クリムゾンの迷宮/貴志祐介(1999/04/09)【読書ノート】
あらすじ
主人公は目を開けたら赤黒い色の岩に囲まれていて、来た理由が思い出せない。記憶の直前は冬で雪が降っていたが、怪我が残っており、時間が経っていないことに気づく。主人公を含む人々は同じ境遇で、なぜここにいるのか分からない状態から物語が始まる。
彼らは何か問題を抱えていたり、事件に巻き込まれたりしている。徐々にこの場所が何なのか、どんなゲームを強いられているのかが明らかになる。いきなりスイッチのような端末が配られ、火星に連れて来られたことが告げられる。夜に読むと怖いかもしれないが、デスゲームとしてのサバイバル要素が強い。
食料は提供されず、自分たちで集める必要がある。スタート地点からは、各方角に何があるか選択できるが、具体的な情報は最初には教えられない。北には情報、南には食料、西には護衛の武器、東には狩猟の武器があるというように、選択肢が提示される。主人公たちは情報を求めて進むことで、置かれている状況を徐々に理解していく。サバイバルに必要な知識や物の順位が現実に忠実に描写されており、非常に細かい。この小説を読めば、サバイバル環境に置かれても上位10%に残れるだろう。
ミステリーやホラーとも言われるが、サバイバル本としての側面が強い。主人公は賢くたくましく、会社がダメになってホームレスになっても強い心を持っている。このゲームがなぜ行われているのかを考える話だ。夜に読むサバイバル物語で、一晩で読める分量だ。
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