宮沢賢治の「雨ニモマケズ 風ニモ負ケズ- - -」という詩について考えてみました
Ⅰ「雨ニモマケズ 風ニモマケズ- - -」の詩の全文
雨ニモマケズ 風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク 決シテ瞋(イカ)ラズ
イツモシヅカニワラツテイル
一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンヂャウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ陰ノ
小サナ萱ブキ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニ疲レタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイイトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
Ⅱ「現代語訳」
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫な身体を持ち
欲はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きしわかり
そして忘れず
野原の松の林の陰の
小さな茅葺き小屋にいて
東に病気の子どもがいれば
行って看病してやり
西に疲れた母がいれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人がいれば
行って怖がらなくてもいいと言い
北にけんかや訴訟があれば
ためらわずやめろと言い
日照りのときは涙をながし
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼうと呼ばれ
ほめられもせず
苦にもされず
そういう者に
わたしは なりたい
Ⅲ「雨ニモマケズ 風ニモマケズ- - -」の詩の解釈について
この詩は、日本の詩人宮澤賢治によって書かれたもので、日常の質素さと調和を強調しています。詩の中で表現されている要点は以下の通りです:
自然との調和: 詩は、悪天候や環境の厳しさにも負けない強靭な身体と心を持ち、自然と調和することの大切さを強調しています。雨、風、雪、暑さにも屈せず、自然界と調和し、穏やかな心で生活することが大切だと述べています。
質素な生活: 詩には、身体の丈夫さと欲望の控えめさが強調されています。玄米や味噌、少しの野菜を食べ、贅沢をしない質素な生活様式が称賛されています。欲望を抑え、シンプルな生活を送ることが、幸福と調和につながるとされています。
社会的責任: 詩では、病気の子どもや疲れた母親、困っている人々に対する思いやりと支援が強調されています。作者は、他の人々への助け合いや思いやりの精神を重要視しており、社会的責任を果たすことが大切だと語っています。
対立回避: 詩には、けんかや訴訟を避け、対立を積極的に解決する姿勢が示されています。作者は、争いごとを避け、平和と調和を尊重すべきだと考えています。
自己の成長と理想: 詩の最後には、作者が質素な生活と思いやりを通じて成長し、自己実現し、理想とする存在になりたいという思いが表現されています。自分が積極的に善行を行い、社会的責任を果たすことで、より良い人間になることを望んでいます。
この詩は、日常生活の中で質素さ、調和、思いやり、平和を重要視するメッセージを伝えており、多くの読者に共感を呼び起こすことができる詩とされています。
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