晴釣雨読

専門は地球滅亡学です。本に囲まれて生活しています。スポーツ観戦も大好きです。自然科学・環境科学・日本の古典文学・日本の歴史・世界の歴史などの今まで読んできた本について投稿していきます。

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最近の記事

カガクの扉を開く読本その5 日本の環境は大丈夫?編

はじめに  日本は、昔は公害列島などと言われた時期もあって、環境汚染がひどかったことがありました。では、今は大丈夫なのか? 実はあまり状況は変わってはいません。単に、マスコミがあまり大げさな報道をしなくなっただけです。  最近ですと、PFASという有機フッ素化合物が、水道水や地下水に含まれている事が分かり、健康被害も出ているということがありました。熱海の伊豆山という所では、建築残土の盛り土が大規模に崩れて、死者が出たりして、ちょっとだけ盛り土に対する規制が始まったりしています

    • 日本史のぬかるみに足をとられてその4 織田信長の周りの女性編

      はじめに  織田信長といえば、戦国時代に天下統一の基礎を作った人ですが、その周りにも大きな力を持った女性がいました。そんな女性の本を紹介します。  ただ、残念なのは、織田信長の長女で、徳川信康の妻となった徳姫が主人公の本はまだ見つけていません。信康が殺された後、どんな人生を送ったのか、気になりませんか。見つけたら追加で出します。あるのかな?  徳姫の子供の熊姫は、徳川秀忠の娘の千姫の話に出てきますが。   1.正室の帰蝶さん ◎『帰蝶』  諸田玲子:著 PHP研究所 P

      • 日本史のぬかるみに足をとられてその3 鎌倉時代の悲劇の女性たち編

        はじめに  鎌倉時代は、武士の時代の始まりですが、その影で沢山の女性たちが悲しい目に遭っています。そんな女性たちを描いた小説を中心に、本の紹介をしたいと思います。 ◎『花と舞と 一人静』  篠 綾子:著 集英社 集英社文庫 (源義経の愛妾であった静御前の話です。白拍子という職業がどのような物であったかを知ることもできて良いです。) ◎『義経と郷姫』  篠 綾子:著 KADOKAWA 角川文庫 (源義経の正妻で、比企一族の姫、郷(さと)姫の物語です。義経の妻として鎌倉から

        • 日本史のぬかるみに足をとられてその2 徳川家康を育てた女性編

          はじめに  日本史を女性目線から見ていくと、面白いことに気がつきまして、女性が関わる小説などを中心に、歴史小説の本を探し出して読んでいます。  今回は、徳川家康。NHKの大河ドラマ『どうする家康』では、悩み多き家康像をテーマに描いていました。でも何か、女性目線の内容が少なかった気がします。徳川家康という人物は、祖母、実母、正妻、側室、様々な女性の力で作り上げられていったのでは?そう思っています。そのような気になる小説を中心に紹介したいと思います。 ◎『月を吐く』  諸田玲

          吉行淳之介をめぐる、三人の女性+α

          はじめに  吉行淳之介という作家をご存じですか?  国語の教科書には、『童謡』という小説が取り上げられていて、読んだことのある人が多いと思います。  でも、最近は、文庫本のコーナーに行っても、ほとんど置かれていない状態です。ちくま文庫などに少しあれば良い方です。  私が本格的に読み始めたのは、高校2年生の時で、その当時は角川文庫や新潮文庫や集英社文庫などで、何十冊も出ていて、もう夢中になって買って読み漁りました。  吉行淳之介氏は、作家という一面と、対談の名手という一面もあっ

          吉行淳之介をめぐる、三人の女性+α

          世界史の沼にはまる本その6 マキャベリ編

          はじめに  マキャベリ(ニコロ・マッキャベリ)と言うと、『君主論』という本を書いた人で、権謀術数などを駆使して国を治める、何かいけないことを書いた人物だというマイナスのイメージばかりが先行しています。結局、『君主論』という本を、日本国の人はしっかりと読み込むこともせず、本の批判だけしているのです。  本当に、そうなのでしょうか? 『君主論』という本には、実は、小さな力の弱い国が、大きく力の強い国に対してどう対応していったら良いのか、そういうヒントが書かれているのでは? と思

          世界史の沼にはまる本その6 マキャベリ編

          カガクの扉を開く読本その4 沈黙の春編

          はじめに  以前、カガクの扉を開く読本その1で、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』という本を紹介しました。その中で、翻訳が読みにくいんですと書いていたのです。  ところが、先日、新聞の広告欄に、『沈黙の春』の新訳版が出版されるというのを見つけました。早速、近くのくまざわ書店に行ったところ、ありました! 『沈黙の春』の新訳版です。早速購入して、読んでみました。 ◎『沈黙の春』  レイチェル・カーソン:著 渡辺正隆:訳 光文社 光文社古典新訳文庫 (渡辺正隆さんの翻訳本は、同じ

          カガクの扉を開く読本その4 沈黙の春編

          世界史の沼にはまる本その5 ローマ帝国編

          はじめに  人類の歴史の中で、最も拡大して、長い間反映していた国の一つで、その後の国作りの手本のようになっている国ですね。現在では、アメリカ合衆国がこの帝国を手本として繁栄していますが、今後はどうなるのでしょうか?   ローマ帝国は、皇帝がとんでもない人でも、ちゃんと機能していたし、未だにヨーロッパやアフリカに古い遺跡が残されていたり、政治の仕組みや、土木技術は今よりもよっぽど優れていたと思われます。そんな、ローマ帝国に関する本を紹介します。 1.ローマ帝国の歴史 ◎『

          世界史の沼にはまる本その5 ローマ帝国編

          世界史の沼にはまる読本その4 クレオパトラ編

          はじめに  クレオパトラと言えば、絶世の美人でプトレマイオス朝エジプトの最後の王となった人ですね。自分の地位を保つために、ユリウス・カエサルやアントニウスといった、男性の手を組んだのですが、最後にオクタヴィアヌスを味方に引き入れる事ができず滅ぼされてしまいました。  戦略的には、カエサルの子供であるカエサリオンと、当時ローマに大量に輸出をしていた小麦を利用して行けば良かったと思うのですが、アントニウスという男を利用しようとしたところが、結果的には間違いであったということです

          世界史の沼にはまる読本その4 クレオパトラ編

          古典文学お手軽読本その21 雨月物語編

          はじめに  『雨月物語』は、江戸時代に上田秋成という人が書いた恐いお話集という感じで、同じ著者で『春雨物語』と言うのもあります。  話は九編からなっています。 ①『白峯』  放浪の歌人の西行が、四国に旅したとき、崇徳院の墓の前で崇徳院の霊と話をして、成仏させようとしていく話です。 ②『菊花の約』  義兄弟の契りを結んで、旅立った友が、帰ってくる約束を果せず、自ら命を絶ち霊となって約束を果たそうとした話です。 ③『浅茅が宿』  都で一旗揚げようと旅立った夫を待ちわびる妻、戦乱

          古典文学お手軽読本その21 雨月物語編

          古典文学お手軽読本その20 とはずがたり編

          はじめに  『とはずがたり』は、鎌倉時代に、後深草院の愛人であった二条と呼ばれる女性の記録文です。男性遍歴の記録と言うべきでしょうか。このような記録がしっかり残っていたというのは、まさに奇跡ですよね。後半は、日本各地を回った紀行文となっています。 1.現代語訳 ◎『現代語訳 とわずがたり』  瀬戸内晴美:訳 新潮社 新潮文庫 (後半の紀行文は省略してあります。出家する前の作家瀬戸内さんが、原文に沿って、生々しく現代語訳しています。) ◎『とはずがたり』  佐々木和歌子

          古典文学お手軽読本その20 とはずがたり編

          世界史の沼にはまる本その3 ヘンリー8世編

          はじめに  イギリスの歴史の中で、やはり影響力の一番大きいのがイングランド王のヘンリー8世ですよね。この人が、後の大英帝国の基礎を作ったと、かってに思っています。  今回は、ヘンリー8世とその妻やその愛人たち、子供の中ではメアリ1世やエリザベス1世、さらにスコットランド女王のメアリー・スチワートなど、なんだかいっぱい人が出てきます。イギリス史では一番面白いところだと思います。そのあたりの本を紹介します。 1.ヘンリー8世の妻と子供たち ◎『ブーリン家の姉妹』(上下全二冊

          世界史の沼にはまる本その3 ヘンリー8世編

          世界史の沼にはまる本その2 キリスト教編

          はじめに  世界史の勉強や、西洋人の翻訳物の本を読むときに、どうしても関わってくるのが聖書です。西洋人の書いた本には、必ずと言っていいほど聖書の一節が書かれていて、それがその本を読むときのキーワードになっていたりするわけで、何の話なのか一応知っておくことが必要だったりするわけです。  そこで、今回は聖書の内容を手軽に知るための本を紹介したいと思います。さらに、教養としてキリスト教という宗教を知る上で必要と思われる本を紹介したいと思います。 1.聖書 ◎『小説「聖書」旧約

          世界史の沼にはまる本その2 キリスト教編

          世界史の沼にはまる本その1 マリー・アントワネット編

          はじめに  世界史の中で、有名な女性なのに、その割にその最後の悲劇とか、本当はどうだったかなど、意外と知らないかったことが多いです。本人が無邪気であったこと。本人はフランス人では無かったこと。愛人と噂された人物もフランス人では無かったこと。切羽詰まった状態でも、王族という殻を脱ぎ捨てることができなかったこと。色々な要因が重なって、フランス革命において、人民の生け贄として、断頭台に載せられてしまった。まさに、悲劇の王妃ですよね。断頭台に載せられる前も、息子や娘とも切り離される

          世界史の沼にはまる本その1 マリー・アントワネット編

          古典文学お手軽読本その19 大鏡編

          はじめに  『大鏡』という本は、藤原道長の栄華を讃える本であると言われています。二人の翁の語りの形で書かれているので、比較的読みやすくなっています。千年前の政治評論という感じの本です。平安時代の政治の動きを知る上では、よい本です。今で言うと、政治の裏側を解説した政治暴露本という感じですかね。  平安時代というのは、藤原氏の時代という感じですよね。日本史では、藤原氏の祖は「藤原鎌足」と言うことになっているのですが、「藤原氏」の間では、「藤原不比等」が祖であると伝えられているそ

          古典文学お手軽読本その19 大鏡編

          古典文学お手軽読本その18 日本霊異記編

          はじめに  日本霊異記は、日本最初の仏教説話集とのことですが、この本の話から、何か悪いことをすると罰が当たるとか、「罰当たり」っと言う言葉が使われるようになったのでしょうか? 最近は、罰当たりなことをしても、罰が当たらないからと、罰当たりなことを平気でやるような人が、増えているような気がしますね。残念なことです。  今回は、水木しげるの本を紹介したくて、書いたようなものです。是非、読んで欲しい本です。 1.現代語訳 ◎『日本霊異記』   原田敏明・高橋貢:訳 平凡社 平

          古典文学お手軽読本その18 日本霊異記編