大失敗の振り返り。ヒューマンエラーの地雷原を進む。
もう年末。冬眠も間近。
自然と1年間をもそもそ振り返ることも多い。
おかげさまで、大きなトラブルなく、このお店はこの1年の営業を終えようとしています。
そうは言っても、ドキリとするような手違い間違い、うっかり失敗も、やらかしてしまっています。
すぐに思い出せるのは、テイクアウト専門期間中にやらかしてしまった、商品の取置きミスのこと。
当店で用意している素朴な焼き菓子ですが、店主♀が手で捏ねてはゆっくり焼いているので、朝の3時から焼き始めても、1日に200個くらいしかご用意できません。
折角御足労をいただいたのに売り切れでご購入いただけないというガッカリを防ぐ為、
あと、開店時間に行列ができるのを防ぐ為、
商品のお取り置きの予約を承るようにしています。
この予約の取りまとめがかなり大変な作業でして、、
・その週の営業日の商品ラインナップ(8種類)を3日前くらいにSNSで発表
・お客様からメールで予約が来はじめる
・Excelのシートで予約状況の集計を行いながら入力していく。
・確実に用意できる商品数の上限に達したら、予約締め切りの案内をSNSで行う。
・お客様1人ずつにメールで予約受付完了の返事をする。
・お客様ごとの希望商品数のメモを出力し、当日袋毎に商品を入れる。
・希望時間に来店したお客様にお名前を伺って商品をお渡ししてお会計。
以上のどの工程においても、ヒューマンエラーが発生する気配がぷんぷんしています。こわやこわや。ヒューマンエラーの地雷原。笑
お取り置き予約の数は、1日に15〜20件でしょうか。週3日の営業で60件ほどのご予約を管理することになります。
このテイクアウト専門期間中のある週に、少しイレギュラーな対応が生じました。通常とは異なるタイミングや状況で、お取り置きの予約を承ったのです。
そのお客様は車で90分程の距離を焼き菓子を買いに来てくださる初来店のお客様でした。
ある日、いつも通りにお取り置き分で商品は完売し、引き取りに来るお客様も大分片付いた閉店時間近く、
「お取り置きの予約をした◯◯ですけれど・・・」
とお客様のご来店。
えっ!?今日はもう取り置き予約無いはずだけどな、、
お客様のお名前をメール履歴をチェックして、一気に青ざめました!!
確かに、ご予約を承っていました!!
私がイレギュラーな対応を行った為に、取り置きの一覧表Excelシートへの入力を失念していたのです!!
いつもは受信メールとの照らし合わせ、予約完了の返信メールとの照らし合わせと、二重にチェックを行って確認していますが、このお客様のメールは私がいつもと違う対応を行ってしまったが為に埋もれてしまっていたのです。
・・・思い出してこの文章を書いていても、手に汗をかいてきました!!
遠いところからわざわざやってきてくださったお客様を目の前に、もう私は平謝りすることしかできません。だって、今この場で商品をご用意することは不可能なのですから。
お客様はどんなお気持ちでしょう。
わざわざ予約の手間をかけて、そして90分車を走らせて山の中の店まで来て、商品がないだと?
・・・汗と動悸が止まりません。。
謝って謝って、後日商品をお届けさせていただくことにさせていただきました。
神様の救いでしょうか、このお客様があまりにも優しく大らかな方で、「こちらこそすいませんでした〜」なんてありえないようなお言葉までかけてくださって。。涙
後日、商品をお届けに伺って参りました。
郵送でチルドにしてしまうと、菓子の味も落ちてしまいますし、自分の手で届けることが少しでもお詫びの気持ちになるだろうと思いました。
チャイムを押すと、ご家族の方がお出になられて、お客様ご本人さまではなく、商品をお預けして退散となりました。
こんな失敗、絶対に繰り返してはいけないなと、強く思います。
ヒューマンエラーを減らすには、お取り置きの予約を受け付けないのが最も手っ取り早い解決策です。
敢えて行列を作る為に、予約を受け付けないのも作戦の一つです。
行列は行列を呼びます。人気のお店であるとの印象は、更にお店の人気を高めてくれることと思います。
でも、当店のような立地・環境、そして店主のような心の弱さでは、今のように静かにひっそりと、お約束をいただいて準備してお迎えする形しかできないと思います。
ヒューマンエラーをなくす為に、何度も何度も、メールの確認をするようにしようと思います。
それがお祈りのようなものにほんの少しとどいてくれるかもしれないという期待もあります。
大変なご迷惑をおかけしてしまったけれど、件の優しいお客様から後日、なんとも嬉しいお手紙とプレゼントを贈ってくださいました。
クレームでお叱りを受けて当然のところを、です。
素敵なお客様から、思いもよらない素敵な優しさを受けて、
このどうしようもないお店は、大変な感謝の内に一年を終えようとしています。
これだから、苦しくてもひもじくても、カフェはやめられないねと、思います。