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古典文学お手軽読本その12 方丈記編
はじめに
方丈記は、文章は短いのに、出だしがやはり印象的で、未だに言えます。でも、作者の鴨長明は、かなり苦労をしてきたようで、そのあたりのことが、最近、水木しげるの漫画や小説などで取り上げられて知ることができました。
1.現代語訳
◎『ビギナーズクラシックス 方丈記(全)』
武田友宏:編 KADOKAWA 角川ソフィア文庫
(鴨長明が、どのようにして無我の境地に入っていったのかが分かります。)
◎『方丈記』
鴨長明:著 蜂飼耳:訳 光文社 光文社古典新訳文庫
(方丈記の現代語訳と、方丈記に関するエッセイ、方丈記の原文、新古今和歌集の和歌、『発心集』の文章も入っています。文章をよく読んでみると、本人は無我の境地には達して無くて、俗世間に未練たっぷりだったようですね。)
2.漫画
◎『マンガ古典文学 方丈記』
水木しげる:著 小学館 小学館文庫
(歴史的な背景から、作品を掘り下げています。絵も非常のリアルで、読み始めると止まりません。庵での生活の様子も漫画で書いているので、どんな暮らしぶりなのかも分かります。巻末に、方丈記の原文を段落分けして載せてあります。さらに、鴨長明の略年譜、作品の解説、荒俣宏さんによる解説(方丈記の感想?)もついています。)
3.小説
『方丈の孤月 ~鴨長明伝~』
梓澤 要:著 新潮社 新潮文庫
(方丈記は、鴨長明の実体験から絞り出されて書かれたものなのですね。組み立て式の庵を、自分で考えて作ったとありますので、手先の器用な面もうかがえます。)
扉の写真
沼津市の沼川沿いの桜並木に咲いていた、緑の花びらの桜の花。