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『男女間の格差はいつ生まれたの? 』 性差(ジェンダー)の日本史展 レポート。

1.『性差(ジェンダー)の日本史』展 とは?

先日、千葉県佐倉市にある国立歴史民族博物館で
開催中の『性差(ジェンダー)の日本史』展へ
行ってきました!

Twitterのトレンドワードにも上がっていたので
ご存知の方もいらっしゃるかもしれない
この企画。
展示内容を紹介するラジオを聴いていたところ、
企画をされた学芸員の方が
「会場に入ると、ハニワがEXILEしています。」
と紹介されていたのが気になり、
都内から約2時間半、
電車に揺られて行ってきました。

2.展示内容と胸に響いたこと。

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この展示は
「卑弥呼の時代から現代まで、
数多くの実在の資料を通して、
日本の歴史の中でジェンダーが
どのような意味を持ち、
どのように変化してきたのかを問う」
という内容の歴史展です。

会場に入るとまずは例のハニワEXILEがお出迎え。

展示会場は政治・仕事・売買春という
3つのテーマに区分けされており、
それぞれのテーマから
「なぜ日本に性差ができたのかを探る」
という構成になっていました。

政治・仕事の展示区画は
「初期の古墳時代には男性にも女性にも
首長がいた=ジェンダーの差があまりなかった」
という展示から始まるのですが、徐々に
「戸籍に載る名前が、家族の代表者の
男性の名前だけ」になったりと、
国が作った制度や習わしによって、
性別による待遇の差が作られていく様子が
ありありと伝わってきました。

また、「売買春」をテーマにした区画では、
家が貧乏なせいで、自分の娘が遊女になることに
同意するお父さんの手紙なども展示されており、
思わず胸が苦しくなる展示物もありました。

しかし、会場にはたくさんの方が
来場されていて、一人一人の方が、
ジェンダーの差がなくなるような行動を取れば、
未来は変えられるかもしれませんし、
今この瞬間も、
歴史になる日がくればいいなと思いました。

3.図録はマストバイ

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昨今の展覧会では図録に力を
入れているところが多く、
人気の展覧会では、会期が終わる前に
売り切れてしまうことも多々あります。
この「性差(ジェンダー)の日本史」展も
図録にはかなり力が入っており、
昔のタウンページ並の分厚さに
仕上がっていました。

展示されているほとんどの内容が
網羅されているので、遠方にお住まいで
実際に行くのがむずかしいという方には
図録だけでも十分に感じられるものが
あると思います。

4.こんな方におすすめ!

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「国立歴史民族博物館」という名前だけを
聞くと、なかなか足が向きづらい
スポットのように感じられますが、
会場には若いカップルの方や
ご家族で来ていらっしゃる方もおり、
ジェンダーに対する世間の関心が
どんどんと高まっているのを感じました。

大学でジェンダーに関することを
学んでいる学生さんなどはもちろん、
日常的に性別による悩みを抱えて
いらっしゃる方や、そういった方を
支援されているNPOや団体のみなさん、
そして男性として生きている全ての方に
見て、感じていただきたいと思いました。

5. 展覧会情報

こちらの展覧会は12/6まで
開催中だそうなのですが、
入場に予約が必要な日もあるそうなので、
詳しくはHPをチェックしてみてください♪

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ジェンダーやフェミニズムを含めた
あらゆる差別の解消につながる本を
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