見出し画像

【work file】jitsuko さん/活版印刷ブランドのfounder

jitsuko さんとの出会い

 フラッと入った代々木上原の「古本屋ロスパペロテス」でレジに一番近い棚に岡本仁さんが著者の『好物歳時記』という本があった。もともと岡本さんの本は好きで『東京ひとり歩き ぼくの東京地図。』を教科書にして、上京したばかりの頃は、東京を練り合いたくらいだ。ただ、その書店にある『好物歳時記』は見たことがなかったので、当然手にとった。シンプルな装丁と手に収まるサイズ感、内容も相まってポケットに納めたいそんな1冊だった。一緒に書店を訪れていた友人曰く、どうやらPAPIER LABO.が出している本だった。『PAPIER LABO.』は、「紙と紙にまつわるプロダクト」をコンセプトにセレクトしている雑貨屋さんらしい。どんな人が作ったのか、どんな経緯で今に至るのか?純粋に気になった。偶然にも設立者のjitukoさんと友人が知り合いとのこと。これは話を聞きたいと思ってすぐ連絡をした。
 どこの若造かもわからない中、いきなりの連絡に丁寧に対応してくださった『PAPIER LABO.』のfounderである jitukoさん。働くとは何か。聞いてみた。

〈活版印刷のブランドを立ち上げ〉

 聞けば、はじめから活版印刷で何かしようとかブランドを持ちたいというわけでも無さそうだった。29歳までは、派遣でホテルのお仕事をされたりバイトなどして暮らしていたのだそう。活版印刷の道は、それまで5年ほど務めていたホテルのお仕事を退職されてから始まる。なぜ活版印刷を選ばれたのか聞いてみると、「元々紙ものが好きだったのと、2000年前後の頃、海外旅行するたびに好きなお店のショップカードが活版印刷だったことが多くて、そこから調べてまったく知らない世界の活版印刷の門を叩いた」らしい。きっかけは何気ない自分の生活に溢れる好きの一つのように感じた。ただ、活版印刷の門を叩いてからのjitukoさんは、とにかく夢中だったんだろうと思わせる日々を送っていたようだ。「自分で調べていろんな印刷所に飛び込みで行ったり、教えてもらったりしました。なんでそんなパワーが自分にあったのか謎ですが、できちゃったんですよね。」何もないところから飛び込みで話を聞いたり、教えてもらって0から作り上げた活版印刷のブランド。これがSAB LETTERPRESSがはじまって、PAPIER LABO.ができるまでの初めのストーリーらしい。「『PAPIER LABO.』は活版印刷のプロダクトを個人で作っていたjitukoさんと、代表の江藤さんとデザイナーの高田唯さんの3人が意気投合してできたお店です。」プロダクトを作っていたjitukoさんと代表のご縁があってを設立された『PAPIER LABO.』。jitukoさんに、お仕事のお話を伺うと「とにかく人のご縁に恵まれて、ここまで来たってだけです。」とメッセージしてくれた。夢中になって活版印刷の門を叩いている時も「周りの人にたくさん助けられました。」と周りの人やご縁のお話をされていた。ご縁があるのは、その人のパワーや引き寄せともいう気がした。きっとその当時のjitukoさんのパワーが周囲の人を巻き込み、それに対して感謝やリスペクトが出来るからこそご縁が巡ってくるのではないかとも思う。

〈仕事とは何か。働くとは何か。〉

 やりたいことは、はじめからなくてもいい。はじめから志がないといけない風潮があるように感じていたが、その瞬間や出会い、ご縁はいつくるか分からない。いつ来てもいいようにしておくことが第一歩かもしれない。

 今は、2拠点での生活を送っているようだ。私もいつか、直接お会いして当時のお話をまだまだ聴いてみたいと思う。


サーティースリー合同会社 
jitsukoさん
『SAB LETTERPRESS』、『PAPIER LABO.』の活動を経て、プロジェクトマネジメントオフィス「サーティースリー」を設立。現在はスモールビジネスのブランドコミュニケーション、プロダクト開発に関わっている。



hnp 


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?