娘の服が着れてしまった日。
#20241012-475
2024年10月12日(土)
女子の成長期は、小学校高学年あたりからはじまる。
小学5年生のノコ(娘小5)は、その最中でぐんぐんと身長が伸びている。
今までも昨シーズンの衣類は着れなかったが、1つ上のサイズになるだけだった。5年生に進級してからその勢いが違う。
届かなかった戸棚を背伸びすることなく開け、呼ばれて振り向けば顔が近い。
夏の暑さがなかなか去らず、10月に入ってもまだ半袖が活躍する。
それでも、朝晩に肌寒く感じる日が出てきた。ノコに「寒い」といわれても、昨シーズンの服はどれも見事にキチキチで「今日だけ我慢して」と着てもらうこともできない。
家族3人、ノコの秋冬服を買いに大型ショッピングモールへ出掛けた。
ここ数年、ノコは好みがはっきりしてきて、こちらが用意した服をすんなり着てくれない。本人に選ばせるのが一番だ。
試着したとて、実際暮らしのなかで着てみると、「肌触りが気に入らない」「たっぷりし過ぎて落ち着かない」とちっとも腕を通さない服が数着は出る。学校に習い事となにかと多忙なので、買い物は1回で済ませたい。
「この色でいいの?」
「好きなほうを選んでいいんだからね」
そういっても決定することに疲れるのか、だんだんノコの態度がおざなりになってくる。とりあえず、今日はこのあたりでと切り上げようとすると粘りだす。
「ワンピースがほしい」
「このあいだは、もうワンピースは着ないっていっていたけど、着るの?」
「着る!」
着るならいいのだ、着るなら。
「じゃあ、選んでおいで」
そう返すと、ノコは地蔵のように動かない。
買ってもらえるものは買ってもらいたいが、具体的にどういうワンピースがいいのかはノコのなかにないのだろう。
日が暮れた帰り道。
自転車にまたがる。
五分袖のTシャツだったので、はおるものを持ってこなかった。どうにも肌寒い。衣服でぱんぱんのエコバッグから買ったばかりのノコのジップパーカーを引っ張り出した。
「これ新品だけど、ママが借りてもいいかな?」
買ったのは私たち親だが、ノコのものだ。
まずはノコが一番に袖を通したいと思い、確認する。だが、そういった執着はないようで、心底不思議そうにノコは首を傾げた。
「いいよぉ」
普通にはおれてしまった。
身幅も袖もどっこもきつくない。
ノコの服が支障なく、着れてしまった。
一緒に暮らしはじめた当時のノコは、同じ年齢の子どものなかでも小柄だった。
運動会などの行事のときは、1番小さい子どもを探せばよかった。それが少しずつ学年のなかでも2番目、3番目、5番目となっていった。
このまま伸びて、伸びて。
ノコが私の身長を越すかはわからない。
遺伝子がどこまで影響するかは知らないが、母子手帳を見る限り、ノコの実母は小柄な私よりさらに小さい。
まぁ、越したって、越さなくたって、どっちだっていい。
ひと昔前より、今は服のサイズも豊富だし。
小さくても、大きくても。
ノコはノコだ。