騒々しいシュメーツン ~地味~
勇者御一行。
勇者ヘレ(人間)
戦士ニケル(ドワーフ)
僧侶ドンケル(人間)
魔法使いシュメーツン(エルフ)
【戦士ニケル】
「なあ、シュメーツン」
【魔法使いシュメーツン】
「何、ニケル」
「お前、昨日どこ行ってたんだ?」
「どこでもいいでしょ?」
【僧侶ドンケル】
「…怪…しい…」
「私のプライベートよ。
何したっていいじゃない」
【勇者ヘレ】
「ヒャッハー!!
シュメーツン教えろぉ!!
教えないと小指の爪を舐めるぞぉ!!」
「ヤダッ!キモい!
怖い怖い!
分かった、分かったから…教えるから。
ふぅ~……。
ただの…女子会よ」
「女子会?」 「…女子…会…」
「ジョシィカァイダァーー!!
シュメーツンお前、何歳だぁー!
百を超えた奴が女子会Why!!
それはただのBB…
グギャッアーー!!」
「ヘレ!大丈夫かっ!?
何をした!シュメーツン!?」
「女性に失礼なことを言いそうだったから、
魔法をかけたのよ」
「…何の…魔法…だ?」
「口の中が常に、
アルミホイルを噛んだ状態になる魔法」
「グゲッウェーオェー!!」
「うわ~地味に嫌だな」
「…ずっと…不快感…」
「ところで女子会なんて、
別に隠すことでもないだろ?」
「あんたたち、
さっきのヘレみたいに誂うでしょ?
エルフは長命で、
3000年以上、生きるのよ。
私はまだ人間でいう10代よ。
確かに百は超えたけど…」
「ならば…BBA…であることに…
間違いは…つ、つつ、爪?!
ヒャッ!ヒャーーァ!!」
「今度は何をした!?
シュメーツン!!」
「BBA呼ばわりしたから、
全部の手足の爪を、
ささくれにしてあげたわ」
「お前はどんな拷問魔法よりも、
恐ろしい魔法を持ってるな」
「自業自得よ。
女子会と言って何がいけないの?
それにこの女子会は、
50年に1回しかないんだからね」
「50年に1回?!
人間ならもうとっくに、
昔の面影消えとるぞ」
「エルフは容姿が、
あまり変わらないから。
ドワーフもでしょ?」
「まあな。
それでどうだった?女子会」
「楽しかったわよ。
中には結婚してたのもいたし」
「け、けけ、結婚!?」
「あんたもバカにしてんの?
ドワーフだって結婚するでしょ?」
「まあ確かにな。
いや、エルフの知り合いは、
お前だけだから、ちょっと驚いたんだ。
だが、言われれば…そうだな。
子をなさないと種族が、
潰えてしまうからな」
「そうよ。
私だって元既婚者よ」
「お、お前と結婚する男性なんて、
この世に存在したのか!?」
「ニケル…
あなたも魔法の餌食になりたいの?」
「イヤイヤ、すまんすまん!
まさか、シュメーツンが、
結婚したことがあるとは、
夢にも思わなかったから」
「ほんと、うちのメンバーは失礼ね。
これでもまだ…バツ15よ」
「じゅ、じゅ、15ぉぉぉおーーー!!
お前、立派な離婚マスターじゃないか!」
「コボーノド!!
コボーノド!!
コボーノド!!」
「グヒャブヒィ!!
カッカッ…これは…コォッカッ!
ンーー!!ンンッーー!!」
「普通で考えて。
同じパートナーと、百年一緒にいれる?
人間のように、
容姿は老いていないのよ。
ましてや千年なんて…。
これでも私は慎ましい方よ。
恋多きエルフとは言われてるけど…。
今回結婚した子は、バツ45なんだから」
「っし、しじゅぅこぉーー!!
ンッー!た、たぁっ、コォッカッカ!」
「ちなみに今の魔法コボーノドは、
喉に小骨が、
ひっかかった感じになる魔法よ。
3回唱えたから3本ね。
あなたたち…少しは私を見習って、
パートナーでも見つけたら?
ちょっとは女性の扱いも、
ましになるわよ」
「ンンッ!クカッー!ン!クォッカッカ!」
「爪ッ!ヒャー!痛!ヒャキャーァ!!」
「ビリッ!グギャッ!電気!ギャグォー!」
「3人とも…経験値不足よ」