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藤棚
2024年9月8日 22:51
排水溝から愛情を拾って 拾ってあげたでしょって突き付ける裁判清い心で歩みましょう拙い自意識は捨てましょう飛んできた矢をスレスレで掴んでまた元の位置まで振り被るわたしの右手にハーブティーでも持たせてくれ使い回しの愛情を磨いて 磨いて新品みたいにバケツリレーする忍耐強く育ちましょういらない自意識は捨てましょう時間かけて沸いた熱湯今まさに頭上1cmから持ち上げるわた
2024年8月15日 18:50
10年住んでないくらいじゃそんなに懐かしくない景色片付けが終わらなくてどれもこれも味が薄いかもごめんねごめんねだめだねこれじゃ晩ご飯は食べてきたよってやっぱり栄養が足りないの使ったことない合鍵自分の家だっけ本当に悪いねだけどね仕方なかったのわたしはしあわせだよもうだいじょうぶだよ何もいらないんだよ何もしなくたっていいんだよあなたが言ったんだよでもだいじょ
2024年8月6日 21:13
声に乗せてかたちをあげたらものすごく怒っていた扉叩いて溢れたゴミ袋預かってきた人生で腐ってるさがしものがまだ見つからなくて鞄の中 行き止まり醒めてもまた見る風邪の日の夢鬼の顔掴んで叩きつけるの空を飛ぶ地面を右脚で蹴って思ったよりも上空は寒くない摩天楼の先左半身で巻き付く地表にいればもっと楽なのに電波に乗らない肉声が大事でも生身でぶつかると避けられるのジャ
2024年7月23日 21:47
息を吸って、吐いていた届く視線が痛くないな心を遣っていられる夜だ遣った心が受け止められる夜だ話していいこと話さなくていいこと耳を塞ぎたいいろんなことぜんぶを諦めて泳ぐのをやめたドアを開けた先君がいてゆるやかに宇宙に飛び込む息を吸って、吐いていい場所だ弱虫って都合がいいなあのこを傷つけて生きているんだ浸かった湯船にネガティブを滲み出している気づいていた
2024年5月23日 20:54
眠りすぎたなきょうは目を逸らしたい色んなことが身体に巻き付いていたずらっぽく顔を覗き込むどこかの国の先住民はわざと髪を切らないってそれは歩みや歴史や考えを失わないためだって長い前髪で前が見えないやこれで太陽から隠れられたいつかはカーテンを開けて空の下歩き出さなきゃいけないよなあ動かなきゃ重たい腕で布団を押して笑わなきゃ嫌いにならないように動かなきゃ逃げる場所
2024年5月17日 23:06
恩師じゃないあの人わたしの笑顔を褒めた「みんなを幸せにします」少し信じててほとんど疑ってる親友じゃないその子わたしの笑顔を信じた「楽しそうで良かった」もちろん信じてそうしてほしかった関係ない気にしないなんてことない平凡な日痛くもないつらくもない要らなくないけど必須じゃないほらね平気だよ今日だってご飯も美味しい家族じゃないその人わたしの幸せを案じた「あなた
2024年5月4日 09:10
大雨の公園で20:30君が来てくれてたら訃報を聞いたの18:30君に電話ができてれば真っ赤なお風呂場 14:10君があの時見つけてくれたらわたしたちまだ若いけど10年はそんなに短くないですもしかしてを繰り返してもしかしなかった10年です待てないことは待てないです無口でシャイで臆病だからもしかしない君を許すけどわたしはそんな甘くないですスマホを置いたら洪水20
2024年4月15日 23:00
見たまま映せるらしい話題のカメラで撮ったってこの揺らぎはこの煌めきは残せやしないからこの瞳がレンズで瞼がシャッターならってその横顔やその指先を何度も捉えて目を伏せた陽の当たる縁側がすきだったざらついた木目をなぞって別に可愛がってなかった猫の背中、撫でたりして夏の間、蝉の音秋はオレンジの金木犀冬はストーブの香り春になれば紋白蝶本当にシャッターを切ってたから
2024年4月14日 23:12
約束はきらい階段のてっぺんから緩やかに地下へゆく赤色のスイッチ押したくないの一緒に行こうと言った国これでもう叶わないねいつにしようかあたしが聞いてきみがほら濁したんだよ真っ暗な要塞にひとり蝋燭に 照らされて包むのはあたしの荷物だけもう行くの、新しい空へ指切りはしない買えなくて縫った靴底じんわりと雨滲む青色の信号見えてもないのまっ黒な前髪の裏で白の砂浜
2024年3月10日 22:19
言葉にしなかったこと言葉になったことどちらかでしか褒めてあげられない言葉にできなかったこと言葉にできたことどちらかでしか何も伝えられない誰かの心に響くなにかを伝えられたことなんてほんとにあっただろうかひとつひとつを数えてはあまりにも思い出せなくてその人に心 使えたか今となってはわからないそっと 噛み締めてもしかして 読み返して言葉にしなかったこと言葉にな
2024年2月19日 07:42
誰かのいちばんになりたいんだってそろそろどうだい誰かに夢中になれたかい誰のいちばんにもなれないから閉じた氷の心 またみんなを好きなふりばかだねこっちを向いてみほら ぼくのものだよ全部置いて笑ってみほら ひとりじゃないよ誰かのありがとう浴びるほどほしいってそろそろどうだいあの子はそっちを向いたかい誰のありがとうを届けても満たないみたい底無しのポスト
2024年2月14日 09:03
銀色の龍に跨ってビルの間をすり抜ける朝黄色い模様が近づいて時速90kmで追い越す車窓に額近づけてガラス越しの肖像勝手に鑑賞して分析中分かった気になってまた分からなくなりそうで人のこと考える暇あるなら参考書でも開こうかもしも人生が物語なら始まりはいつも勘違いで届けられなかった呟きが頭の中でカッコ書きになってもしも私が主人公ならヒーローがきっと助けそびれて吐き
2024年1月12日 01:35
君の痛みを知ってる気がする僕もむかしねなんて言わないけど鼓膜から剥がせないセリフがあるんだ君の笑顔が引き攣ってるから行ったり来たり定まらないからきっと見えてるのは机だけだよね要らない役に立たないろくでもない必要ない聞こえないそうじゃない君はさ望遠鏡で見えた星しか信じられないんだろう届きやしない空の向こう掴もうとしてるんだろう僕はさ君の手を取り
2024年1月10日 23:31
柿の種みたいな下瞼泣いたからじゃないヨモギ花粉の季節なのだから目を擦っちゃったわけ昨日チャージしたモバイルSuica電池切れで通せんぼ 後退り冷ましたはずの麦茶熱いまま吐き出せなくて痺れた舌もう日が傾いてるのに胃が音を上げる午後3時絡まった糸解けないし脳働かす糖も足りない頭のなか日本語でいっぱい捨てても戻ってくるゴミみたいちょっと退いて1時間だけわたしそのソファ