振替休日

目標だった教員を辞めて、書店員と塾講師をしながら何かを探しています。人の生活です。

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無意味さに耐える

書くことを仕事にできないかなとか考えて、わざわざ私がそんなことする必要ないなと考え直すループを100回は繰り返した。 本屋に勤めている。毎日のように新しい本が入ってくる。小規模なうちの店で見られる本は氷山の一角で、「人の書いた文章」というのは、気が遠くなるほどこの世に存在する。 それなのに、自分がわざわざ文章を書いて、それも自分のためでもなく、誰かの需要のもとに置くなんていうのは、あまりに無意味じゃないか。 それでも文章を書き続け、商業に乗せられるのはどんな人なんだろう

    • 人生にこなれたい

      最近になって、知らない人に簡単に声をかけるようになった。 電車で席を譲るときに、なにも考えなくなった。以前は「妊婦さんでも立ってたほうが楽な人っているよな……」とか「老人扱いして不快にさせたら嫌だな……」とか、どうでもいいことが先行して、トイレ行きたいんかってくらいむずむずした挙げ句声をかけないということばっかりだった。 でも今は、こんなことを一瞬も考えないくらい「座りますか〜?」って声をかけちゃう。そんな自分がちょっと好き。こないだ、優先席に座っていたら、爪しっかりキラ

      • 短歌10首

        ドラム式の洗濯機を持ってる人にカタンで勝っても 羽ばたきの音で旅立ちを知る朝空の巣籠に残す花束 桜さえ舞うと散るとを選べない あんたのために死ぬわけじゃない 心の中に抱いている海にどれだけのものを沈めてきたかな ここでもし米をこぼしてしまったらすべてをやめて月に帰ろう 少しでも掻いたとこから壊れてく ネイルは初めからやり直し 輪郭が溶けていくのが海ならばそれでいいから今は寝かせて ささやかな光のような感情を集めて恋と秤にかけるか 今までの全てのことが間違ってい

        • チェーのコーンが乗りこなせない

          カウンセリングの帰りに、スープストックに寄って遅めの昼ごはんを食べることにした。 いつも、ちょっと高いなと思う。でも、スープストックはおしゃれだから高いんじゃない。うまいから高いのだ。 絶対に満足するという経験を積んできた。意外にも、量も遅めの昼ごはんにしてはちょっと多いくらいの量。スープストックは、高いけど外さない。 基本セットはスープ×2とごはん(またはパン)。ドリンクもつけると、1420円(くらい)。ごはんもただの白米じゃなくて、白ごまが入っていておいしい。 タ

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        無意味さに耐える

          シールを貼りまくる狂気

          自分しか必要としていない文章を、無駄に早起きして書く。日曜日に。 昨日は安眠してしまったようなのだ。3時くらいに中途覚醒はあったけれど。 自分しか必要としていない。1,000文字なら20分くらいで書ける。でもそれは、文章を書くことそのものが目的であって、その文章が何かを伝えようとはしていないから。もし、目的のある、意味ある文章だったら、そう早くは書けないのだろう。 手帳をシールで彩ってみる。以前はちょっと否定的だった。インスタグラムで手帳の活用方法を知りたく、手帳で検索

          シールを貼りまくる狂気

          ハンターハンター売りすぎて腱鞘炎になった

          ハンターハンター売りすぎて腱鞘炎になった

          自分を守るための働き方(ひらいめぐみ『転職ばっかりうまくなる』)

          ここ2週間くらい、いや、もっとかもしれないが、ずっと大雨の不安にさいなまれている。いつ雨が降るかわからない。しかも土砂降り、となると、ストレスが大きい。洗濯物は乾かないし、木造の部屋は常にじめじめしている。 そういえば、大きく調子を崩したのも、去年の夏の終わりのことだった。8月末、スーパー肩こりと仁みたいな頭痛(仁のドラマのこと、すごい頭痛がすることしか知らない)に襲われ、楽しみにしていた勉強会に出られなかった。その時はまだ学校に勤めていて、始業式から1週間後には出勤できな

          自分を守るための働き方(ひらいめぐみ『転職ばっかりうまくなる』)

          同居人が洗濯物を畳んでくれることに感謝を伝えるたびに、豆乳みたいになってしまう

          同居人が洗濯物を畳んでくれることに感謝を伝えるたびに、豆乳みたいになってしまう

          東京の価値観でしかないけれど

          お盆休みということもあり、茨城にある実家に帰った。 思えば、大学に通うために東京に出てきて、ずいぶん価値観を入れ替えてきたように思う。それが、思考が進歩したということなのか、学をつけたということなのか、思春期を脱したということなのか、場所が変わったことによるものなのか、それはまだ未分化なのだが、でも、「東京」という街にいると、価値観を変えられてしまう。 東京に住み始めてから、東京にもともと住んでいる人たちがどれだけ多くのものを持っているか、ということを、どれだけ恨んだだろ

          東京の価値観でしかないけれど

          「かもしれない」から逃げられない

          疲れがたまっている気がする。電車の中での居眠りのレベルが、うとうとから気絶に変わった。気絶するように寝ると、口を開けて眠ってしまうので恥ずかしい。この間はそのせいで降りる駅を逃し、仕事に遅刻した。遅刻が増えるということは、その人を叱っても改善できない。たいてい、疲れているとか、睡眠が足りないとか、その人自身がダメージを追っている場合が多い。心配してあげてほしい。私のこと。 ちょっとした叱責に対して、すごく嫌な気持ちになってしまった。大したことじゃないのに、悔しくて涙が出る。

          「かもしれない」から逃げられない

          できないのに「できる」と言わない、でも

          自分が集団の中でどういうふるまいをしがちかと考えると、誰もやりたがらないことを引き受けることで、椅子を手に入れてきたと思う。 中学の吹奏楽部でファゴットを始めた。ファゴットは第三希望で、本当はトランペットとトロンボーンを希望していた。第三希望まで取っても、ファゴットを希望に出したのは私しかいなかった。 ファゴットは私にあっていると思った。もちろん、楽器の性質としてもあってはいたのだが、誰もやりたがらず、競技人口も少なく、椅子を巡った競争がほとんどない。新宿にダブルリード(

          できないのに「できる」と言わない、でも

          「マスクをしていることがありますが、ご了承ください」じゃなかったっけ

          もはやマスクをするのが当たり前になった日々があった。そうして、マスクは必要に応じて付ける日々に変わった。 それでも、本屋での接客の時には、「接客なので」必ずマスクを着用している。 マスクをしている状態が好きではない。極端に汗っかきなので夏は特に不快だ。それに、もともと声が通りにくいので、マスクをすることでより声が伝わりにくくなる。そしてなぜか気分が塞ぐ。 「接客業なのでつけて」と店から言われているのでつけている。でも前は逆だったんじゃないか。新型コロナウイルスが流行し始

          「マスクをしていることがありますが、ご了承ください」じゃなかったっけ

          歌は社会に許容された大声

          カラオケに行きたいな。そして一人カラオケももちろんいいけれど、人前で歌うのもたまにはしたいから誰かと一緒に行きたいな。 大勢の人の前で歌いたいわけじゃない。数人に聞いてもらえればいい。聞くといっても、その場にいてくれればいい。人前で歌うのには抵抗がある人が多いと思う。だからカラオケが苦手という人も良く聞く。 合唱コンクールや学校の歌のテストでうまく歌えなくて苦しい経験をした人もいるかもしれない。私は逆に、全力で歌いたいのに、人目が気になって歌えなかった時がある。小学校の時

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          楽になって初めて「疲れ」に気づいた

          学生たちが夏休みに入ると、怒涛の夏期講習が始まる。学生時代に塾に通った経験のない私からすると馴染みがないのだが、毎日捌ききれない量の授業をこなす。 日頃は数人しか生徒を見ていない私でも、他の先生方の決壊した授業コマから大量の授業が流入してくる。たったの3時間半の勤務は、ひどいときには10時-22時のフルタイム超え労働に膨れ上がる。 丸一日の授業は、疲れるだろうなと想像はできるものの、疲れを自覚しづらい体質なのもあり、1日目は割と元気に終えてしまった。 しかし2日目になる

          楽になって初めて「疲れ」に気づいた

          天国と地獄

          大学3年の秋、オーケストラサークルで長年指揮者を務めた先生が亡くなった。 教育実習1週目が終わった日に、奥様から「ありがとうございました」という件名のメールが届いた。当時オーケストラの団長であった私は、急いで幹部に連絡し、ひとまずは葬式に向けての準備をした。 親戚以外の葬式に出るのは初めてだ。それに、現役団員代表として、手紙を書いて読むことになっている。席順もだいぶ前だった。 団から花を出すことになった。葬儀場は24時間電話を掛けられるらしい。協力してくれたトレーナーの

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          ゲスの極み乙女でわかる掛詞・縁語

          ゲスの話するよ! 高校1年生のときに、CMで「パラレルスペック」を聴いて衝撃を受けて以降、ずっと大好きなバンド。川谷絵音のバンドはたくさんあるしどれも大好きだが、やっぱり一番好きなのはゲスだと思う。 なかでも、今のところ私が一番好きなのが「人生の針」だ。 ゲスの極み乙女は確実にこの曲と収録アルバム「ストリーミング、CD、レコード」で一段ギアを上げてきた。 そして「人生の針」は、他の曲と比べても段違いで「詩」としての完成度が高い。タイトルにも上げた通り、和歌の手法で言う

          ゲスの極み乙女でわかる掛詞・縁語