マガジンのカバー画像

本と映画と音楽と。

14
好きな映画、本、音楽などの作品の感想をまとめました。
運営しているクリエイター

記事一覧

秋、好きな自分でいるために、読書する。『東京タワー』(江國香織)

 表面に見えている部分よりも、好きな音楽や本や映画を香水のエッセンスのようにまとったその…

fumi
2日前
7

『ソウルフルワールド』劇場上映を見てきた感想。

 劇場上映『ソウルフルワールド』を、早速見てきた。  以前配信で見ていたものの、劇場で見…

fumi
7か月前
21

2023年に観た映画を振り返る。

 新年あけましておめでとうございます。  今年映画の感想をまとめていたら、年を越してしま…

fumi
10か月前
20

「君たちはどう生きるか展」の帰りに聴いた「地球儀」が忘れられない。

 11月下旬、三鷹の森ジブリ美術館へ出かけた。  館内の企画展示にて、「君たちはどう生きる…

fumi
11か月前
17

『3月のライオン』17巻を読んだ。 【感想/ネタバレなし】

 羽海野チカ先生の『3月のライオン』17巻を、ようやく読んだ。発売してすぐに買ったのだが、…

fumi
1年前
17

「リロ・アンド・スティッチ」が大好きという話【8/20】

 「ツイステッド・ワンダーランド」ゲームに、私の大好きなキャラクター、スティッチが暴れ回…

fumi
1年前
8

『いのちの車窓から』を読んで、星野源のファンになったこと 【読書感想文】

 星野源という人を、私が初めて知ったのは小学生の頃だった。NHKの『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』という番組で、初めて彼を見た。  初めて彼の曲を聴いたのは、「SUN」がヒットしたときだった。おそらく中高生の頃だ。  そして今年、大学生になって、初めて彼の書く文章を読んだ。今年の6月のことだった。星野源と初対面するのは、これで3回目のような気がしている。  彼の書く文章は、面白くて、読みやすくて、まるでラジオを聴いているような感覚があった。内容がするすると滑らかに頭

『チュベローズで待ってるAGE22・AGE32』加藤シゲアキ (ネタバレあり)【読書感想文…

 お盆に読んだせいだろうか。まるで線香花火みたいな小説だと思った。  線香花火がぱちぱち…

fumi
2年前
15

落ち着きたい夜の、心の灯りに。『星旅少年』坂月さかな

 夜、眠ろうとして目をつむると、静寂と暗闇に包まれる。そのときの感覚は、宇宙と似ていると…

fumi
2年前
13

梅雨の弱った心にそっと寄り添ってくれた本。『つめたいよるに』江國香織

 五月病をようやく乗り越えたと思ったら、今度は梅雨、低気圧。どうやら季節は私の気を休ませ…

fumi
2年前
28

暗闇の中で紡いできた、ひなたの道『カムカムエヴリバディ』感想(ネタバレあり)

 半年間、ずっと見続けてきた朝ドラ「カムカムエブリバディ」が終わった。カムカム最終回の余…

fumi
2年前
19

繊細な心にそっと寄り添い、包み込んでくれる 『檸檬』梶井基次郎

 梶井基次郎の「檸檬」を初めて出会ったのは、体調を崩した日のことだった。数日間、微熱が続…

fumi
3年前
77

『もののけ姫』を見た(若干ネタバレあり)

 映画のいいところは、頭よりも先に心で感じることができることだ。鑑賞後、心の奥の方では、…

fumi
3年前
21

「あしながおじさん」感想

 最近、寝る前に少しずつ『あしながおじさん』を読み進めていた。  ジュディは学校生活や日常の中で手紙とともに成長していく。年が近いこともあって、自然と親近感が湧いてきた。だんだんジュディは私の友達のような存在になっていた。  私の中で言葉にできなかった思いがある。それをジュディが言語化してくれたようだった。彼女の紡ぐ言葉は居心地が良かった。 「大学へ来た当初は自分がほかの人たちのような順当な少女時代を盗まれていたような気がして孤児院を憎んでいましたが、現在では少しもそん