おいしいものを、すこしだけ 第17話
休日に図書館でボランティア活動をしてみようかと思う、と言ったところ、亜紀さんはいい顔をしなかった。
「何をするんですか」
「何って、配架とか、いろいろ」
「その図書館は問題があると思います。図書館祭りとか、一時的なイベントでボランティアを募集するならともかく、配架のような通常業務で人を頼むというのは、あきらかにその図書館は恒常的な人手不足ということなのに、どうして職員を雇わないんですか。配架は誰にでもできると思われがちですが、職員が蔵書の動きを知るうえで重要な仕事です。職員