#321 【新刊出版イベント記】採用面接とアフォーダンス
前回の記事の続きです。
ぼくは仕事で採用面接をおこなうことがあります。
今日は、アフォーダンスの考え方をもとに、採用面接について考えてみたいと思います。
頷くことによる効果
頷きに導かれて、人は話す。
話し手が本当に思っていたことを、頷くという行為によって無意識で引き出すことができる。
アフォーダンスは、まさにこのような効果を持っています。
なんだかこれをきくと、傾聴の姿勢に通じる気がしませんか?
支援場面では、傾聴技法が大変有用な支援手法であることが認められています。
では、採用面接ではどうでしょうか?
二つのタイプの質問
面接場面において。
面接の質問にも二通りあると思っています。
前者はテイカー寄りですよね。
企業にとって良い人を採用したい。なるべくリスクにならない人がいい。なるべく優秀な人がいい。だから、なるべく引き出して引き出して、適切な判断を下すことのできるよう努める。
ぼくもこういう質問をします。
しかし、これだけだと、本当に「企業にとっての戦力かどうか」だけでしか判断できなくなります。
本当にそれでいいのか?と思います。
戦力ならそれでいいのか
果たしてそうだろうか?
なぜなら、戦力になるならどの企業からも歓迎されるからです。
であれば、うちの会社じゃなくてもいい。
大切なのは、戦力であるかどうかではなく、活躍できるかどうかだと考えています。
そこで大切だと思うのが、後者の質問です。
…前置きが長くなりましたが、ここからが、アフォーダンスに関わってきます笑
話す機会を聴くことを通じて与える/つくる
相手が話す機会を与えるために質問する
こちらはギバー寄りですよね。
話したいことを話してもらう。なるべく「あなた」が「あなた」であることを表現してほしい。
これが定性・定量的な選考判断につながるのか。それはどのようなものか。
そう問われると、答えるのが難しい。
しかし、この質問と回答の応酬は、人対人になれるので、もし本当に一緒に働くとなったら…もしこの方が会社にいたらどんなことをしてくれるか…を想像しやすくなると思っています。
さらに、頷きを持って受け手の「表現」を受け止めることで、無意識に引き出すことができます。
アフォーダンスですね。
そこで引き出される真意こそが、人となりを表すのではないでしょうか。
「アフォーダンス」を学んだことによって、今後の面接場面でも活きそうだな!という実感が得られました。
まとめ
だいぶ脱線した気がしますが、まとめます笑
「受け取ること」について書かれたのが前著(世界は贈与でできている)なら、本著(利他・ケア・傷の倫理学)は「与えること」について書かれている本とのことです。
押し付けの善意になってないか
ありがた迷惑になってないか
与えたいけど、与えることに躊躇してしまう
そんな風に思ってしまう人に手に取ってほしい本です。
興味のある方、ぜひ読んでみてください!