うつを治すには?――心理アプローチよりも大切なこと
フォレスト出版編集部の寺崎です。
先日、音楽が心を癒す秘訣について簡単にご紹介しましたが、今日は「心理アプローチ」についてです。
参考にする書籍はハモショウこと橋本翔太さんの『聴くだけうつぬけ』です。
心理療法はマイナス状態には効かない!
完全に落ち込んだときは、無理に心理療法で改善しようとしても空回りしてしまって、よけい落ち込んでしまう。
つまり、心理アプローチは少しだけ元気になったときに取り入れると、うまくいくというのです。
このほかにも橋本さんは本書で次のような警鐘を鳴らしています。
アドラー心理学はうつの人にはきつい
アドラー心理学は、元気な人が取り組むことでより効果を発揮する。どちらかというと自分を鼓舞するための自己啓発に近い心理学。一歩間違えると自責の念が強くなって、余計に自分を責めてしまう。
東洋的で日本人にもあった哲学的なアプローチである森田療法は「ガマン療法」になってしまうことがある
結論として「この心理メソッドが絶対!と断定しないこと」と説かれています。
それよりも大事になるかもしれないのが、次のような考え方です。
日本人に根強い「他者優先」があなたを苦しめる
私としてはいつも「自分中心」なので、日本の純正な文化にふさわしくない人間かもしれません……。ともあれ、他者を優先する人、利他的な行動をとる人は私の周りでも少なくありません。
うつになる人は、心がとてつもなく優しい人なのかもしれません。
そういえば、私の周りの心の病にかかった人たちはみんな、心根が優しい人だったなと気づきます。
でも、橋本さんはそんな人々に向かって「自分を満たすのを優先しなさい」と言います。
まずは自分のコップを満たすこと
「あなたの面倒をみてくれるのは、あなた自身なのです」って、いい言葉ですね。だから、まずは自分のコップを満たそう。自分のコップからあふれた分を他人に分け与えればいい。
そういえば、別の企画で「人を見る目を鍛える」というテーマの取材のときに、面白い話がありました。
組織や社会で成功していく人物には「サイコパス」が意外と多いという話があったのです。サイコパスとうつ病は対極のような気がします。とにかく自分中心で他人を蹴落としていく人生に疑いを持たないサイコパス気質。かたや、自分を殺して他人優先で生きて病んでしまううつ気質。
どっちがいい悪いとか、正しい正しくないではなく、生まれ持った性質や役割がそれぞれあるんだと思います。
橋本翔太著『聴くだけうつぬけ』では、今回紹介した話以外にも・・・
「自分原因説」はもうやめよう
自分を責めることをやめるとうつは消える
感情のフタを外していくことがうつ回復につながる
思い切って「許し」と「感謝」を手放そう
「怒り」がうつを吹き飛ばす突破口になる
「よい子」は実は「自分には悪い子」
怒りを解放する具体的方法
などなど、心理アプローチにおける解決策の数々を紹介しています。
『聴くだけうつぬけ』は、もともと重度のうつで苦しんだ橋本さんが、回復する過程で手に入れたメソッドをまとめています。うつで苦しんでいる読者に救いの光を与えたいと願う著者の想いが詰まっている本です。
こちらのnoteでまた改めてご紹介したいと思います。
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