【イベントレポート】第2回「アフターコロナの世界でブランドはどう変わるか?」 #スガケンさんインタビュー
5月7日(木)に「アフターコロナの世界でブランドはどう変わるか?」の第2回目をstand.fmにて開催しました。毎回「アフターコロナの世界でブランドはどう変わるか?」をテーマにゲストをお招きし、参加者のみなさんとコミュニケーションしながらお届けする音声イベントです。
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当日の熱量含めて聞きたい!という方はぜひ以下よりご覧ください。
ゲスト
第2回目は株式会社Moonshot 代表取締役 CEOであり、20代のマーケター600人が参加する #20代マーケピザ を主催されている菅原 健一さんをお招きし、小売ブランドにおける変化について伺いました。
アフターコロナの世界でブランドはどう変わるか?
前回同様、事前に質問はご用意していましたが、今回はお話の中でD2Cについてや、参加者のみなさんからの質問にお答えいただいた部分がとても学びが多いと感じたので、こちらを中心にお伝えしていこうと思います!
※一部を抜粋、修正しての掲載となりますので予めご了承ください。
コロナ禍はチャンスでもある
スガケンさん :
コロナの事があってピンチと感じる方もいるかもしれませんが、実はめちゃめちゃチャンスでもあるんです。今までを維持しようとしたい人にとってはピンチになりえるんですが、今までと違う事が起きるんじゃないかと思った人には、もうチャンスしかないんです。
例えば、僕は音楽業界一切やったことないのですが、いきなりオンラインフェス(BLOCK.FESTIVAL)で投げ銭の仕組みをつくったりできるのはチャンスでしかない。これは今までのフェスと違う体験とか新しい事って、まだプロがいないんですね。なので、プロがいない領域がボコボコいっぱい生まれているんです。
アメリカのD2Dの実態と日本におけるD2Cのあるべき姿
スガケンさん :
D2Cの話で、なんでアメリカで流行ったのかというと、安くて良いものだからなんですね。アメリカでは貧富の差が激しくなって、今までと同じ商品を消費者が買えなくなっている事実もあるんです。なのでどちらかというとD2Cは、今までのものを買えなくなった消費者に、より良いブランドでよりよい価値、価格に見合うものを提供してるってというのが本当の、本体の考え方だと思います。
河野 :
よく日本側だともうすでにけっこう前からいいものが安いみたいなものってあるじゃないですか。日本におけるD2Cってどうあるべきだと思いますか?
スガケンさん :
ちゃんと利益を出してユーザーの必要なものに還元していくことですかね。やっぱり今は企業側からすると、過去に自分たちに払ってくれたお客さんのお金を効果のない広告費とかに使っていいのか、などを改めて考える時期に来たんじゃないかなっていう考え方かと思います。
コミュニケーションのためのメディア
スガケンさん :
D2Cの話に戻すと、その本質はSPAで生産と小売りが統合された流れでコミュニケーションのためのメディアまでが統合された状態だと思います。ここでいうSPAというのは、生産と小売りが連動されてるもので、代表的なところではZARAとかアップルとかです。D2Cはさらに、そこにコミュニケーションのメディアまでが統合された状態なんです。そのことによる中抜きと体験の統合による UX の向上、というのがまさしくそうですね。そうするとメディアがあるので広告費がいらない、自給自足でできる。広告は掛け捨てな部分もありますが、メディアを大きくすることは掛け捨てにならない。
河野 :
一方でメディア側の人たち、既存のメディアからどうすればD2Cができるのかって相談はすごく多かったりしますね。
スガケンさん :
そうなんです、既存のメディア。マスは難しい。皆さんご存知だと思いますが、「北欧、暮らしの道具店」。ここのメディアってインスタのフォロワーが100万人くらいいるんですよね。
僕が「北欧、暮らしの道具店」が一番素晴らしいと思うのは、卒業がないことなんです、ブランドに。ライフタイムバリューがとても長いんですね。北欧の家が好きとか北欧の暮らしに憧れてる人がある年になったら北欧の暮らしに憧れなくなるということは起きにくい。ビジネスをやるうえで、卒業するビジネスをやる人たちが考えることと、卒業しないジャンルで頑張る人たちは経営の性質というか事業の性質が違うと思います。
河野 :
やり方うまくいってるな、すごく素敵だなって思うブランドさんはどこも顧客理解度がめちゃめちゃ高いなと思うんですよ。メディアもそうだしコミュニケーションしていくというのは結局、お客さんのことが想像できてるからこそできることじゃないですか。だからこそこういう状況下になっても適切にお客さんが今どういう考えなのか、どういうところに不安を持ってるのか、どういうことを欲してるのかということを自然に考えられる。そういう意味では本当にまさしくメディアっていうところ、そこにつながってくるなと思います。
スガケンさん :
やっぱりファンを作ってから売ることは非常に大事です。ファンがいて物を売るのか、そうでないかは全然意味が違うんですよね。
マーケティングはターゲティングから
スガケンさん :
マーケティングの話をたまにいろんなとこでさせてもらうんですけど、マーケティングはターゲティングからだと伝えてます。通常だと、売れる人を探してしまうことが多いんですよね。つまりターゲットしない、誰に売るかを決めないんです。今はどちらかというとターゲットは「的」なんです、狙う場所。ターゲットって誰ですかって聞くと、今買ってくれてる人の話をする人もいますよね。
でも買ってほしい人がターゲットなんです。「北欧、暮らしの道具店」の青木さんも、誰なら愛せるのかとかいつもおっしゃっているのですが、誰なら幸せにできるのかに向き合って、その人が喜んで買ってくれるまで何をしたらいいのかを考える方がいいと思うんで、僕はだからマーケティングはターゲティングからだなと思う。相手を決めてから考えるのがおすすめです。
河野 :
そこに対して自分たちが何者なのかっていうことをしっかりと伝えて自分たちのことも理解してもらうってのはブランドマーケティングコミュニケーションってことなのかもしれないですよね。これからの。
スガケンさん :
そうですね、ブランドマーケティングコミュニケーションです。でもほんと、コミュニケーションは相手によって変えるだろうし相手次第ですよね。
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参加者さんからの質問
Q. ブランドとのコラボどう思いますか?
スガケンさん :
これはフェーズによると思っています。コラボは相乗効果が欲しいですよね。弱いブランドが、強いブランドとコラボしてブランドの輪郭を作ろうとします。だから A 社とコラボして、B社とC社と…とやるんですが、一見それは輪郭を作ってるようにみえますが、そのブランドのことは伝わらないんですよね。なのでブランドのフェーズによります。一方で、ちょっと大きくなってブランドがちゃんとできあがってきた場合、コラボはめちゃめちゃ有効になると思います。
Q. D2Cの話で、コミュニティ化のようにターゲットを具体化する思想とスケールとのトレードオフはどう考えるか?
スガケンさん :
まずは目標を決めることですね。ビジネスの規模を売り上げで決めてしまうと大体何人に何回買ってもらうかが決まりますが、大事なのは分母の設計をすることです。
そしてD2Cにはぜひまずメディアをつくって欲しいです。商品をつくる時点でターゲットが決まってない場合に、つくってから買ってくれそうな人が参加するメディアをつくろうとするとうまくいかないんです。でも、メディアから始まると先に商品をつくらなくてもいいんです。例えば、女性の肌悩みに特化したメディアをつくったとします。そのテーマから商品をつくればいくらでもピボットできる、需要があるところに寄せれると思うんです。
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イベントではチャットでも同時進行で参加者さま同士の議論も飛び交い、インタラクティブなものになりました。ご参加いただいたみなさまありがとうございました!
また、このインタビューの内容は今夏弊社で発刊を予定している書籍にも掲載予定です!そちらもぜひお楽しみに!
次回のイベントは、5月21日(木)開催です。ゲストには、ALL YOURS CEOの木村 昌史さんをお招きする予定です!
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