習慣が変われば、〇〇が変わる
心が変われば、行動が変わる
行動が変われば、習慣が変わる
習慣が変われば、人格が変わる
人格が変われば、運命が変わる
アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームズの言葉として知られていますし、ヒンドゥー教の教えとも言われています。
言葉の言い回しや、順番などは違えど、同じような内容のことは、その他の場所でも多くみられます。
それだけ人間の思考や行動が、習慣や人生に影響しているということかもしれません。
健康にも習慣というのはとても重要です。
『生活習慣病』と言われるくらいですので、日々の習慣を改めることが何よりも大切であることを示しています。
今回は『やめる習慣』という本から、習慣に関する考え方や実践について勉強していきたいと思います。
まずこの本では代表的な10の『悪い習慣』が紹介されています。
①先延ばし
②ネット・スマホ
③無駄遣い
④ダラダラ生活
⑤夜更かし
⑥食べすぎ
⑦飲みすぎ
⑧イライラ
⑨クヨクヨ
⑩完璧主義
健康を維持するための生活習慣としても当てはまるものが多いなという印象です。
②と⑤は睡眠時間の短縮につながりますし、⑥と⑦は食事管理の部分で関連してくるかと思います。
⑧と⑨と⑩は精神面での安定という意味では、健康にも密接に関わると考えられます。
習慣ではまず、新たな習慣を作る前に『やめる習慣』が重要です。
しかし新たな習慣を始める以上に、やめる習慣は欲望や誘惑が多く、難易度が高くなります。
ではなぜ悪い習慣がやめられないのでしょうか。
1つ目に人間の脳は、変化に対して抵抗し、現状を維持しようとします。
つまり新しい行動はいい習慣でも悪い習慣でも変化に抵抗しようとします。
新しい、良い習慣が続かないのも、ずっと行っている悪い習慣がやめられないのも、同じ理屈だということです。
2つ目に意識と無意識が関係しています。
脳には意識できる部分と、意識できない部分があります。
高所に行けば、足がすくみ、心臓がドキドキし、恐怖を感じます、それは無意識の反応です。
この無意識の反応は体を正常に維持するために必要です。
つまりここでも現状維持をするように制御されています。
無意識は事なかれ主義であり、現状維持に強く働くことによって、自分自身を守ろうとします。
心理学の世界では無意識は人間の行動の大半を占めているとも言われています。
3つ目に欲望と理性の関係があります。
ダイエットをしている際にお菓子が目の前にあるとします。
食べたいが欲望、太るから食べない方がいいが理性です。
しかし欲望に対して理性だけで太刀打ちするのはかなり困難です。
また欲望にはその先にメリットがあるため、そのメリットの代わりになるものが必要になります。
煙草を吸う代わりにガムを噛むなど、他の行動に置き換えることなどが対応策としてよく知られています。
ここまでの話から習慣というものを簡単に変えることができない理由がある程度わかると思います。
ただ諦めては何も始まらないのでここからは対策を書いていこうと思います。
まず習慣化を始める前にいくつかの原則があります。
①一度に一つの習慣に取り組む
習慣を始めるときに多いのが、高すぎる目標にしたり、同時にあれこれ手を出してしまうことです。先ほどの理屈であれば、変化が大きければ大きい程脳は現状維持を望むため、拒否反応も大きくなってしまいます。シンプルにやさしい習慣から始めましょう。
②要点を明確にする
ただ朝早く起きるという習慣を決めると、睡眠時間を削ることとなります。問題は起きる時間ではなく『寝る時間』を早めることです。問題となる習慣の要点となる部分を間違わないようにすることが大切です。
③目標達成ではなくプロセスに集中する
5キロ痩せることに集中するのではなく、5キロ痩せるための習慣や行動に集中します。その結果5キロ痩せたとしても、目標を失わずに習慣を続けることが出来るため、リバウンドもしにくくなります。
以上の原則がありますが、この本で書かれていることでとても興味を持ったのが、『こころの筋力を鍛える』ということです。
習慣化はいわば『筋トレ』と同じで、すればするほど鍛えられますが、しなければ衰えます。
そしてそのこころの筋トレを行う際に必要な物がこころのエネルギーです。
こころとからだに余裕がない、疲れ果てている時に正常な思考や行動はできません。習慣化にとってこころのエネルギーはとても重要です。
このこころのエネルギーを蓄えるためには『睡眠』が絶対必要です。
ここを出発点にしなければすべての習慣が前に進まなくなります。
良質な睡眠・・・
生活習慣病の改善や健康長寿を目指す上で、まず一番に取り組まなければいけないことかもしれません。
当院ホームページで毎月テーマを変えて情報発信をしています。
11月は睡眠について簡単にまとめてあるため、よろしければこちらもご覧ください。
いかかでしょうか。
習慣が変われば、病気や不快な症状、減量、健康維持、精神状態、幸福度、日常生活などあらゆることが変わる可能性があります。
習慣を変えることは難しいことかもしれませんが、変えることができれば、自分も知らない自分に出会えるかもしれません。
我々も小さな習慣を積み重ね、知識や技術を磨いていきたいと思います。