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足もとの宇宙~神は細部に宿る

夜空を見上げれば、そこには無限の宇宙が広がっている。

いまの時期ならば、東の空から「秋の四辺形」とも呼ばれる
ペガスス座が上ってくる。
その後を追うように赤く輝く火星が顔を見せてくれる。

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「宇宙」の「宇」は空間を、「宙」は時間を意味する。
すなわち「宇宙」とは空間と時間とを含む
「時空」の総体を意味している。

目を天空から足もとへと転じてみよう。
そこにも小さな小さな宇宙が広がっている。

目を近づけなければ見えない世界。
それでもそこには確実に時空が存在している。

地球の誕生からどれくらいかの時を経て生まれ
生を受け継いでいまを生きている植物たち。

水滴が緑葉の上に宿っている。
無機の世界から降り注いだ水滴と
生き物の世界が交叉している一瞬。

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名も知らぬ植物の精緻な作りに
自然という名の職人の巧みの技を感じる。

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花弁の奥にたたずむ花粉もまた
細やかな作りに人は驚嘆するしかない。
世代をつなぐ仕組みと鮮やかな色彩にも息をのむ。

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神は細部に宿るという。

眼下の宇宙を見ていると
その言葉にしぜんと納得してしまう。

けれどももう一度天空の宇宙に目を向けると
人間は次々と新たな観測機器を発明し
宇宙の隅々まで細かく細かく解明しようとしている。

その仕組みに「神」を感じる科学者も多い。

天空の宇宙は大宇宙とも外宇宙とも呼ばれる。
眼下の宇宙や人間身体・生命体内部は
小宇宙や内宇宙と呼ばれることがある。

これは、われわれ人間身体を尺度とし
視線の方向を基準としたものだろう。

大宇宙・外宇宙と小宇宙・内宇宙との結節点に
われわれ人間は存在している。

外も内もなく、過去も未来も超えて宇宙を見渡せば
人間存在の周囲あらゆるところに神は存在し、
宇宙のあらゆるところに施した細工が見えてくるだろう。

やはり神は細部に宿っているのである。

われわれ人間は幸いにも言葉を与えられた。

宇宙や生命の進化の過程であろうが神のお陰であろうが、
言葉を与えられた人間は言葉を操り
言葉で宇宙を表現できるようになった。

人間にとって言葉もまた宇宙である。
言葉は時空を超え、人に語りかけ、こころを動かす。

一枚の写真は一片の言葉より雄弁である。
しかしまた一片の言葉一枚の写真に写らぬことも語ってくれる。

一枚の星座の写真を見て
詩人は何編の詩を書くだろうか。

一枚の花の写真を見て
五七五に俳人は季節の風情をどう表わすだろうか。
あるいはまた
歌人は三十一文字にどのような心情を詠むだろうか。

詩人にも俳人にも歌人にもなれぬわたしは
できれば言葉を研ぎ澄まし、
せめて、わたしの想いを言葉に残していこう。

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