原作を超える
名作『千と千尋の神隠し』が世界初の舞台化。
発表されてから心待ちにしていた舞台、ようやく見ることが出来ました。ミュージカルにするのかと思いきや演出のジョン・ケアードは原作に敬意をはらいストレートで舞台化。原作が名作なのでハードルは高い。果たしてどんな世界になるのか…。
心待ちにしていた舞台のその日、キャストは千が上白石萌音、ハクが三浦宏規。湯婆婆が本家本元の夏木マリにカオナシが菅原小春と最高のキャスティング✨
舞台の詳細はこれからご覧になる方もいるので割愛しますが、テクノロジーではなく、あえてアナログを駆使して「千と千尋の神隠し」世界観を演出、それが三次元の世界に色鮮やかな艶を出していた。そして主演キャストの上白石萌音の憑依型演技で舞台に10歳の千尋が存在、ハク役の三浦宏規はバレエの基礎があり所作が美しく神秘的な雰囲気を纏い、ミュージカルで鍛えた声量で重要なシーンを引き締めていた。この二人の息がぴったり!!最後の空を飛ぶシーンには愛があり涙腺が緩む。
さらにまわりを取り囲む夏木マリこと湯婆婆や、リン、釜爺、カオナシが原作のキャラクターに自分の個性をブレンドし、唯一無二の世界観を築いていた。
最後に原作にはないシーンがあり、見ている人の心にささる演出。これは原作を超えた舞台なのではなないかと思う。キャストの組み合わせにもよるかもしれないがすごいものをみた。余韻が消えない。そんな舞台だった。