岳(タケ)

自転車旅と場末探訪の記録。Xでは写真を投稿してます。

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最近の記事

ドイツでの喧嘩 / 大陸横断 ~7日目

7月18日、ドイツに入国。目指すはトリーアという街。 そこにある何某大学だかに留学中の友達から「来れるもんなら来てみろよ、ビールくらいなら奢ってやる」とメッセージが来て、いやいやビールくらいと言わず、あわよくば、何泊かさせてもらって寝床とシャワーと冷蔵庫の中身を貪り散らかしてやろうという魂胆でとりあえず向かった。幸いにもルクセンブルク側からは目と鼻の先の距離で、半日もあれば余裕で辿り着きそうだ。 ぼけーっと自転車を漕いでたら本当にあっという間に辿り着いてしまった。ちょうどト

    • ルクセンブルクという国 大陸横断 ~6日目

      ライブ感とハプニングをこよなく愛するがゆえ、どこに行くにしても計画を立てたり下調べをすることがほとんどない。海外旅行にしても事前に調べるのはせいぜいその国の通貨の為替レートとビザの要/不要くらい。 後から知って「こんなおもしろそうな場所があったのかよ」とか「この料理食っとけばよかった…」とかいうアホみたいな後悔は何百回としてきたけど、単純に過去の後悔を省みてその次に活かすということができないくらい、アホやねん、俺は。あとなんというか、事前の計画をなぞるだけの予定調和な旅はした

      • 帰巣本能 大陸横断 ~5日目

        帰巣本能がものすごく強い。 自分で言うのもアレですが、生物の三大欲求なんてものはもちろんのこと、生存本能だとか承認欲求だとか、「本能」やら「欲」という字のつくものならそりゃもう、あのお釈迦様(欲を捨てたメッチャすごい人とされている)にぶん殴られるレベルで、強い。基本的にはもうずっと安全なところでおっぱい飲んでねんねしていたい。 その中でも我ながらとりわけ強いのが帰巣本能だと思う。常に帰りたい。そういえば鳩なんかは「伝書鳩」なんてシステムが実在していたことから分かるように、特に

        • パリとゲーテ 大陸横断 ~3日目

          「光が強ければ強いほどその影は濃くなる」的な言葉がありますが、これはどうやらドイツの著名な作家、ゲーテの格言らしい。 この言葉のすごいところは、風景だったり写真みたいなビジュアルとして捉えられる目の前のものを対象にした言葉と思いきや、人間(の性格)だったり、ひいては国家、政治などなど、形を持たない抽象的なテーマにまで落とし込むことができてしまうところ。もっと言うと、職場でそれっぽい話題になった時に「まぁ、光が強ければその分影も濃くなっちゃいますからね…」なんて訳知り顔でそれっ

        ドイツでの喧嘩 / 大陸横断 ~7日目

          ユーラシア大陸自転車横断 まえがき

          ここのところ、テレビを点ければ連日パリオリンピックでの日本人選手の眩しい姿が映されている。誰が金メダルを取ったとか、取れなかったとか、クシャクシャに歪んでいる笑顔とか、絶望に泣き叫んでいる背中とか、それぞれ競技も違えば、その人しかに知り得ない努力やら壮絶なバックグラウンドだとかストーリーがもちろんあるんだろうけれど、どれを取っても、どの一瞬を切り取っても息を呑むくらいに輝いていて、羨望とも憧れともなんとも形容し難い感情がこのアパートの一室(大阪市生野区 家賃6万弱─近隣の治安

          ユーラシア大陸自転車横断 まえがき