステムの衝突
錯覚
架空のキャラクター
システム1とシステム2を話題にするときは
第2章:注意と努力
---衝動的で直感的なシステム1
知的努力
注意と努力を話題にするときは
第3章:怠け者のコントローラー
---論理思考能力を備えたシステム2
忙しく、消耗するシステム2
怠け者のシステム2
知能、認知的制御、合理性
コントロールを話題にするときは
第4章:連想マシン
---私たちを誘導するプライム(先行刺激)
プライミング効果のふしぎ
プライムが私たちを誘導する
プライミング効果を話題にするときは
第5章:認知容易性
---慣れ親しんだものが好き
記憶の錯覚
真実性の錯覚
説得力のある文章を書くには
認知負担と努力
認知しやすい快感
認知容易性、気分、直感
認知容易性を話題にするときは
第6章:基準、驚き、因果関係
---システム1のすばらしさと限界
正常な状態の評価
因果関係と意志
基準と因果関係を話題にするときは
第7章:結論に飛びつくマシン
---自分が見たものがすべて
曖昧さの無視と疑念の排除
確証バイアス
ハロー効果
自分の見たものがすべてだ(WYSIATI)
結論に飛びつく傾向を話題にするときは
第8章:判断はこう下される
---サムの頭のよさを身長に換算したら?
日常モニタリング
セットとプロトタイプ
レベル合わせ
メンタル・ショットガン
判断を話題にするときは
第9章:より簡単な質問に答える
---ターゲット質問とヒューリスティック質問
質問の置き換え
3Dヒューリスティック
しあわせに関する気分のヒューリスティック
感情ヒューリスティック
置き換えとヒューリスティクスを話題にするときは
まとめ
■第2部:ヒューリスティクスとバイアス
第10章:少数の法則
---統計に関する直感を疑え
少数の法則
疑うより信じたい
原因と偶然一
少数の法則を話題にするときは
第11章:アンカー
---数字による暗示
調整プロセスとしてのアンカリング
ブライミング効果としてのアンカリング
アンカリング率
アンカーの利用と濫用
アンカリングと二つのシステム
アンカーを話題にするときは
第12章:利用可能性ヒューリスティック
---手近な例には要注意
利用可能性の心理学
利用可能性を話題にするときは
第13章:利用可能性、感情、リスク
---専門家と一般市民の意見が対立したとき
利用可能性と感情
市民と専門家
利用可能性カスケードを話題にするときは
第14章:トム・Wの専攻
---「代表性」と「基準率」
代表性ヒューリスティック
代表性の罪
どうやって直感を制御するか
代表性を話題にするときは
第15章:リンダ
---「もっともらしさ」による錯誤
過ぎたるは及ばざるがごとし
「過ぎたるは及ばざるがごとし」を話題にするときは
第16章:原因と統計
---驚くべき事実と驚くべき事例
因果関係のステレオタイプ
因果的基準率
心理学は教えられるか?
原因と統計を話題にするときは
第17章:平均への回帰
---誉めても叱っても結果は同じ
才能と幸運
回帰とは何か
平均への回帰を話題にするときは
第18章:直感的予測の修正
---バイアスを取り除くには
回帰を無視する直感
直感的予測の修正
極端な予測も悪くない?
二つのシステムから見た回帰
直感的予測を話題にするときは
■第3部:自信過剰
第19章:わかったつもり
---後知恵とハロー効果
後知恵の社会コスト
成功の処方箋
後知恵を話題にするときは
第20章:妥当性の錯覚
---自信は当てにならない
妥当性の錯覚
スキルの錯覚
なぜスキルの錯覚と妥当性の錯覚が成り立つのか
評論家連中の錯覚
世界は予測不能である
スキルの錯覚を話題にするときは
第21章:直感 対 アルゴリズム
---専門家の判断は統計より劣る
アルゴリズムに対する敵意
ミールから学ぶ
実際に応用するときには
直感と計算式を話題にするときは
★下巻★
第22章:エキスパートの直感は信用できるか
---直感とスキル
驚異と欠陥
認識としての直感
スキルの獲得
スキル習得の環境
フィードバックと実践
予測妥当性の評価
エキスパートの直感を話題にするときは
第23章:外部情報に基づくアプローチ
なぜ予想ははずれるのか
内部情報に基づくアプローチ
計画の錯誤
計画の錯誤を減らすには
決定とエラー
私はテストに落第した
外部情報に基づくアプローチを話題にするときは
第24章:資本主義の原動力
---楽観的な起業家
楽観主義
起業家の妄想
競争の無視
自信過剰
死亡前死因分析
楽観主義を話題にするときは
■第4部:選択
第25章:ベルヌーイの誤り
---効用 は「参照点」からの変化に左右される
ベルヌーイの誤り
ベルヌーイの誤りを話題にするときは
第26章:プロスペクト理論
---「参照点」と「損失回避」という二つのツール
損失回避
プロスペクト理論の弱点
プロスペクト理論を話題にするときは
第27章:保有効果
---使用目的の財と交換目的の財
保有効果
トレーダーのように考える
保有効果を話題にするときは
第28章:悪い出来事
---「利益を得るより損失を避けたい
目標と参照点
現状維持願望
法律に見られる損失回避
損失を話題にするときは
第29章:四分割パターン
---私たちがリスクを追うとき
確実性の効果と可能性の効果
アレのパラドックス|
決定加重
四分割パターン
訴訟のギャンブル|
四分割パターンを話題にするときは
第30章:めったにない出来事
---「分母の無視」による過大な評価
過大評価と過大な重みづけ
結果の鮮明性
鮮明な確率
総合的な印象に基づく決定
稀な出来事を話題にするときは
第31章:リスクポリシー
---リスクを伴う決定を総合的に扱う
広いフレーミング、狭いフレーミング
サミュエルソンの問題
リスクポリシー
リスクポリシーを話題にするときは
第32章:メンタル・アカウンティング
---日々の生活を切り盛りする「心理会計」
メンタル・アカウンティング
後悔
責任
メンタル・アカウンティングを話題にするときは
第33章:選好の逆転
---単独評価と並列評価の不一致
経済学と心理学の対話
カテゴリー
不当な選好逆転
選好の逆転を話題にするときは
第34章:フレームと客観的事実
---エコンのように合理的にはなれない
感情フレーミング
本質とは無関係の直感
よいフレーミング
フレーミング効果と客観的事実を話題にするときは
■第5部:二つの自己
第35章:二つの自己
---「経験する自己」と「記憶する自己」
経験効用
経験と記憶
どちらの自己?
生物学対合理性
二つの自己を話題にするときは
第36章:人生は物語
---エンディングがすべてを決める
記憶の消失
物語としての人生を話題にするときは
第37章「経験する自己」の幸福感
しあわせはお金で買えますか?
経験する自己の幸福感
経験する自己の幸福感を話題にするときは
第38章:人生について考える
---幸福の感じ方
焦点錯覚
時間の役割
生活評価を話題にするときは
結論
二つの自己
エコンとヒューマン
二つのシステム
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