「人の心は変わる」映画『コーヒーが冷めないうちに』感想
過去と未来のどちらかに行けるとしたら、どちらを選ぶ?
それとも、どちらにも行かない?
最近ふと、そんなことを考えていました。
今のところ私の答えはどちらにも行かない、です。
過去に行っても仕方ない&つらくなりそうだし、未来に行っても自分の限界を知って今をがんばるモチベーションがなくなりそうだから(発想が暗い……笑)。
さて本日は、そんな過去と未来について考えさせられた映画『コーヒーが冷めないうちに』の感想を書いてみます。
※細かなストーリーのネタバレは避けましたが、まっさらな気持ちでは観られなくなるかもしれません。気になる方は後半でブラウザバックしてください。
◆あらすじ
本作の舞台は、とある喫茶店。その喫茶店には、「特定の椅子に座ると過去に戻れる」という不思議な都市伝説がありました。
けれど過去に戻る際には、いくつかのルールがあるんですね。
まず、過去に戻って過ごせる時間は、コーヒーを入れてから冷めるまでのわずかな時間のみ。
さらに、過去に戻って何をしても、起きてしまったことは変えられないというのです。
本作の登場人物たちは、そのルールをわかっていながらも、さまざまな理由から過去に戻ろうとします。
◆プチ感想
◆感想(ネタバレ注意?)
この映画は、自分の後悔や悲しみの気持ちをまだ消化しきれていない人におすすめです。
誰しも過去の自分の行動や言動に対して悔しいなぁ、悲しいなぁと思ったことはあると思います。
私はこの映画を観たとき、ふだん抑えている感情が刺激されて、すこし胸が苦しくなりました。
自分が過去に言いたくて言えなかった言葉が映画のなかにでてきたからです。
どれだけ強がっていても、人は後悔せずにはいられない生き物なんだなと気づいてしまいました。こんなに弱い自分を直視することになるとは……。
そんななか、映画内で印象に残ったのが「人の心は変わる」という言葉。
誰しも忘れられないものは忘れられないでしょうし、簡単に乗り越えられないこともたくさんあるでしょう。
納得する日なんて来るのかわからないけれど、それでも毎日を何とかやり過ごすこと。そうして根気よく進んでいたら、いつか過去を完了できる日がふっと訪れるのかもしれないと映画を観て思いました。
今はまだ向き合えない感情にも、いつか向き合える日が来るのかもしれません。
人の心は変幻自在で脆いからこそ、何度だって作り直せると信じたい。
この映画を観て、そんなことを思いました。
◆映画予告&原作書籍
▼予告編やキャスト情報など
▼原作書籍『コーヒーが冷めないうちに』公式サイト