文化人類学カフェ2014年7月
<ファッション?>
「ファッション」がテーマの6月の人類学カフェは、意外な(?)盛り上がりを見せました。
「ファッション」は流行とか流儀とかいう意味の英語から来た外来語です。ファッションを「流儀」と捉えると、出るわ、出るわ、「外見を装うこと」へのこだわりはいくらでも出てきます。
服はなんでもよいと主張していても、スポーツウェアはブランド志向だったり、メガネ好きな人が、実はメガネをとった素顔を恥ずかしいと思っていたり。
人は装わないと、他人の視線の前には立てません。社会という関係性の網の目の中で、自分のイメージを作って、それになんとか寄り添うかたちで生きています。
「イメージになんかこだわらないよ」といっても「こだわらないファッション」という「こだわりをもった人」になってしまいます。社会のなかで生きる以上、どうがんばっても常に「お前のファッション(=流儀)とは?」と問われてしまうようです。政治でも、文化芸術でもそうです。
人とつながって生きていく以上、ファッションとは無縁ではいられない。そんなとき互いに「装うこと」へのこだわりを話し合うと、「自分」や周囲の「他人」がみえてくるのかもしれません。
※特別養護老人ホーム グレイスヴィルまいづる発行の『ぐれいす村便り(2014年7月号)』掲載分を加筆修正しています。