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一番の特効薬は本かも知れない【#今こんな気分】
歯が地味に痛い。
いや、正確にいうと抜歯痕が痛い、というべきだろうか。
これまでnoteでも何度か書いていたけれど。
先日、長年の懸案事項であった親知らずを、ようやく抜歯してもらった。
親知らずの抜歯は、若いほどいいという。
(回復が早いからね)
だが、既に40オーバーの私。
親知らずは歯茎に埋もれ、しかも横向きに生えている。
かかりつけ医からは、「抜歯は困難になるだろう」と宣告されていた。
そのため、地元で抜歯の神様と呼ばれる名医への紹介状を用意してもらったのだった。
"神様"は「僕は年がら年中、こんな親知らずを抜歯しています」と頼もしいお言葉。
けれど、確かに抜歯はタイヘンだった。
顔を覆われ、何をされているのかわからない。
麻酔が効いて痛みは感じないものの、絶えずドリル音が鳴り、金属で引っ張られているカンジ。
その後、麻酔をバンバン打ち込まれる。
医師と看護師が「うーん」と唸っている。
そんなのを聞くと、正直「神様、手こずってるやん」と思わずにはいられなかった。
その後、無事抜歯は終わり…。
腫れや痛みはあったものの、家族や同僚たちからも「けっこう元気そうで安心した」と言われ、経過はまずまずだと思われた。
だが抜歯1週間を過ぎたあたり、抜糸を前にして、地味に痛みはじめてきたのである。
日常生活に支障をきたすほどではない。
だが、じわじわと気になる痛み。
これ、なんだろう。
おかしい。
1週間前後で痛みは引くって聞いていたのにー。
ちなみに親知らずの抜歯後に気をつけることとして、ドライソケットにならないことが挙げられる。
ドライソケットとは・・・血のかさぶたが剥がれ、抜歯した穴がむき出しになっていること。
相当激痛、らしい。
私はドライソケットにならないよう、血のかさぶた(血餅)を大事に大事に育ててきたつもりだったのだ。
あまり飲みたくなかったけれど。
抜歯後に医師から多めにもらっていた、痛み止めを飲むことにした。
痛み止めが必要なのは、抜歯直後だけかと思っていたんだけど…。
ずきずき。
この痛み、なんだろなー。
気になるなぁ。
そういえば。
昔、作家の新井素子先生が、歯痛には痛み止めと本が必需品だと書いていたっけ。
先生は、大の歯医者嫌い。
だから歯痛になると、痛み止めを飲んだ後、本を読んで気を紛らわせていた、とか。
面白い本を読んでいると、いつの間にか痛くなくなるらしい。
子どもの頃から歯医者に別段恐怖心がなかった私。子ども心に、「早く歯医者行けよ!」と思いながら読んでいた。
…今こそ、本を読む時なんじゃない?
私は、しばらく積読したままの書籍たちに手を伸ばした。
こんな時は、現実離れした話がいい。
読んでいて楽しくなるものを。
今の気分にピッタリな本が見つかった。
痛いと、悪い想像ばかりしてしまう。
炎症をおこしているのかしら。
化膿しているのかも?
休みにならないと病院に行けないのにー。
スマホを持つと、自分の症状について検索せずにはいられない。
でも思いきって、本の世界に没入すると、思いのほか夢中になれた。
気がついたら、あれほど気になっていた痛みは治まっていた。
もちろん、薬の効果だろう。
だけど私にとって一番の特効薬は、本なのかも知れない。