まだまだ口で伝えても実行できないお年頃。シミュレーションが大事!
#20240829-454
2024年8月29日(木)夏休み41日目
習い事先で、ノコ(娘小5)はお土産をよくいただく。
東京ディズニーランドに行ってきた、親の実家に帰省した、家族で遠出してきた。お菓子だったり、ご当地グッズだったり、ちょっとしたものだけど、みな――といっても、その気配りは子ども自身ではなく親なのだろうが、お土産を忘れない。
この夏休み、ノコ自身は習い事の合宿に2回行ったが、お小遣いは持たせないことになっているうえに、買い物する場所もない。映画は2本観たが、お土産を用意できるような外出はあまりなく、地域の里親会主催の家族旅行くらいだった。
そこで求めたグッズをノコに持たせて、習い事へ向かわせた。
「はい」
持たせたはずのグッズをノコに渡され、戸惑ってしまう。持たせた分のちょうど半分ある。
「お休みの人がいたの?」
「いない。全員来たよ」
「じゃあ、なんで? 渡せなかった?」
ノコが首を傾げる。
「受け取ってもらえなかった」
情緒が少し幼いせいか、ノコは同年代の同性との関係作りがあまりうまくない。目配せなどの合図に気付けず、しつこくいい寄ってしまい、鬱陶しがられることがある。完全に仲間外れにされているわけではないが、その場の空気によってのけ者にされる。
「〇〇に行ってきたからどうぞっていった?」
「ううん」
「なんていって渡したの?」
「これ、いる?」
ああ、事前にきちんとシミュレーションをせねばならなかったか!
軽く「お土産です。どうぞって渡すのよ」といった記憶はあるが、実際ノコにやらせはしなかった。口で伝えただけではノコのなかに残らなかったのだろう。
いただけるものなら、なんであっても後先考えず手を伸ばす「くれくれ魔人」のノコだ。まさか「いる?」といって、「いらない」と断られるとは思わなかったのかもしれない。
「お土産を渡すときは『どうぞ』っていわないと。『いる?』じゃ、それがお土産なのか何なのか、相手に伝わらないよ。せっかく用意したんだからね」
「ふーん」
ノコはわかったような、わからないような曖昧な表情のまま首を傾げる。
友だちもノコに「いる?」といって手渡すことはなかったと思う。「はい、お土産」といって配っただろう。
小学5年生だ。
つい口でいえばできるだろう、伝わるだろうと思ってしまうが、まだ早かった。
ノコが面倒くさがっても、その動作をノコに数回させないとおそらく実行に至らない。
日頃、受け身側であれ、経験していることだからできるという私の考えも甘かった。
「いらない」と拒まれたものを再度手渡す勇気はノコにない。相手も前回受け取らなかったのだから、気に入らなかったのかもしれない。
いただくことが多いので、今回は渡せる側になれるかと思ったが、まったく一筋縄ではいかない。
にっこり笑って「お土産です、どうぞ」と渡せるのもひとつの能力、ひとつの経験だと思い知った。
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