毎日400字小説「チャンス」
「こうするしかなかったんだ」「でもバレたらどうしよう」そう言っていられたときは幸せだった。不安で震える手をぎゅっと握ってもらえると、怖いことなんか一つも起らないような気がした。彼の体にしがみつき、彼の養分を吸った。充電ガ完了シマシタ。ロボットのような声で言って、笑い合った。わたしは自由だった。彼との間を執拗に勘繰り、嫉妬から家に閉じ込めようとした夫はもういない。彼とわたしで殺したのだ。わたしたちの燃え上がる気持ちは、誰にも止められない。
そんな、火曜サスペンス劇場みたいな盛