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三月さんと編集さん ~有名人~
7月某日
雨のち晴れ時々、馬と鹿
「失敗したぁ…」
「どうしたんですか?三月さん」
「編集さん。
私…あることに、
気付いてしまったの…」
「何にです?」
「有名人の名前が入った記事は、
閲覧者が増えることに!」
「当前でしょ。
ネット検索する人いますから。
常識ですよ…世界の」
「そうなの?!
私、急に閲覧数が増えたから、
もう驚いちゃて驚いちゃって、
翌日の投稿、
一番、頭の悪そうな記事にしちゃった」
「何でそんなことするんですか?!
せっかく見て下さる方が増えたのなら、
いつも通りの記事を書けば…
まあいつもと言っても、
私にすれば全部同じレベルですけどね」
「ひどい!
いつもはあそこまでじゃな~い!
ちょっと変な人って思われるレベル!」
「充分ですよ、それでも。
何で一番頭の悪そうな記事、
アップしたんですか?」
「だって…
閲覧者が増えたのって、
私の記事が面白いとかじゃないでしょ?
その有名人の方の名前が、
たまたま記事に入ってたからじゃない。
だから私の記事は、
いつもはこうなんだぞって、
アピールしたかったの」
「数を減らしたかったんですか?」
「減らしたいというか、
ここはこういう場所だよって、
教えたかったの」
「まあ何となく、
言わんとしてることはわかります。
自分の作品を好きで読んで下さる人だけ、
増えて欲しかったんでしょ?」
「そんな…感じ」
「良いじゃないですか。
そんなの気にしなくても。
記事を気に入って下さってる方は、
まめに読んで下さってるみたいだし、
合わないなあと思った方は、
自然と離れるのは当然の流れでしょ?
あなたはいつも通り…
大好きなくだらない文章を書いていれば、
それでいいんじゃないですか?」
「それでいいの?」
「毎日思いつく妄想話を、
面白おかしく書いて、
読んでる方がクスッと笑ってくれれば、
それは嬉しいことなんでしょ?」
「編集さん…
私……」
「さあ頑張りましょう」
「うん……でもね…」
「でも、何です?」
「次からはあの方の名前は、
書き方を変えようと思うの」
「伏せ字で表記するとか、
某シンガーソングライターとかに、
するってこと?」
「ううん。
今度は両腕ムキムキの人とか、
7+1の人って書こうと思うの」
「米津◯師の、
独特な検索回避!」
このお話は妄想です。
実在の人物・団体・商品とは一切関係ありません。
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