人事評価制度のセミナー!~みやぎ人財活躍フラグシップ企業育成事業~
2024年1月20日 みやぎ人財活躍フラグシップ企業育成事業にて、「人事評価制度」をテーマに、ワークショップを行いました。
人事評価制度は、絶対的な正解はなく、特に、地域の中小企業では、本当に難しい制度だと感じています。今回のセミナー内容にも少し触れながら、人事評価制度について、考えていることを綴ってみたいと思います!
1.人事評価制度と私たち
せきむらとさいとうは、前職時代も含めて、東北の企業様を中心に、これまで150社以上の人事評価制度の設計・運用に関わってきました。
企業規模は、10名以下の企業から1,000名を超える企業まで幅広く、業種も様々。その中で、評価制度が効果的に運用でき、企業業績がより伸びた企業様もあれば、なかなか運用がうまくいかず、とても苦戦した企業様も、正直、いくつかありました。
私たちは、地域企業のリアルをたくさん見てきたからこそ、お伝えできることが多くあります。スタートアップやベンチャー企業のように、勢いがあり、社員も成長意欲が高い企業であれば、比較的、どんな評価制度を導入しても、それなりに運用できると感じています。
しかし、地域企業だと、なかなか難しい…特に、事業承継を行っている等、会社の歴史がある企業ほど、人事評価制度のような運用は、慎重に進めていかないといけません。地域企業を考える、より良くしていく上で、少しでも皆さまの参考になれば嬉しいです!
2.人事評価制度を考える上で、重要なこと
私たちは、人事評価制度のセミナーで最初に必ずお伝えするのが、人事評価制度を考える視点です。一般的に、人事評価制度の課題と言われると、下記のようなものが多く挙げられますね。
特に、評価者(管理職)が…って話はどの企業からも聞こえる話ですね。笑
もちろん、このような課題は、どの企業にもあり、この課題をクリアしていくことも、とても重要です。しかし、地域企業においては、これ以前に解決しておかないといけない課題が多いと感じています。
だから、私たちは、人事評価制度のご相談をいただくと、必ずこのようにお伝えしています。「人事評価制度は、パンドラ箱ですよ」と。笑
さらに、経営者に対して、「本当にやる覚悟ありますか?」ともお話ししています。笑
では、具体的にどう対処していくのか。当たり前ですが、中長期計画、経営計画、人事戦略、採用計画などなど、この辺を、しっかり整えることが、人事評価制度設計において、重要ですとお伝えしています。
経営戦略、人事戦略があって、その中の1つとして、人事評価制度がありますよね。上の概念が決まっていないのに、個別手段にいくのは、要注意。
加えて、人事評価制度を入れることが、あらゆる人事課題が解決するように話される経営者や人事コンサルの方もいますが、私たちは、人事評価制度は魔法のツールではないと考えています。人事評価制度を通じながら、どう会社全体、人事全体のトラブルシューティングしていくかが重要だと感じています。それを実現していくには、泥臭い地上戦が必要ですね。
例えば、こんなケース、よくありますね。
このような前提条件が整っていないのに、急に評価制度を導入すると、大きなハレーションが生じます。
地域の企業だと、意外にこの辺が整っていないのに、経営者がもっと社員に頑張ってもらいたいという想いから、評価制度の導入を検討されることが多いのですが、その前に、「整えるものを整える!」のが大事ですね。
3.制度の前に、組織風土をどうするか
これまでの話と重なる部分がありますが、「地域企業」においては、組織風土をどうしていくかは、とても重要なことです。
今、多くの地域企業で、下記のような状況が生じていますね。
「元気な若手や中途社員が入社してくれるようになったけど、これまでいる管理職や中途・ベテラン社員の士気が上がらず、社内の温度感がバラバラ…。」
特に、歴史のある企業で、事業承継をしたばかりでは、このようなケースが多いですね。この場合には、時間とパワーはかかるものの、どんな組織風土にしていきたいのかを明確にして、社員と対話を繰り返しながら、組織風土を醸成していくことが重要です。
私たちが伝えているのは、組織風土にも、人事評価制度にも、絶対的な正解はないということです。経営チームがどんな会社にしていきたいのか、そのゴールによって、組織風土も、人事評価制度も、内容は大きく変わります。
だからこそ、私たちは、ご縁あった企業様とは、経営者はもちろん、経営チームのメンバーや管理職、現場で奮闘している社員とも交流しながら、各社に合った支援を行っています。もちろん、自社でできるなら、それが一番。でも、第三者が介入した方がいい場合には、関わっていきます。
いずれにしても、会社の組織風土を創っていく、変えていくのは、会社全体で取り組むこと。どうみんなを巻き込んでいけるのか、ここが大事ですね!
加えて、人事評価制度という観点でいけば、報酬制度も関連してきますので、ビジネスモデルや収益構造も重要です。もっと言えば、営業やマーケティングも重要。せっかく評価制度を導入しても、企業体力的に昇給が難しい…となっては、悩ましいですよね…(金銭報酬以外もありますが…この辺の話は長くなるので、別機会で。笑)
余談になりますが、私たちは、HRの専門家でありながら、営業やマーケティングも、しっかり支援していきます!「勝たせるHR」を目指しています!
4.みんなで意見交換することの重要性
今回のみやぎ人財活躍フラグシップ企業育成事業では、「人事評価制度」を題材に、参加企業同士、色々と意見交換を重ねました。正解がないからこそ、互いの企業や経営者がどう考えているのかを聞けるのは、有益な機会ですね。
私たちから、下記のようなテーマを設定し、ワークショップを行いました。
4時間のワークショップだけでは終わらず、懇親会でも熱い意見交換が行われました。こういう業種を超えたつながりは、とても大事ですね。
特に、人事評価制度に関わる話は、なかなか他社の方と話せないですよね…そういう意味で、今回のような事業で、経営者同士がつながって、色々と意見交換できる機会は、本当に素晴らしい機会だと感じました。
私たちも一緒に意見交換させてもらいながら、たくさんの学びと気付きを得ることができました。ありがたいご縁に感謝申し上げます。
ありがとうございました!!
ともに、地域を、東北を、もっともっと良くしていきましょう!!
参考に、みやぎ人財活躍フラグシップ企業育成事業です!
また、人事評価制度は、もちろん、人事全体を見直したい、考え直したい、学び直したいという時に、坪谷邦生さんの【人材マネジメント入門】は、とても分かりやすく、体系的に整理されていて、とてもおすすめです。
ぜひ、気になった方は、見てみてください。本当に分かりやすいです!