【転職】転職するには『サンクコストバイアス』『現状維持バイアス』『一貫性の原則』を打ち破る必要がある。
(このnoteは3分で読めます。約2,400文字)
新卒入社した会社から転職して半年以上が経過しました。『転職しよう。』と決意してから、実際に転職活動へ行動を移すまでには心理的なブロッカーがありました。
振り返えると、転職への期待と同時に、同じぐらい不安がありました。その不安を分析してみると『サンクコストバイアス』『現状維持バイアス』『一貫性の原則』が原因になっているのではないかと思うのです。
このnoteでは、私自身の転職活動の経験を振り返り、転職活動への心理的ブロッカーとなっていた『サンクコストバイアス』『現状維持バイアス』『一貫性の原則』について考えます。
✅1、『サンクコストバイアス』
『サンクコストバイアス』とは、すでに発生していて取り消すことができない事柄のコストに気を取られ、合理的な判断ができなくなる心理傾向のことです。例えば、2時間の映画を観ていたとして、開始30分ほどでその映画がつまらないと気づいたとします。しかし、多くの方は『30分も観てしまったから最後まで観よう。』と思ってしまいます。なんとか自分が費やした労力を回収しようとしてしまうのです。
転職においては、数年間その企業に在籍していると『数年も働いたのに、この期間をリセットして新たな企業に行くのはどうなのか。』と思ってしまうわけです。長年在籍すればするほど、その期間に気を取られてしまいそれが心理的ブロッカーになってしまうのです。
私自身、今まで仕事していた会計という領域を離れて別の領域に転職しようとしていたので、『今まで3年間溜めてきた会計の知識は何だったんだろう。』と転職しようとする中で考えてしまうこともありました。
『サンクコストバイアス』から抜け出すには、『サンクコストバイアス』をメタ認知することが必要です。つまり、『自分は今『サンクコストバイアス』にハマってしまっている』と自覚することです。メタ認知できるとコストから目が離れ、転職することで得られるメリットに目を向けることができます。
✅2、『現状維持バイアス』
『現状維持バイアス』とは、変化や未知のものを避けて現状維持を望む心理状況のことです。例えば、お昼ご飯を食べに外出した際に、いつも通っているレストランとまだ入ったことがないレストランがあったとき、いつも通っているレストランの方が入りやすいです。知らない場所に行くよりも、既に知っている場所に行く方が心理的負担が少ないのです。
転職においては、未知の企業に転職するよりも今の企業にいる方が心理的には楽です。上司と合わないなど他のストレスがあるかもしれませんが、仕事内容という意味においては、既に自分が経験している内容で予測が立てやすいため、未知の企業に転職するよりも心理的負担は小さいはずです。
転職してしまうと、新しい人間関係を構築しなければならなかったり、時間をかけて新しい仕事を覚えなければならないため心理的負担が大きそうです。『現状維持バイアス』が転職における心理的ブロッカーになってしまうのです。
私自身も『今の会社に残った方が、来年何をやるかよく分かっているから楽だな。』と思ったこともありました。『現状維持バイアス』から抜け出すには、変化しない方がリスクが高いと理解することが一番良いと思います。私は『仕事は楽しいかね?』を読んで変化しないリスクを理解することができたので、皆さんもぜひ読んでみてください。
✅3、『一貫性の原則』
『一貫性の原則』とは、自らの行動や発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという心理状況のことです。例えば、『テストで80点を取れるように勉強します。』と宣言するとき、それが達成できるように行動しようとします。『何か目標を立てたときは、周りに公言して後に引けない状態を作った方が良いよ。』というのも『一貫性の原則』を狙っています。
転職において『一貫性の原則』がどのように心理的ブロッカーになるか説明します。多く場合、転職前提でその企業に就職することはないかと思います。(起業前提で、勉強のためにいったん就職する等の場合はあるかと思いますが。)その企業に就職する何らかの理由があるわけです。
例えば、『教育を通じて、世の中の困っている人を助けたい。』という志を持って教育系の企業に就職した場合、当然、その志を達成できるよう仕事に邁進するわけです。ここにも『一貫性の原則』が働いています。
しかし、転職を決意することは、『一貫性の原則』に逸れることもあり得るわけです。その企業を選択した自分を一度否定しなければなりません。この時、『一貫性の原則』に逆らった行動をとることに対して心理的負担は大きくなります。
私自身も転職活動を始める際に『じゃあ、なんでそもそもその企業に就職したんだろう。』と過去の自分を否定するような感覚がありました。この時重要なのは、時間が経過するにつれて自分自身変化しているということです。確かに、過去の自分と転職しようとしている現在の自分には一貫性がないかもしれませんが、そもそも人は変わっていくのでそれは当然であると受け入れてしまうのです。こう考えると少し気持ちが楽になります。
✅4、まとめ
私自身の転職活動への心理的ブロッカーとなっていた『サンクコストバイアス』『現状維持バイアス』『一貫性の原則』について書きました。転職活動における心理的ブロッカーはこの他にも複数ありそうです。
振り返りの中で心理的ブロッカーが何か認識することができると、次に転職活動をするときには対策を講じることができます。また別の心理的ブロッカーに悩まされるかもしれませんが、少なくとも『サンクコストバイアス』『現状維持バイアス』『一貫性の原則』は克服しておきたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。