【活動報告】子どもたちの書く字があまりに判別困難だったので、試しに字を書く練習プリントに取り組んでもらったって話。
こんにちは。
JICA海外協力隊として、アフリカのルワンダで活動しているTakumaです。
まずは、僕のnoteを読みに来ていただき、ありがとうございます。
本記事では、僕の活動の一環として、学校の子どもたちに字を書く練習をしてもらった話を紹介します。ぜひ最後まで読んでいってください(^^)
▶ やってみよう、新しい取組!
まず、僕が今回の新しい取組をしてみようと思ったキッカケは、以下の記事で紹介しています。よかったらそちらも読んでみてください。
さて、上の記事でも書いた通り、子どもたちは(言葉を選ばずに言うと)字が超絶きったないため、僕の解読能力をもってしても読めないことが多々あります。それが1人や2人というレベルではなく、学年によってはクラスの半数以上(てゆーかほぼ全員)を占めることも珍しくありません。
これは、恐らく子どもたちが丁寧に字を書く機会に恵まれていなかったこと、そもそも学校で「字を書く」ということ自体をあまり重要視していないことが原因であると考えました(とても日本人的発想だな、と自分でも思います)。
そこで、今回僕は「基礎中の基礎」レベルとして、アルファベットのA〜Zを何度も書くという趣旨のシンプルな練習プリントを作り、所用で首都に上がった際にJICA事務所でそれを大量に印刷してきました。
後日、学校の英語の先生に「こんなの作ってみたんだけど…」とプリントを見せると、このレベルの内容であれば、対象学年は3年生くらいじゃないか、とのことでした。そこで、僕は早速3年生の全2学級でプリントを配り、子どもたちに取り組んでもらいました。
子どもたちは普段、一人一枚紙をもらうということがないので、僕が紙を配ろうとすると一気に群がってきて、大変な騒ぎになってしまいました。一応英語の先生が子どもたちを注意して、なんとか静かにさせてくれましたが、「ちょーだい!ちょーだい!」の時の子どもたちのエネルギーはとんでもない、ということを再認識しました。
(君たちには順番を守って列に並ぶとか、誰かに順番を譲るとかいう精神はないんか…っていうのは、日々思うことです)
それでも、全員にプリントが行き渡ると、それぞれ一生懸命目の前の作業に取り組んでいました。結果的に、40分間の授業中に全てを書き終えることはできなかったので、「終わったら後で僕の所まで提出しに来てね」と言って、この時間は終わりました。
▶ 「赤ペ…蛍光ペン先生」デビュー
プリントを配ってから数時間後、続々と子どもたちが仕上げたプリントを提出しに来てくれました。さて、大変&大切なのはここからです!
僕は、一人ひとりのプリントに目を通し、細かい部分まで進研ゼミの「赤ペン先生」ばりに丁寧に添削しました。枚数に応じて景品と交換できる、金色にキラキラ光る「がんばりシール」はさすがに付けてあげられませんでしたが、添削だけはしっかりやりました。
ちなみに、本家の「赤ペン先生」は、その名の通り赤色のペンを使い、超絶美しい字で添削をしてくれますが、その視点で考えるなら、僕の場合は「赤ペン先生」ではなく「蛍光ペン先生」と化しています。
これを聞くと「なんで添削するのにわざわざ蛍光ペンなんて、太くて書きにくいペンを使用するの?バカなの?」とか言ってくる人がいるかもしれません。
もしもあなたがそんな考えの浅いことを言うようであれば、歯のホワイトニングをするという体で半ば強制的に歯医者に連れて行き、ホワイトニング液の代わりに蛍光ペンで歯一本一本をしっかり塗ってもらいます。
輝く笑顔にしてやります。
僕が添削に蛍光ペンを使うことにしたのは、
ただでさえ、蛍光ペンで書かれた字は目立つ
子どもたちは蛍光ペンで書かれた字を見たことがない
そもそも蛍光ペン自体を見たことがない
などの理由からです。
返却されたプリントに、これまで見たことのない目立つ字が書かれていたら、自然と注目してしまいますよね。そのつい注目してしまった部分が、自分の間違っているポイントであるため、印象に残る&復習に役立つという寸法です!!
…というのが、建前というか、後付の理由です。
実際は、普通に赤ペンを使って添削をすると、子どもが使っているペン自体がそもそも赤色か青色のボールペンなので、色被りしちゃうんですよね…。
まぁそんなことで、たまたま日本から蛍光ペンを持って来ていたので、「これ丁度いいじゃん」と思って使い始めました。
▶ 添削してみての印象
さて、一人ひとりのプリントを添削した結果…
「1クラスに3人くらいは字を丁寧に書ける子がいる」
という印象を受けました。
少な。
いや、分かってはいたけど。
にしても。
少な。
まぁ今回は一応3年生を対象にプリントに取り組んでもらったけど、ぶっちゃけどの学年でやっても結果は同じだったと思います。
高学年でも字、ウルトラ汚いですからね。
それと、アルファベット一文字一文字を書く部分については割としっかり書けているのに、自分の名前を書くとなると、突如別人のように書けなくなるという現象が頻発しました。
「アルファベットを書く」のではなく「アルファベットで書く」という段階に上がると、自分の名前を書くだけでも大文字小文字は混じるし、補助線は完全無視だし、文字のバランスは崩壊します。
まぁ最初から一度練習したくらいで激烈に字がうまくなるとは思っていないので、こんなもんで全然OKです。一文字一文字、形を意識して書くという経験を積ませてあげることができた、という事実が大切です。
▶ 今後の課題
この取組は、僕が突然勝手に始めたわけではなく、しっかり提案文書を作成し、事前に校長先生に許可をもらった上で行っています。
その提案文書にも書きましたが、この取組の目的は「子どもたちが、字を丁寧に書けるようになること」です。もう少し細かく言うと、「子どもたちに、普段から字を丁寧に書こうとする意識をもってもらうこと」です。
しかし、多分ほとんどの子は、この取組の背景にそんな目的があることは理解していません。まぁこれに関しては、子どもたちに伝えるのが難しいというのも原因の一つですが。
なぜこの日本人は自分たちに丁寧な字を書かせようとするのか…なぜ丁寧に字を書くことにそんな価値があるのか…ここらへんをもう少し理解してもらうことが、今後の課題ですね。
なんせ、添削後一人ひとりにプリントを返却すると、子どもたちはしつこく「私、何点なの?」と聞いてきます。
いや…
まぁ気持ちは分からんでもないけど。
これは点数とかじゃないんよ。
自分の字を見つめ直し、より質を向上させようってゆー取組なもんで…
とは思うものの、それすら上手く伝えられず。
とりあえず、笑顔で「Akazi keza(Good job)」と言っておきました。
ま、そう上手くはいかないもんです。
自分の意図した通りに事が運ばないのは、きっと協力隊あるあるですね。
今回の取組に限ったことではありませんが、僕は根が不真面目な人間であるとはいえ、時には「何のために自分はここにいるんだろう?」とか「自分がやろうとしていることは、所詮は自己満足じゃないか?」とか、協力隊っぽいことも考えます。
そして、一瞬で「まぁいっか」となります。
…我ながら、良い性格してます。
まぁたまにそんな感じで、たまに「協力隊としての自分の存在意義」みたいな真面目なことをたまに考える瞬間もたまにありますが、トライ&エラーで前向きにやっていきます。
そして、今回想定していなかった気付きもありました。
それは、プリントを提出しに来た時に「家で宿題として取り組みたいから、もう一枚ちょーだい」と言ってくる子が非常に多かったことです。この言葉の真意は、ただ単純に紙をもらえるのが嬉しいというだけかもしれません。
しかし、僕が良かれと思って作ったものを、キラキラした目で求めて来てくれると、こちらとしても素直に嬉しい気持ちになります。
…だって、正直今回のプリントなんて、面白さの欠片もない、アルファベットを無限に書き続けるだけのただの鬼畜プリントですからね。よくこんな物もう一枚やりたいとか言え本当に良い子たちだ。
こちらの意図を伝えるのはとても難しいですが、数百人いる子どもたちの中で、一人でも「もう少し字を丁寧に書いてみよう」と自発的に思ってくれる子がいれば、この取組にも意味があったと思えます。
この取組は「一度行ったらそれで終了」というものでもないし、今回は実験的にとりあえずやってみたというレベルです。なので、今後も時間と資源の許す限り、改良を加えながらしつこく継続的に行っていきたいです。
貴重なお時間を使ってここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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