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土壇場でも対応できる余裕のポジティブさをもってみませんか?(学生時代の演劇部の経験より)
人は、時間ギリギリになって失敗してしまうと、余裕が全くなくなってしまうもの。
「どうしょう!」とあたふたと慌ててしまったり、なぜか意味なくぐるぐるっと部屋の中を何度も回ってしまったり。
そんなことはありませんか?
でも、そんなときほど、本当は落ち着いて対応したいものですね。
さて、今回は、私が中学生の時に所属していた「演劇部」の文化祭のときのエピソードです。
「ブー」
あっ、開園のサイレンがなりました。
さあー。いよいよ舞台の幕が上がります。
♦私が希望したのは、キャストを陰で支える裏方の仕事
私の演劇部の役割は、キャストではなく「メイク・衣装・小道具製作・照明」の裏方担当。
私が演劇部に入ったのは中学2年のときからです。
キャストか裏方かは、自由に選ぶことが出来るのですが、どうやら話を聞くと裏方の仕事は皆苦手で、美術が苦手な人が多く、いつも大変だということ。
そこで、私はキャストではなく裏方の仕事に興味があったため、裏方にすることにしました。
私は途中から入っても、一応先輩にあたるため、後輩の1年生達に指示を出しながら準備していました。
美術が好きな私にとって、裏方の仕事はもう天国で、やりがいもあり、自由で本当に楽しい時間でした。
そして、月日が流れ、私も3年生になっていました。
♦リハーサルで判明したまさかの衣装の採寸ミス
3年生になると、高校受験シーズンに突入します。
そして、なかなか先輩と後輩が密に連絡を取ることも難しくなってきます。
そんな私も受験生。
この頃から後輩に、すべてお任せすることになります。
そして、文化祭前日のリハーサルの日。
とんでもないことが判明します。
マントのサイズがキャストに全くあっていないのです。
どうやら、後輩が台本をあまり読んでいなかったのか、身体をすっぽりと覆うはずのマントが肩ぐらいしかなかったのです。
しかも、衣装が出来上がるのがギリギリになってしまったため、リハーサルのときにしか着ることができなかったのも原因の一つです。
このときの役は「ドラキュラ伯爵」。
そして、この時のキャストの姿はまるで「スーパーマン」。
本番は明日。
さて、どうする?
♦文化祭前日に台本書き直し
まだ、みんな中学生。
かなり、あせりました。
「ごめんなさい」
採寸を勘違いしていた後輩も涙目に。
でも、こんなとき後輩を責めても、何も解決しないことは皆も分かっていました。
「もういいよ。それより、これからを考えよう。明日が本番なんだから。」
一通りあせったら、なぜかみんな冷静になれていました。
こんな時の対処法は、2つしかありません。
①今からマントを縫い直すか、またはつぎ足すか。
②台本をそこだけ書き換えるか。
私達は後者を選択しました。
今はもう夕方。
布を調達することが不可能なことや、縫う時間も確保ができないことから台本をそこだけ変えることを選択したのです。
幸い、このときの演劇は、「ホラーコメディ」
私達は、リハーサルの後、急いで台本を書き換えました。
「大丈夫。よし、これで話つながるよ。台本頭にいれてきてね。明日は間違いは絶対にゆるされないからね。」
「はい!頑張ります」
ミスをしてしまった後輩も元気になりました。
みんなの目はキラキラと輝き、鮮やかな真っ赤な夕日に照らされて、いっそう輝いて見えました。
「なんか。青春だなー。」
誰かがぼそっとつぶやきました。
♦運命の舞台の幕があがる
「みんな!今日は私達3年生は最後の舞台。絶対にいい思い出を作るよ!」
皆の手が、そして心が一つに重なった瞬間でもありました。
そのとき、
「ブー」
開演のブザーが会場に大きく鳴り響きました。
そして、重々しい幕が上がり始めます。
さあ、いよいよ、私達3年生の学校生活の最後の舞台が始まります。
舞台の小道具移動は後輩に任せます。
私は、照明の担当です。
効果音と照明のタイミングをきちんと合わせなければいけないので、責任重大です。
舞台では、キャストが声を張り上げて、身振り手振りを大げさにしながら演じています。
私はキャストの動きに合わせて、重いライトを前後左右に移動させます。
このときの台本は、私達のオリジナルストーリーです。
記憶は定かではありませんが、「人間界に迷い込んだ凶悪なドラキュラ伯爵が人間の心の温かさにふれ、いつしか心優しいドラキュラ伯爵に生まれかわる」というようなブラックコメディだったと思います。
そうなると、ドラキュラ伯爵はかっこいい雰囲気にもっていかなければいけないところですが、この寸足らずのマントを使うところだけ、前日にコメディ路線に変更をしておいたのです。
お気楽な人間とドラキュラ伯爵の会話の中に、この寸足らずのマントの会話をわざといれて、悪の中に少しおちゃめな性格をプラスしてみたのです。
スポットライトを当てながら、私はこのとき気づいてしまったのです。
以前の台本より、話に深みがでていて面白くなっていることに・・・。
客席からは、笑いが起こります。
キャストは、無事最後まで間違えることなく演じきりました。
最後は、キャスト皆で手をつないで会場のみなさんに感謝の一礼をします。
ありがたいことに会場からはたくさんの拍手がおこりました。
そして、舞台の幕が役目を終えたようにゆっくりと下りました。
私は、静かにスポットライトのスイッチを切りました。
こうして、私達3年生の演劇部での青春は幕を閉じました。
♦土壇場でもあせることなく、ポジティブに乗り切るには?
それでは、土壇場でも対応できる余裕のポジティブさを身に着けるにはどうしたらいいのでしようか?
それは、日ごろからたくさんの経験をし、その経験で学んだことを心の引き出しにたくさんためておくことだと私は思います。
中学生時代、台本を書いていた友人は、中学1年生のときから部活とは関係なく「同人誌」というものを趣味で製作していた経験があるのです。
同人誌とは、同じ趣味や志を持つ人同士が集まり、その創作活動から冊子を製作したものです。
私も同人活動の発足のときに誘われ、イラストやポエムのようなものを一緒に描いていました。
そんな経験もあり、後輩の失敗を責めることは無意味と分かり、すぐに台本を直すことの方を優先することが出来たのです。
人生は、成功と失敗の連続です。
日ごろから、小さな経験をたくさん積み、心の引き出しにたくさんためておき、いざとなったら開けてみましょう。
もう、その心の引き出しは、あなたが経験した成功と失敗でぱんぱんになっています。
そして、その中から、1枚の経験のカードを選びだして、最善の判断がすぐにできるようになることが理想ですね。
そして、もしかしたら、その危機が迫ったときに下した判断は、以前よりも、自分にとって数十倍に良い結果をもたらすかもしれません。
私達は、日ごろから改善策をいくつも準備しておいて、ピンチなときにこそ、ポジティブに行動できるといいですね。