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『男女間の格差はいつ生まれたの? 』 性差(ジェンダー)の日本史展 レポート。
1.『性差(ジェンダー)の日本史』展 とは?
先日、千葉県佐倉市にある国立歴史民族博物館で
開催中の『性差(ジェンダー)の日本史』展へ
行ってきました!
国立歴史民俗博物館企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」
— 性差(ジェンダー)の日本史 企画展示@歴博2020.10.6~12.6 (@GenderHistoryJP) August 25, 2020
開催期間:10月6日(火)~12月6日(日)
男女の区分―なぜ? 男女はどう生きた?
政治の場から買売春の歴史まで
驚きと発見に満ちたジェンダーの成り立ちとその変化を総覧!https://t.co/wSI26ZtbeI pic.twitter.com/JW3508YAcT
Twitterのトレンドワードにも上がっていたので
ご存知の方もいらっしゃるかもしれない
この企画。
展示内容を紹介するラジオを聴いていたところ、
企画をされた学芸員の方が
「会場に入ると、ハニワがEXILEしています。」
と紹介されていたのが気になり、
都内から約2時間半、
電車に揺られて行ってきました。
2.展示内容と胸に響いたこと。
この展示は
「卑弥呼の時代から現代まで、
数多くの実在の資料を通して、
日本の歴史の中でジェンダーが
どのような意味を持ち、
どのように変化してきたのかを問う」
という内容の歴史展です。
#ジェンダー展 の展示室は、A・B二つに分かれています。写真はA室の入口から見た所で、栃木県下野市の甲塚(かぶとづか)古墳から出土した、女性を中心とする人物埴輪の行列が見えています。A室では、1~5章、古代から近世の「政治空間における男女」および「仕事とくらし」について扱っています。 pic.twitter.com/OYfis2kXms
— 性差(ジェンダー)の日本史 企画展示@歴博2020.10.6~12.6 (@GenderHistoryJP) October 9, 2020
会場に入るとまずは例のハニワEXILEがお出迎え。
展示会場は政治・仕事・売買春という
3つのテーマに区分けされており、
それぞれのテーマから
「なぜ日本に性差ができたのかを探る」
という構成になっていました。
政治・仕事の展示区画は
「初期の古墳時代には男性にも女性にも
首長がいた=ジェンダーの差があまりなかった」
という展示から始まるのですが、徐々に
「戸籍に載る名前が、家族の代表者の
男性の名前だけ」になったりと、
国が作った制度や習わしによって、
性別による待遇の差が作られていく様子が
ありありと伝わってきました。
御野(みの)国加毛(かも)郡半布(はにゅう)里戸籍(複製)
— 性差(ジェンダー)の日本史 企画展示@歴博2020.10.6~12.6 (@GenderHistoryJP) October 12, 2020
(御野国は、現在の岐阜県)
702(大宝2)年 国立歴史民俗博物館蔵 原品:正倉院宝物
左側の4行が女性で、名前に「賣(売、め)」が付いている。 pic.twitter.com/ZYh3O1HBGm
また、「売買春」をテーマにした区画では、
家が貧乏なせいで、自分の娘が遊女になることに
同意するお父さんの手紙なども展示されており、
思わず胸が苦しくなる展示物もありました。
遊廓では、警察によって「遊客名簿」の作成が義務づけられ、登楼した男性遊客の名前・住所・年齢・職業・風貌の他、消費金額や相手の娼妓の名などが記録されました。「遊客名簿」からは、どこからどのような男性がその遊廓にやってきたのかが見えてきます。
— 性差(ジェンダー)の日本史 企画展示@歴博2020.10.6~12.6 (@GenderHistoryJP) October 28, 2020
北新地五番町遊廓遊客帳(個人蔵)1934年 pic.twitter.com/NBcn7LrdVd
現在、この清定楼の資料は琵琶湖博物館と大阪人権博物館にわかれて所蔵されていますが、本展では、両館の資料を再び邂逅させ、客の滞在時間を計るのに使われた道具や、娼妓の生活用具、洗浄器などを展示し、遊廓での娼妓の過酷な日常生活の現実を歴史学の視点から明らかにしていきます。 pic.twitter.com/qogRT2JwfJ
— 性差(ジェンダー)の日本史 企画展示@歴博2020.10.6~12.6 (@GenderHistoryJP) September 25, 2020
しかし、会場にはたくさんの方が
来場されていて、一人一人の方が、
ジェンダーの差がなくなるような行動を取れば、
未来は変えられるかもしれませんし、
今この瞬間も、
歴史になる日がくればいいなと思いました。
3.図録はマストバイ
昨今の展覧会では図録に力を
入れているところが多く、
人気の展覧会では、会期が終わる前に
売り切れてしまうことも多々あります。
この「性差(ジェンダー)の日本史」展も
図録にはかなり力が入っており、
昔のタウンページ並の分厚さに
仕上がっていました。
#ジェンダー展 図録、昨日納品されました。副代表の計測によると厚さは約2.3㎝、重さは1.4㎏弱と、歴博の図録史上おそらく最厚・最重に。ご来館の上お求めになる際は、ぜひ丈夫なバッグをご用意ください。 pic.twitter.com/NJXq04zs2Q
— 性差(ジェンダー)の日本史 企画展示@歴博2020.10.6~12.6 (@GenderHistoryJP) October 1, 2020
展示されているほとんどの内容が
網羅されているので、遠方にお住まいで
実際に行くのがむずかしいという方には
図録だけでも十分に感じられるものが
あると思います。
4.こんな方におすすめ!
「国立歴史民族博物館」という名前だけを
聞くと、なかなか足が向きづらい
スポットのように感じられますが、
会場には若いカップルの方や
ご家族で来ていらっしゃる方もおり、
ジェンダーに対する世間の関心が
どんどんと高まっているのを感じました。
大学でジェンダーに関することを
学んでいる学生さんなどはもちろん、
日常的に性別による悩みを抱えて
いらっしゃる方や、そういった方を
支援されているNPOや団体のみなさん、
そして男性として生きている全ての方に
見て、感じていただきたいと思いました。
5. 展覧会情報
こちらの展覧会は12/6まで
開催中だそうなのですが、
入場に予約が必要な日もあるそうなので、
詳しくはHPをチェックしてみてください♪
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ジェンダーやフェミニズムを含めた
あらゆる差別の解消につながる本を
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