死にたがりの君に贈る物語 読了 〘読書感想文⑥〙
緑ヵ淵中学校の参加者での生活の主催者。杉本敬之のいとこ。塚田圭志
元ボーイスカウト。大学院生。稲垣琢磨
『死にたがりの君に贈る物語 』の主人公。大学生。広瀬優也
児童養護施設を家出中の高校生。清野恭平
家事手伝い。とてもやさしい。山際恵美
フリーター。場をかき乱す。佐藤友子
熱狂的なミマサカリオリのファン。中里純恋
大樹社、文芸編集部部長 上田玄一
ミマサカリオリの担当編集者 杉本敬之
ミマサカリオリの初代担当編集者 山崎義昭
あらすじに
とあるようにミステリーのため詳細の言及は控える。
この登場人物らが目指しているのはミマサカリオリの大ヒット小説
『Swallowtail Waltz』の続きを読むこと。
徐々に明かされるミマサカリオリの人物像と生存の有無。
そして、本の続き。
僕としては、大体中盤で根拠のない直感でミマサカリオリの生存の有無と正体に関してを分かってしまい当ててしまった。
でも登場人物たちの目的はミマサカリオリの正体を知ることではなく物語の続きを読むことのため、飽きて途中で読むのをやめるようなことはなかった。
ミマサカリオリはとても繊細な人間だ。
爪の先で触れたら溶けてしまうくらい繊細で、上辺の人間関係くらい脆い人間なんだと思う。
そういう部分はミマサカリオリでなくとも持っていると思えるが、
ミマサカリオリは家庭環境などの影響で異常なほど否定されることを恐れ、愛されていることを認められない。
そんなミマサカリオリが『Swallowtail Waltz』の大人気キャラだったヒロインを作中で死なせてしまったことにより、たくさんの批判、誹謗中傷を全身で浴びてしまう。
少しも傷つきたくなくて少しも傷つけたくないが故に
自分を傷つけて周りも自分に返ってくるように傷つけて。
そうしないと保っていられないくらいの気持ちは
自分を傷つけている時も他人を傷つけている時も同じ痛そうだと感じた
死にたがりの君に贈る物語
という題名なだけあって廃校に集まった7人は
人生に絶望してる。というか人生に見切りをつけているというか
まさに 死にたがり で、読者が僕みたいに死にたがりである場合も楽しく読めるだろうし、 死にたがりの君 が誰のことなのか考えてみるといいのかもしれない。
偉そうなことはいえないが
だいぶ序盤でミマサカリオリの生存の有無と正体に関してを分かってしまい当ててしまったのでもう少しそこら辺のことに関してもドキドキしたかったな。というのが正直なところあるけれど、僕がもう少しひねくれていなかったら分からなかったのかもしれない。
そこだけ、他の人より楽しめてない感はあったけれど。
最後に花束の香りを吸い込んだ後のようなため息がでるような
素敵な物語だった。