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ごまかしたい相手

経営破綻した会社が
奇跡の復活を遂げる
ドキュメンタリーが好きだ。

いくつも見てると、
必ずと言っていいほどの法則に気づく。

社長自身が、自分の言葉で、
破綻した現状を従業員に伝えている。

頭を下げて、復活のための協力を仰いでいる。

その真摯な態度は
何度見ても強く心を打つ。

私はそれを見て、
福祉相談員時代を思い出す。

借金を抱える親子世帯の支援。

家計改善のために
必要なこととは何か。

親が子に、破綻した現状を伝え、
協力を仰ぐ。

それができたら、
この世帯は大丈夫だと確信する。

その決断ができる被支援者は
とても少ない。

嘘でもごまかしでも、
どうしてでも良い顔みせたい相手。

それが我が子。

その我が子のために
生活を立て直す決意。

自分の至らない部分をさらけ出し、
今までできていたことを我慢させる。
もしくは本人なりの手助けをしてもらう。

そのかわり、必ず家計を立て直し
こどもの未来を約束する。

事の重大さに気づいたとき
こどもは驚くほど協力的で頼もしい。

親子間の絆も強固となる。

どんな親も我が子にいい顔したい。
それを乗り越えたとき、本当の親子になる。



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