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【スモールビジネス】リピート客と新規客の理想的な比率

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
スモールビジネスにおいて持続的かつ安定的な経営を目指すなら、リピート客が重要であることは誰もが知るところです。
 
では、リピート客と新規客の理想的な比率は、実際にどれくらいなのか?
 
自身で複数のジム経営をしながら、スモールビジネス専門集客コンサルタントとしても人気を博している日野原大輔さんは、新刊『神・リピート集客術』で、リピート客と新規客の理想的な比率について詳しく解説しています。そこで今回は、同書の中から該当箇所を全文公開します。
 

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リピーターがいるメリット

 この本を読んでいるあなたにも、「またあそこに行きたい。行って、あの人に会いたい」と思う場所が1つや2つ、あるのではないでしょうか。
 行くたびに会話が弾む、細かく説明しなくても好みをわかってくれる、任せて安心なサービスをしてくれる人がいる場所……。
 私にもお気に入りの古着屋さんがあります。洋服なんてどこで買っても誰も文句は言いません。しかし、そのお店に行けば、「日野原さんの好きなテイストの服が何点か入ったので、取っておきましたよ」と顧客目線で商品をセレクトしてくれ、満足度の高い買い物ができる。またヴィンテージものであれば、その服がつくられた歴史についても教えてくれ、うんちくもたまる。そして古着はほぼ一点ものなので、人と被らないファッションが決まる。その店員さんとの距離感も心地よく、私にとっては幸せな時間です。
 月に一度、そのお店に行くこと自体がイベントになっており、私が楽しみに行くことによって商品も確実に売れる。お店もうれしいというわけです。お店の売上目標が月に100万円だとして、私のようなリピート顧客が多いほど、翌月も、翌々月も売上が安定していきます。

店側は、リピーターをコントロールできない

 自分のお店もそんなお客さまでいっぱいになったら、新規客を焦って取らなくていいかもしれません。
 しかし、どれだけお客さまの要望に応えようと力を注いでも、どんなにていねいな接客を心がけても、リピート顧客を失ってしまうことはあります。お客さま自身がリピーターでいたくても、引っ越しや家庭の事情、金銭面などによってそうできない環境も出てきます。特にコロナ禍のようなことが起こると、お客さまの行動は私たちの意志でコントロールできません。
 また、マーケティングの本のなかには、「新規開拓ばかりしてはいけない」「リピート客だけで利益が出る経営を目指せ」という論調もありますが、お店側にいくら熱意や心意気があっても、永遠に来てくれるリピーターなんていません。そのことを私たちは頭に入れておく必要があります。

リピーター客と新規客の理想的な比率

 結論を言えば、「8割のリピート顧客を維持しながら、新規客を2割入れ、つなぎとめる」。この動作を常に循環させていくことが大事です。
 人間の身体で言うと、口から食べ物を入れ、体内で栄養分を吸収して、消化できなかったものを排泄し、また食べて、出て行った栄養分を補い、排泄する。私たちの身体は、常に代謝している状態が最も健康的です。身体の根幹はキープしながら、食事を摂り、足りない栄養を補い、それを繰り返します。
 商売もそれと同じで、お店の根幹であるリピート顧客をキープしながら、ある程度、集客も行なっていく。そして、新規のお客さまをつなぎとめる努力を継続することによって、代謝を促していくのです。
 そういう状態になれば、お店も健康的な経営を維持できます。この二刀流の考え方が非常に大切です。

リピート客から新規客を紹介されたときの最大の注意点

 ただし、新規客のつなぎとめに注力しすぎて、リピート顧客をほったらかしにしてはいけません。
 たとえば、既顧客に新しいお客さまを紹介してもらうと、紹介してくれたお客さまの顔をつぶさないようにと、新規客を大事にしがちです。
 しかし、大事にすべきはむしろ紹介者のほうです。その方とはエンゲージメント(お店とお客さまの信頼関係)が成り立っており、おそらくはファン心でお店を応援しようとご友人を紹介してくれたのです。なのに、こちらが新しいお客さまのほうばかり向き、ちやほやすれば、紹介者はおもしろくありません。店への気持ちが急激に冷めて、来店しなくなるかもしれません。
 一方で、新しいお客さまとはまだ信頼関係ができておらず、お店と紹介者とのエンゲージメントが下がれば、その方も残りづらい。結局、2人とも去ってしまう可能性があります。そこをはき違えると、逆に経営が不安定になりやすく、リスクが大きくなりがちです。
 リピート顧客と新規客のバランスを上手に取りながら、お客さまをいかにつなぎとめ、ファンになってもらい、「このお店がないと絶対に嫌だ」「このスタッフがいないと行きたくない」と思わせるか。
 第2章では、〝お客さまをつなぎとめる技術=ボンディング接客術〞にフォーカスして、話を進めていきます。

【著者プロフィール】
日野原大輔(ひのはら・だいすけ)
ジム経営者。スモールビジネス専門集客コンサルタント。
1976年、福井県出身。サラリーマンの養父、専業主婦の養母に育てられる。活発な幼少期を過ごし、小学生時代は生徒会役員、サッカー部の副キャプテンを務める。中学、高校時代、野球部の活動に励む。千葉商科大学に進学し、演劇部の活動に励む。卒業後も演劇を続け、映画(藤原竜也の映画)に出演。当時先輩に「役者で大成したかったら肉体を鍛えろ」と言われ、スポーツクラブでアルバイトを始める。すると、売れっ子のパーソナルトレーナーとなり、個人売上は平均月80万円以上、営業成績は120店舗中で全国3位内を8年キープ、店舗売上No.1を8年キープした。26歳のとき、役者よりもトレーナーとして一流になる道を選択する。2009年、独立し「加圧スタジオLib」を開設。「お客さまを喜ばせる日本一のスペシャリストになりたい」という理由で、20種の資格を取得。2019年、東京都台東区にヨガスタジオMAKOTOを開設。2021年、同区に「ピラティススタジオFeel Body」を開設。また、ジム運営をする中で編み出した「ボンディング接客術」を軸に、パーソナルトレーナーやフィトネスインストラクターそしてスモールビジネスオーナーに向けた経営セミナーを実施している。人生のミッション「Life is beautiful 出会った人々の人生を少しでも美しくする」を基に「お客さまと一緒に感動する人材」を一人でも多くすることを目標に活動をしている。

いかがでしたか?

「新規客の獲得」コストは、「リピート客の確保」コストの5倍かかるといわれています。スモールビジネスの経営を安定させるのに必要なのは、100人の新規顧客より1人100回の予約――。
「リピーターに支えられるストック型ビジネス」の実現に導く、スモールビジネス向け集客&接客術の決定版ともいえる新刊『神・リピート集客術』(日野原大輔・著)は、好評発売中です。興味のある方はチェックしてみてください。

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