ある日のゆるきち
こんにちは、Kacotamのボランティアメンバー、かおりです。
今日は、ある日の「ゆるきち」の様子を綴っていこうと思います。
そもそも「ゆるきち」とは?
ゆるきちとは、NPO法人Kacotamが運営する中高生の居場所のこと。
自分の考えや行動が大事にされ、思いや感情を表現できるゆるい空間。
「お話をしたい」「一人で静かに過ごしたい」「何か楽しいことをしたい」「勉強したい」など、各々が自由に過ごします。
名前は、何かいろいろなことを子どもたちと学べたらいいな、秘密基地みたいな感じがいいよね、と最初は「学べる秘密基地」、すなわち「まなきち」と考えていました。
でも「学び」=「勉強」っぽい、ととっつきにくくなってしまうかも?
別に何もしなくてもいい、必ず何かしないといけないわけじゃない、という「ゆるい」感じもいれたい!
ということで「ゆるきち」となりました。昨年めでたく、オープンから3周年を迎えています。
まだまだ肌寒い北海道の札幌ですが、かなり雪も溶けてきたある日です。今日は春休みの特別開館です。
11時になるとピンポーン!というインターホンと共に、中学生がひとりやってきました。
「今日はカレーを作るよ」
豚肉が半額だったのを発見して購入してきた職員のけーりーが言います。最近、ゆるきちで調理をすることもある中学生は興味津々。
「けーりーの家のカレーはこういう感じなの?」
「うちのはもっとじゃがいもがつぶれているんだけど……」
そのうち、高校生がひとりやってきました。
ブランケットを取り出してきて「眠いから寝る……」と言って、ソファに寝転がりましたが、うまく寝られない様子。
結局、メンバーオススメのアニメを見ることに。たまこラブストーリーは名作。
「よかった……!」
「王道だったね……!」
カレーができあがってみんなで食べます。
「ライスの量はS・M・Lから選べるよ〜」
ごろごろしているじゃがいもは新じゃがで皮付き。他の拠点でいただいたもの。ホクホクでおいしい。
中学生の子は最近数学にも興味があります。大学生たちも知らないような数式の名前を出してきて驚くことも。
「こういう式を解くにはどうしたらいいの?」
「ええと、こことここが合うように……」
数学が得意な大学生が説明します。
午後はだらだら。ゲームをしたり、今度作る料理の計画を立てたり、突然柔軟を始めたり、テレビのちはやふるを見たり。
もうひとり、中学生が来ました。
子どもたち三人とけーりーで、春になったら家庭菜園をやりたい、という話をしています。
「とうきび……」
「マッシュルーム食べられない〜」
「トマトはもう育てたことあるよ」
「枝豆は?」
ふいに「この季節に水鉄砲は早くない!?」と聞こえてきました。
なんの話をしているのか……?
そんな子どもたちの声をBGMにしつつ、ゆるきち家庭菜園のインスタアカウントのイラストを描いていました。
夕方になり、久しぶりの高3が来ました。
こたつ部屋で最近のことをおしゃべり。
「専門学生になるし、iPadとパソコン、どっちかほしくて悩んでるんだ」
「課題どんなものあるんだろうね。持ち運びたいかとか、どういう風に使いたいかじゃない?あと予算?」
「う〜ん、ヨドバシとか行って見てはいるんだけど決めかねてて」
そのうち身体を動かしたくなったのか、みんなで公園に遊びに行きました。
ちょっと雪が多くてまだ鬼ごっこはできなかったので、散歩……?
夕飯はカレーそばとカレーライスどっちがいいか、アンケートが取られ、そばに。
中学生が玉ねぎを切って作ってくれました。
サザエさんを見ながらみんなで夕ごはん。
「味薄くない?」
「そばの水気がきれなかったのかも」
「いいザルがないんだよねゆるきち……」
終了時間まではみんなでモアナを視聴。
ヘイヘイ(ニワトリ)の場面で笑ってました。
こんな感じで一日が過ぎていきます。
特に何が起こるわけでもないですが……。
なんとなく過ぎていく時間を安心できる、呼べば誰かがいる場所で過ごすことが、いつか忘れてしまってもぼんやりとあたたかいぬくもりになってくれたらいいなと思います。
ゆるきちについて詳しくはこちら。
https://yurukichi.kacotam.com