クラスの暴君
小学校のお昼。
給食の時間。
「みなさん、準備はいいですか?」
「は~い」 「は~い」 「は~い」
「は~い」 「は~い」 「は~い」
「それではみなさん、ご一緒に!
いただきます!」
「いただきます!」 「いただきます!」
「いただきます!」 「いただきます!」
「いただきます!」 「いただきます!」
カチャカチャカチャカチャ
「美味し~い」
「これ僕、だ~い好き~」
「……」
「いつも美味しいよね」
「これ、おかわりした~い」
「……」
男子生徒が立ち上がる。
手にはフォークにスプーン。
斜め前の男の子の様子を伺う。
そして素早い動きで、
男の子のおかずにフォークを刺す!
「ああ~!」
「マサオのエビは、オレのもの!」
次は女の子。
「あ~私の~!」
「ミキのニンジンも、オレのもの!」
その隣の男の子。
「それは~!」
「サトシの牛乳も、オレのもの!」
手が止まってた女の子。
「きゃー!」
「ユキのキクラゲも、オレのもの!」
「タケダくん!
立って食べるなんて、
行儀が悪いですよ!」
「やっべぇ~!
逃げろ~~!!」
クラスの暴れん坊、タケダくん。
給食の時間…
彼は決まって…
他の生徒のものを飲食する。
みんなが苦手なもの…
食べられないもの…
食べきれなかったもの…。
そして彼は…
食べ過ぎた分を消化するため、
今日も校庭を走り回っている。
クラスでは彼のことを、
【優しいジャイアン】と呼んでいる。
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お疲れ様でした。