息切れ気味の私だけど、娘が邪魔なわけではない。
#20240323-378
2024年3月23日(土)
今週は祝日もあったし、卒業式による臨時休校もあった。給食も終わり、授業も午前中のみだ。
ノコ(娘小4)といる時間が長かった。
――春休みを前になに息切れしているのだ!
自分にそう活を入れたくなるが、一人時間が減り、めまいがする。
小学4年生にもなると、さすがに幼稚園児のように朝から晩まで「遊んで遊んで」とはいわなくなった。本を読んだり、TVを見たりしている。それでも30分静かでいることはない。
「ママは見てないからね」
何度いっても、TVをつけていれば見ていると思うらしく、画面を指差してあれこれいってくる。
「ねぇ、ママママ、今のどういう意味?」
「ママママ、ママママ、今の笑える!」
「ママママ、今度これやって」
手帳を開いて考え事をしていても、PCを立ち上げてnoteの記事を書いていても、計算機とレシートを広げて家計簿を整理していても、思考と集中をブッツリ断ち切られる。
なにもかも中途半端なまま、夜を迎える。
洗濯物を干して居間に戻ると、ノコが宿題をランドセルに片付けていた。
今日はむーくん(夫)は仕事が休みだ。夕方からはじまるノコの習い事の送迎は任せてある。
「宿題が済んだのなら、じゃあ・・・・・・10時には出られるか?」
壁掛け時計を見上げながら、むーくんがノコに尋いた。
なんの話だ?
「うん。パパ、何時のバスに乗る?」
「はっちゃんもすぐ出られる?」
え? え? え?
「話についていけてないんだけど。習い事の前にどこか行くの?」
約束通り、宿題を終えたので、ひと遊びしてから習い事に向かうことになったらしい。私は習い事の送迎をむーくんに任せたし、今日は家にいるつもりでいた。
春休みを前に根を上げている場合ではないが、今週はなんだか疲れてしまった。
静かで、中断されない時間がほしい。
「うるちゃいの、疲れた」
ついそうこぼしてしまった。
リュックに習い事のものを詰め、さらに本やら飴やら入れていたノコがちろりと私に目をやった。少し前のノコなら「私がうるさいっていうのね! いなければいいんでしょ」と怒鳴るところだ。
「どーせ、私はうるさいですぅ」
唇を尖らせただけで済ませたノコに驚くと同時に申し訳なくなってしまう。
――ママは賑やかなのが苦手なの。
――TVがつきっぱなしなのも疲れるの。
――ノコさんがいなければいいわけじゃないから。
いっぱい、心のなかでいいわけしてしまう。
「むーくんがいいなら、私は家にいたいな」
むーくんが笑う。
「うるちゃいのは連れていくから、のんびりしてな」
「うるちゃくないもん」
ノコがリュックを引きずり、不満げにむーくんに体当たりしながら、玄関へ向かう。
2人が出掛け、家のなかが久し振りに静かになった。その途端、頭がまわりだし、自分の言葉が足りなかったことに気付いた。
――ノコさんが邪魔なわけではないからね。
そういえばよかった。
これは私の気質。
中断されるとストレスがたまるのも、継続的な音に疲れてしまうのも。
決して、決して、あなたにいなくなってほしいわけではない。