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ふくちにっき(旅)

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2019年2月の記事一覧

⑪遺されたカタチ(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編4

⑪遺されたカタチ(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編4

アウシュヴィッツの中で有名な展示物に、大量の収奪品(遺留品)がある。

大量のメガネ、大量の義足、大量の食器、大量のカバン、大量の靴…大量の毛髪
とにかく大量にある。

メガネは、使い古し絡み合った巨大な金たわしのようにも、針金のオブジェのようにもみえた。

食器などを持って来た人たちは、もしかしたら、日常に使っていたものを持ってくることで、子供を安心させたかったんじゃないかと、話していた。

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⑩絶滅させるための工場(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編3

⑩絶滅させるための工場(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編3



“歴史を記憶しない者は、再び同じ味を味わわざるをえない” ジョージ・サンタヤナ
(“The one who does not remember history is bound to live through it again” George Santayana
4号館展示室の入り口に掲げられた言葉)

アウシュヴィッツ、強制収容所、絶滅収容所、死の収容所、死の工場、ジェノサイド、ホロコースト

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⑨人間とは、(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編2

⑨人間とは、(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編2

アウシュヴィッツに行くと決めてから、頭の何処かに常に、それがあった。
時間があくと、とりとめもなく延々と考えてしまっていた。

人間とは、元来、残酷なものなのか。
いや、そもそも残酷という概念は、社会の法や秩序が作り出したものであって、性善説みたいな定義は果たして成り立つのだろうか。
ゆえに、悪というもの自体、あやふやで、主観的なものではなかったか。
などと、もやもやと足りない頭で考えていた。

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ポーランド旅行記まとめ※随時更新

ポーランド旅行記まとめ※随時更新

ポーランド旅行記の続きを書いていくにあたり、バックナンバーのまとめを作っておきます。

①ポーランドへ行く(2018/6月)

②FRA(ドイツ)→WRO(ポーランド) (2018/6月)

③主観(コウ?)日記 (2018/6月)

④壊された街、壊せなかった想い (2018/6月)

⑤ワルシャワ・ゲットー (2018/6月)

⑥シナゴーグでの話(2018/6月)

⑦旅の目的 (2018/

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⑧オシフィエンチム(2018/6月)Auschwitz-Birkenau編1

⑧オシフィエンチム(2018/6月)Auschwitz-Birkenau編1

“オシフィエンチム”というのが、アウシュヴィッツがある土地の本来の地名である。
バスのチケットを買う時に、窓口で”オシフィエンチム行きのチケットください。”と言わなきゃいけないのに、
オシフィエンチムが、非常に言いにくくて、列に並びながら何度か口の中でオシフィエンチムとつぶやいてから、満を持して、窓口へ。
お姉さんと目が合ったとたん…やはり噛んでしまった…

ドイツ人にも、”オシフィエンチム”は言

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