あなたも「ついやってしまう」かもしれない・・・
ふうたマンです。
はじめにこの画像、2、3秒だけ見てください。
誰がどう見てもただの押しボタンです。タネも仕掛けもありません。
でもみなさん、心のどこかでこのボタンを押してみたいって思ったり、押したらどうなるんだろうって想像しましたよね?
それが体験ってことなんです。多分。
著者の玉樹真一郎さんは、元・任天堂 企画開発者で、電子ゲームという形の体験を作り出すプロの方です。この本でいうところの体験の定義は「こころを動かすこと」です。
体験と呼ばれるものって「モノづくり体験」「職場体験」「スキューバダイビング体験」といったように、体験する側を味わうことはしばしばあるかもしれないけど、わざわざ自分でなにかをだれかに体験させることなんて、めったにないような気がしてきます。
でも、この本の中でいうところの「体験」は、じつは皆さんが作り手側に回ることも、少なくないんですよ。これが。
たとえば、日常会話。最近読んだおすすめの本の話。好きな人の話。note書けよーっていう雑がらみ。これらも話し相手のこころを動かすことができれば、れっきとした体験です。
だれかの心を動かしたい、わかってほしい、行動してほしい、そういったことがらはすべて体験なんです。
とまあ、体験の定義はわかってもらえたでしょうか?
ここから先は「じゃあ、ついやってしまう体験っていったいどういうものなの?(WHAT)どうやって作り出すの?(HOW)」っていう疑問にこたえていきます。
と、ここでまたしても出てきました例のボタン。5秒程度見つめてみてください。
(WHAT)いま皆さんに体験してもらったボタンはまさに「ついやってしまう体験」なんです。このぼたんを押したらどうなるんだろう?電気がつくのかな?ピンポーンって音が鳴るのかな?奥のほうにいるロボットが動き出すのかな?押したときの感触は?かたい?やわらかい?そんなことを想像しながら、ボタンを押したくてたまらないことでしょう。
(HOW)...ほう。ついやってしまう体験の具体例はわかった。それでは、どうやってそれを日常的に活かせばいいんだい?方法を教えてくれ。
わかりました。任せてください。
体験の形にはいろいろあります。体験の種類によって作り方は異なってくるのは当然のことですが、どの種類の体験にも共通する、体験者のこころの動きのテンプレがあります。
その心の動きのテンプレは上図のような3つのステップです。
ここで、あえて、新しい体験を味わってもらいましょう。
クイズです。ちょっとだけ考えてみてください。
こたえはわかりましたか?
(こたえ合わせはまた、のちほど...)
なぞときっていうのは、まさに、ついやってしまう体験のエッセンスを詰め込んだものっていう認識で間違いないと思います。
つまり、言い換えると、なぞときをするとき、体験者はある3つのステップを踏んで、それを知らない間に楽しんでいるのです。
3段階のステップにあてはまるものはなんなのか。ちょっとnoteを読むのはいったんやめて、少しの間考えてみてください。
こたえは、①仮説→②試行→③歓喜です。
(①仮説)画像をちょっと見て状況を察知。はてなに入るのは、いったいどんな文字なんだろう?「大」かな?いやちがう。なんか見たことある並びなんだよなあ。あれ、もしかして「薬」かな?
(②試行)薬を当てはめると、親指、人差し指、中指、薬指、小指・・・!?もしかしてこれが答えか!!
(③歓喜)答え合わせ。やったーあってた!
この3ステップによって、どんな種類の体験であっても、その「体験」を「人の心を動かすことのできる体験」になります。
「ついやってしまう体験のつくりかた」では、あの世界的人気ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」の中にふんだんに盛り込まれた、①仮説→②試行→③歓喜の3ステップについて90ページ近くかけて語られています。
・どうしてマリオにはひげが生えているのか。
・どうしてマリオはクッパを踏んで倒さないのか。
・どうして説明が一切ない(チュートリアルがない)マリオというゲームをあたりまえのように世界中の人たちが遊べているのか。
いままで、そんなことを考えたことありますか?
たいていの人はそんなことに注目したことはないと思います。
僕も全く気にしたことはありませんでした。
でもじつはそんな疑問のなかに「ついやってしまう体験」の作り方のエッセンスが詰まっているのです。
上記の三つの疑問。答えが気になる方はぜひ、「ついやってしまう体験のつくりかた」を買ってみてください!
この記事で紹介したのはほんの一部のエッセンスだけです。
だれかの心を動かしたい、わかってほしい、行動してほしいってどこかで感じている方にはほんとうに、この本、お勧めできます!
ぜひ買ってみて、読んでみて、「ついやってしまう体験」をみなさんの身の回りの人に体験させてあげてみては、いかがでしょうか?
参考文献
『「ついやってしまう」体験のつくりかた――人を動かす「直感・驚き・物語」』のしくみ 玉樹真一郎 ダイヤモンド社 2019