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文化人類学カフェ便り

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※2010年7月から京都府舞鶴市の特別養護老人ホーム「グレイスヴィルまいづる」主催事業である「シリーズとつとつ」(ダンサー 砂連尾理・哲学者 西川勝・文化人類学者 豊平豪が協働し…
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記事一覧

文化人類学カフェ2015年5月

文化人類学カフェ2015年5月

<暮らしてみる>
 前回のグレイスだよりで「暮らし」について書いたのですが、なんとぼく自身が4月から舞鶴を離れて、さらには日本を離れてマレーシアの首都クアラルンプールに引っ越してきました。

 一年間は舞鶴とマレーシアを行ったり来たりする暮らしになります。住居は市街地から離れた長屋。右隣は中国人で、左隣はマレー人です。

 みんなが基本的にはそれぞれの言語を話しています。北京語(マンダリン)、マレ

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文化人類学カフェ2015年4月

文化人類学カフェ2015年4月

<暮らすこと>

 見知らぬ街に引っ越しをしたとき、あなたはまず何をしますか?

 「暮らし」がテーマだった今回の人類学カフェでは、そんな話になりました。どうやら2つのタイプにわかれるようです。

 ひとつは最初に部屋を快適に整える「巣作り」派。

 もうひとつが住処のまわりを確かめる(駅からどんな道を通るのかなど)「立地確認」派。

 なんとなく前者は農耕民っぽいし、後者は狩猟民っぽい、というと

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文化人類学カフェ2015年3月

文化人類学カフェ2015年3月

<舞台って?>
 人類学カフェでは毎回テーマを決めてみんなでわいわい興味の赴くままに、真剣に雑談(!?)しています。

 今回のテーマは「ダンス公演『愛のレッスン』とはなんだったのか?」でしたが、最後に「舞台とは?」という話に流れて行きました。みなさんは「舞台」にどんなイメージをお持ちでしょうか?

 ぼくの場合、演劇とかダンスの公演を観に行くと、なんとなくいたたまれなくなってきます。映画なんかと

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文化人類学カフェ2015年2月

文化人類学カフェ2015年2月

<巡回公演を終えて>
 グレイスヴィルまいづるで2010年から行ってきた「シリーズとつとつ」。そのやってきた内容を舞台上でも深めてみたいという気持ちからはじまったちょっと変わったダンス公演「とつとつダンスpart2 愛のレッスン」は舞鶴を皮切りに、大阪、東京、仙台と、すべての公演を無事に終えることができました。

 巡回公演ではありましたが、そこはさすが砂連尾理演出。計8舞台すべてが少しずつ変化し

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文化人類学カフェ2015年1月

文化人類学カフェ2015年1月

<いろいろある幸せ?>
 ラジオ番組を聴いていたら、60代の男性が「年に一回のケーキが何よりの楽しみだった」と話していました。朝食はもちろん、昼食も抜いて、夕食はケーキだけ。箱も捨てずにとっておいて最後までケーキの匂いを楽しんだそうです。

 現在ではケーキが嫌いな子もいます(ま、昔も嫌いな子はいたとは思いますがともかく)。なぜなら、ケーキも数多くある選択肢の一つでしかないからです。嫌いなものを食

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文化人類学カフェ2014年12月

文化人類学カフェ2014年12月

<メキシコにいってきました>

 2014年の10月末から11月頭の2週間、僕は砂連尾理さんと西川勝さん、文化人類学者の池田光穂先生と共にメキシコにいました。地球の裏側です。乾季に入ったばかりのメキシコはひたすら空が広く、からっとした空気で満ちていました。

 空港に降り立ったとき、気になったのが「匂い」です。柑橘系の、シトラスの香りとでもいうのでしょうか?鼻につんとくる匂いです。タクシーに乗って

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文化人類学カフェ2014年11月

文化人類学カフェ2014年11月

<「あまい」ということば>

 「あまい」ということばで皆さんが連想するものってなんでしょうか?先月の人類学カフェはそんな質問からはじまりました。「考えがあまい」「線があまい」。はては「詰めがあまい」など。「あまいもの」になると、今度は当然の「砂糖」や「果物」から、「はちみつ」と続いて、「あまい図形」とか「あまい数字」とか不思議な話になっていきました。

 □(四角)はあまくないけど、○(丸)はど

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文化人類学カフェ2014年10月

文化人類学カフェ2014年10月

<アートとアーティスト??>
 1972年。シカゴの長い冬。天気の話しかしない80歳の無口で身寄りのない男性が病気で救貧院に運び込まれました。身の回りの品を整理するため、大家は初めて彼の部屋に踏み入れます。そこには誰に見せるともなく60年間描き続けた1万5千ページを超える長編小説と300枚に渡る巨大な挿絵がありました。

 男性は「すべてを焼却してくれ」と言い残しましたが、たまたま大家がアート業界

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文化人類学カフェ2014年9月

文化人類学カフェ2014年9月

<地名の背景>
 1970年代に部落地名総監事件というのがあったそうです。被差別部落の「地名」が記された一覧が闇で売買されていたというこの事件。会社の人事部がこれを買い、入社希望者の出身地が記載されていた場合入社を拒否する。つまり「地名」が人を判断する基準とされたわけです。

 「地名」とは、ある範囲の土地を便宜的に人が名付けたことからはじまるのでしょう。特定の何かを他者に伝えようとするとき、人は

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文化人類学カフェ2014年8月

文化人類学カフェ2014年8月

<村祭りの効用>
 現代に生きる我々は、休みになるとひたすら体の回復に努めます。でも心の方は疲弊したままかもしれません。一方で、村の生活には個人的な休みがない代わりに「お祭り」がありました。

  本来「お祭り」では、日常の会社や家族での役割から離れて、神の下で新たな役割を生きます。様々なしがらみからはずれ、祭りのピークではみんな平等に騒ぎます。無礼講ですね。しばらく経つと、祭りは終わり、それぞれ

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文化人類学カフェ2014年7月

文化人類学カフェ2014年7月

<ファッション?>

 「ファッション」がテーマの6月の人類学カフェは、意外な(?)盛り上がりを見せました。

 「ファッション」は流行とか流儀とかいう意味の英語から来た外来語です。ファッションを「流儀」と捉えると、出るわ、出るわ、「外見を装うこと」へのこだわりはいくらでも出てきます。

 服はなんでもよいと主張していても、スポーツウェアはブランド志向だったり、メガネ好きな人が、実はメガネをとった

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文化人類学カフェ2014年6月

文化人類学カフェ2014年6月

 <おそうじ?>

 最近の流行りで「除菌」って書いてあるおそうじグッズってありますね。テレビのCMとかで、空間にバイキンがうようよいる絵を繰り返し見せられると、バイキンたちがいない世界、すなわち無菌状態を理想の環境と勘違いしてしまいそうです。無菌状態は実験室でしかありえないはずです。

 一度どんなにきれいに除菌したつもりでも、しばらくすると、そこには様々な自然界の菌が入り込んできます。私たちは

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文化人類学カフェ2014年4月

「愛のレッスン2」
 『とつとつダンスpart2愛のレッスン』を観ながら、僕はアルファベットの「F」がどうしても発音できず必死に練習していた小さな頃の自分について思い返していました。

 「F」は上の歯を下唇にあてて音を出しますが、僕は下の歯を上唇にあてて音を出してしまう。でも、何度言われてもどう間違っているかわかりませんでした。

 左と右の区別も一緒。どちらが左でどちらが右か、さっぱりでした。

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文化人類学カフェ便り2014年3月

「愛のレッスン」
 みなさん、恋をしたことがありますか!! 恋は素敵なことですが、ときに嵐のように語られます。それは突然襲ってくる暴風雨であり、理性では如何ともしがたい災害のような何かです。打ちのめされ、たたきのめされることも多い。少なくとも僕はそうでした。それでも自分以外の誰か(他者)を求めずにはいられない。

 自分以外の他者を認識したとき「恋」は生まれます。おそらくそれは人間という種がもつ本

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