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文化人類学カフェ2014年11月

<「あまい」ということば>

 「あまい」ということばで皆さんが連想するものってなんでしょうか?先月の人類学カフェはそんな質問からはじまりました。「考えがあまい」「線があまい」。はては「詰めがあまい」など。「あまいもの」になると、今度は当然の「砂糖」や「果物」から、「はちみつ」と続いて、「あまい図形」とか「あまい数字」とか不思議な話になっていきました。

 □(四角)はあまくないけど、○(丸)はどうでしょう?後者の方があまい感じがします。数字も○(丸)っぽい「6」なんてのが「あまい」という話もでました。それも「きれいな図形的な円じゃなくて、手書きで描いた適当な○(丸)や6の方がなおあまい?

 人は境界があいまいなものに「あまみ」を感じるのかもしれません。「あまみ」の表現も「口の中がとろける」とか「甘美な味わいがじーんと広がる」とか、いずれもぼんやりした良さです。人間はどうしても分類してしまう生き物です。だからこそ、分類の狭間に感じるあまみを古くから追い求めているのかもしれません。

※特別養護老人ホーム グレイスヴィルまいづる発行の『ぐれいす村便り(2014年11月号)』掲載分を加筆修正しています。

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