支援員は相談者の模範となるべきか?
上司に呼び出された。
聞けば、私の業務遂行について
他の職員から批判があると言う。
相談者への態度がなってない、
相手が怒り出さないか不安、などだ。
昨日の相談窓口でのことだとわかった。
「こちらの事業目的を理解しようとせずに、一方的に自分の都合を主張する人に対しては、良識の範囲内で怒気を伝えることも必要だと思っている」
そう伝えた。
それは理解できるが、
その意図が他の職員に
伝わっていないことが問題だ。
上司は言う。
私の業務態度について批判があがるのは
これが初めてではない。
入社当時もよくあった。
それでも愚直に職務と向き合うことで
次第に味方が増え、批判は消える。
あれから3年が経ち
それなりの役職が与えられると
次の段階の態度が
要求されるようになった。
他の職員に伝えるためには
どうしたらいいと思う?
上司は問う。
私への批判が私自身にくるのではなく
上司へ報告されるのは
コミュニケーション不足が原因だ。
直接言われないので反論の機会もない。
彼らと接するのは正直得意ではない。
感情的につっかかってくるんで
私も同じように反応してしまう。
上司は問う。
今、見直す必要があるんじゃないか?
相談者ではなく職員に対して
アンガーマネジメントを活用した態度が
求められているんじゃないか?
アンガーマネジメントとは
怒りのコントロール。
要するに穏やかに相手へ伝えろってことだ。
私は言う。
私の人生の優先順位で
高く設定していることがある。
湧き上がる感情に対して
意図を加えないってことだ。
業務遂行に支障があると判断されれば
向き合わないといけないかもしれないが
すぐには返答できない。
入社当時、よく言われたことを
上司に問うた。
「支援員は相談者の模範であるべきだと思いますか?」
私の発言の意図がわからず
上司は一瞬困惑した。
「私は、だからこそデコボコのまま彼らと接したい。デコボコがあっても、そのまま生きていいんだと、自らの態度で彼らに示したい」
そう伝えた。
それは理想だけど、
そのためにはどうしたらいいと思う?
ちょうど金曜日だったので、
来週月曜に返答するよう言われた。
土曜日、考えても全く上司の言うように
する気にはなれなかった。
感情を押し殺して接することに
拒絶感が半端ない。
そのかわり、別のことが思いつく。
課題を抱えた学生が
課題を抱えたまま乗り越える研修プログラム。
不得手を不得手のまま残して
得意を生かす生き方のメソッド。
自分がこれまで生きてきた
ノウハウを詰め込んだ企画だ。
日曜日は企画書づくりに没頭した。
月曜日に上司へ返答する。
アンガーマネジメントは
できるだけやってみる。
でも正直、
組織が求めるレベルに達するか自信はない。
そのかわり、それが苦手のままでも
遂行できる事業企画を考えた。
見てほしい。
上司は熟読し、
上で会議すると返事した。