#358【ゲスト/睡眠】今日から実践できる快眠スキル
このnoteは2022年3月25配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。
今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める今井佐和です。本日も昨日に引き続きLIFREE株式会社共同創業者であり、スリープコーチの角谷リョウさんがゲストに来てくださっています。本日も編集部の寺崎さんと共にお伝えしていきます。角谷さん、寺崎さん、本日もよろしくお願いいたします。
睡眠不調は「人間関係」を悪化させる
今井:昨日は角谷さんの経歴や、新刊の『働くあなたの快眠地図』の内容の導入部分である、「ビジネスパーソンにとって、睡眠がいかに大切か」ということについてお聞きしました。まだお聞きになられていない方は、昨日の放送もチェックしてみてくださいね。では、本日はフォレスト出版から今月発売の最新刊『働くあなたの快眠地図』の中から、今日からすぐ実践できる具体的な快眠スキルをお聞きしていきます。ぜひお楽しみにしてください。昨日は「寝起きのコーヒーはストレス耐性を下げるからNG」という、常識を覆すようなお話がありましたが、この本の中では他にどのような快眠スキルが展開されているのでしょうか?
角谷:はい。「睡眠不調のデメリットは、人間関係が悪化すること」っていうところを強く書いているんですけども、一般的に日本で睡眠不調って何によくないかって、「交通事故が起こる」ことなんですよ。だいたい交通事故のリスクが睡眠不調だと5倍~7倍って言われているので、よく運転関係の会社って睡眠改善を導入していたりするんですよ。
そして、海外ではなぜ睡眠不調を改善するのに多額のお金をかけているかっていうと、「チームの人間関係が悪くなる」っていうのがあるんですね。ハーバードビジネスレビューでもよく特集されているんですけど、「リーダーが睡眠不調だとチーム内のエンゲージメントが下がったり、コミュニケーションが悪化する」っていうのが分かっていて、睡眠不調の人って周りから、「この人には近寄りたくないな」っていうスコアがめちゃめちゃ上がるんですよ。で、睡眠不調の人は「相手が自分に敵意を持っているんじゃないか」っていうスコアがすごく上がるので、そういう意味ではもうチーム内がぎくしゃくしちゃうみたいな。そういうことが起こってしまうのが一番の睡眠不調のデメリット。それはあまり知られていなくて、チームにとっては非常に重要なことで、まだ日本にはほぼ浸透していないですね。
今井:人間関係にも影響しちゃうんですね!?
角谷:そうなんですよ。例えば家でお母さんが睡眠不調だと家の中の空気感も悪くなるってわかっているので、子どもの心理的安全性も下がってしまうんですよ。だから、お母さんとお父さんが寝ずに頑張っていると部下にも家族にもいい影響がないので、そういう意味で改善するっていうメリットは大きいと思います。
今井:トップの人や、要になる人ほど睡眠は大事にしましょうということなんですね?
角谷:そうなんです。ちょっと面白いことに例えば課長さんが睡眠不調だとするじゃないですか。そうすると、係長さんとか、直属の人のダメージが大きいんですよ。だけど、課長さんが睡眠不調でも部長さんにはあまり影響がないんですよ。だから、下に下に影響していくので、部下を大事に想うんだったら、自分がちゃんと快眠が取れてないとダメみたいな、そういう論理なんです。それは色んな統計でわかるんです。
月曜日のスタートダッシュをしくじると
金曜日まで引きずる
今井:面白いですね。あと、156ページ~159ページにある「月曜日のスタートダッシュをしくじると、本来のパフォーマンスを回復するのに金曜までかかる」っていうのも、「ほぼ1週間じゃん!」って、すごく気になったんですけど、これはどういうことなんですか?
角谷:そうなんですよ。月曜日のスタートダッシュをしくじると水曜日ぐらいまでダメージが続いて、金曜日までその影響が残っちゃうっていうのが分かっているので、いかに月曜にスタートダッシュをするかっていうのがポイントなんです。本にどうしたらいいかっていう簡単なやり方を書いているんですけど、月曜って重要なミーティングとか仕事っていうのが結構あるんですけど、そこでしくじっちゃうと、疲労以前に仕事を取り返せないみたいなことになっちゃうので、やっぱりビジネスパーソンが仕事でいい成果を出そうと思ったら、いかに月曜日にいい状態を作れるかが、相当アドバンテージになるので、ここは僕らの会社でもすごく強く言ってできるようにサポートしているっていう感じです。
「早寝早起き」ではなく「早起き早寝」
今井:ありがとうございます。あと、「早寝早起き」って一般的には言うと思うんですけど、「早起き早寝」っていうのはどういうことなんですか?
角谷:これは、僕は睡眠改善コーチの上級資格というのを取っているんですけど、その時に「早寝早起きっていうのは絶対にできないんですよ」って言われて。例えばいつも23時に寝ている人が、22時に寝ようと思っても眠れないんですよ、人間のリズム的に。普段、寝ている時間より早く寝るってあんまりできなくて、ただ努力すれば早起きって眠くてもできるんですよ。人間って起きた時点から人にもよりますけど、17時間~18時間経つとすごく眠くなるっていうのがあるので、早起きを頑張ってやるとリズムが変わるので、早寝早起きって思うと、布団に入って早く寝なきゃいけないと思っても全然治らないんですけど、早起きからするとその日から変えられる、そういう意味です。
今井:確かに。早起きすると早く眠くなるから自然と早寝できるような気がします。
角谷:はい。日曜日に早起きをすると、眠くて朦朧としても頑張ればできるのでおすすめです。やっぱり仕事をしている時だと途中で昼寝しちゃったり、仕事がうまくいかなくて、マイナスイメージがついてしまう。「早く起きてもいいことないや」って、脳に刻み込まれちゃうので、早起きするのもちょっと余裕がある日、仕事に余裕がある日みたいな感じですると、うまくシフトできると思います。
「低血圧だから寝起きが悪い」は非科学的
今井:これは、ぜひ参考にしたいと思います。あと、100ページ~103ページあたりに「低血圧だから寝起きが悪いのは非科学的なウソってホント?」っていう箇所があるんですけども・・・。
角谷:これは低血圧の人に大変失礼になると思うんですけど・・・、低血圧の人ってほぼ100%「自分は低血圧だから起きられない」って言うんですけど、これは医療の世界とか、科学の世界では低血圧と睡眠、寝起きってあんまり関係ないって言われていて、起きた時って、誰もが調子よくないんですよ。
今井:(笑)。
角谷:誰もがよくない。それをどう捉えるか。起きた時にバチッと目がさめることって、色んな人がいるので、そういう人もいると思うんですけど、それが普通だと思っているんですけど、そんなことはなくて、普通は起きた時って一番体温が低いし、一番血流が低いので、そこからどうやって目覚めていくかっていうリズムがうまい人が寝起きがいいだけで、低血圧の人はそこに甘えちゃっているっていうか。ちょっと言い方よくないかもですけど(笑)。自分がそうだと思っているので、「じゃあ、ゆっくり起きます」ってなるので、余計に目覚めが悪いっていうか。目覚めないような習慣にしているから、目覚めないっていう結論であって、僕もそれこそ何千人っていう低血圧の人をサポートしているんですけど、リズムよくやっていればほぼ全員って言っていいぐらいちゃんと起きられます。
寺崎:ポイントは血圧じゃなくて体温なんですよね。
角谷:そうですね。先ほど言ったように、体温が一番低いのが朝5時とか6時ぐらいの時間帯でして、体温が上がれば誰もが目覚めているということなんです。体温と覚醒度って比例しているので。要は起きてから体温を上げる行為、お水を飲むとか、そういった少しの行為を積み上げれば体温が低い人も体温を上げられるので、誰でも目覚めはよくできるっていう、そういう感じです。
今井:なるほど。確かに。私も朝起きた時って、だいたい体が冷えきっているんですね。凍っているっていうくらい冷え冷えなので、大体起きたらシャワーを浴びて温まったり、もも上げを1分くらいバーッてやって、ハアハアすると、結構シャキッとしてっていう感じはあったりするんですけど、体温がそんなに関わっているとは思いませんでした。
角谷:達人ですね。昨日のコーヒーといい、今日の目覚めといい、佐和さんは相当レベルが高いですね。
今井:たまたまなんですけど、ちょっとうれしいです(笑)。
「二度寝」は心の疲れのサイン
寺崎:ちなみに佐和さんは、二度寝ってしますか?
今井:二度寝はする時としない時がありますかね。
角谷:いいですね。二度寝って、いい部分と悪い部分があるんですけど、本にも書いたんですけども、「二度寝をしたい」って思う時って心がちょっと病んでいる時なんですよ。病んでいる時というか、ちょっと癒されたいと思っている時、ちょっと弱っている時に、二度寝ってしたくなるんですよ。二度寝をするとβエンドルフィンとか、セロトニンとか、ちょっと幸せになるような、不幸を緩和するようなホルモンが出るんですよ。
今井:だから、二度寝って幸せなんですね!
角谷:普段から二度寝をしているっていうのはちょっと惰性もあるんですけど、普段二度寝をしない人が、今日は二度寝をしたいなっていう時は、「自分はちょっと疲れているんだな」っていう、サインでもあるんですよ。その時は二度寝をしちゃってもいいんですけど、二度寝はそういうリカバリーするホルモンが出るからいい部分もあるんですけど、ただ法則があって20分以上すると、ホルモンのリズムが悪くなって、日中のパフォーマンスが下がって悩みが増えるみたいなことがあるので、二度寝は20分までなんですよ。
今井:二度寝をする時はタイマーをかけて二度寝するといいっていう感じですね。
角谷:そう。だから、「今日は二度寝したいな」って時計を見ます。「二度寝をしよう」ってふわふわって思うんですけど、「この幸せな時間に回復しよう」って、ちょっと肯定的に二度寝をすると、すごくいい感じの二度寝になるっていう感じです。いいとこどりっていう感じです。
今井:すごい。二度寝にもポイントがあるなんて知りませんでした。
寺崎:あと、三度寝、四度寝はNGなんですよね?
角谷:三度寝、四度寝は(笑)、だいぶまずいですね。コーチを付けて、ちょっとパフォーマンスを上げた方がいいかもしれないです、三度寝、四度寝は(笑)。
大型連休明けの快眠対策とは?
今井:もうそうなってくると、もはやお昼寝とかそういう感じになってきますよね(笑)。あと、大型連休があると、「連休明けが眠くてつらい」っていう方も非常に多くいらっしゃるかと思うんですけれども、解消方法というのはあるのでしょうか?
角谷:そうですね。大型連休のいいところってバカンスじゃないですけど、全く違う感覚で、昼夜逆転したりとか、短眠にしたりとか、むしろ反対にめちゃくちゃ寝るっていうふうに何をしても自由なんですよ。そうすることで、精神が解放されて、新しいアイデアが浮かんだり、心の充電ができたりするんですけど、それを戻さずに日常生活に戻ると相当大変なんですよ。さっき言っていた月曜日が調子悪いどころの話ではなくて、それが何週間も続くっていうことがあるので、これをリセットする必要があるんです。大型連休明けが例えば月曜日だとしたら2日前の土曜日、ここから早起きしてリズムを作っていくと完全に元に戻るっていうのがあります。詳しいことは本に書いてあるんですけど、そこから戻していくときちんと完全な状態で大型連休明けを迎えることができます。
今井:ゴールに向かって逆算していく感じがアスリートみたいでいいですね、睡眠も(笑)。
角谷:その通りで、アスリートもなんでシーズンオフがあるかというと、シーズンオフで体を完全休息しないと、ずっと練習しているとパフォーマンスって下がっちゃうんですよ。それで、オンシーズンになる前にプレシーズンみたいなものがあって、ちょっとずつ慣らしていくんですけど、そういうのをビジネスマンもやらないと、集中してオフをするっていう時代になってきているので、なんとなくダラダラ仕事するっていうのは、時給の仕事になってしまいますので、パフォーマンスを上げる人は本当にアスリート的に睡眠とか休養を考えるっていう時代が来ていると思います。
今井:ほー。あと、5月病ってよく言われると思うんですけど、もしかしたらゴールデンウィークがそうさせているのかもしれないって思いました。
角谷:それは大当たりで、4月に社会人になりました。その時にリズムを切り替えられる人と、切り替えられない人がいて、学生の時のリズムを切り替えられなかった人が乗り遅れちゃって、ゴールデンウィークでその不安が大きくなって、ゴールデンウィーク明けに5月病になって会社に行けなくなるみたいなパターンってすごくあるんですね。それを4月に入社して、ゴールデンウィークまでに学生モードから社会人モードに切り替えられると、ほぼ5月病って起こらないので、社会人が始まった人は4月の間に切り替える。それは本に書いてあるので、ぜひそれを4月の間に活用してもらうっていうのが1番いいと思います。
今井:その切り替えるコツはぜひ本をお読みくださいということで、睡眠に関する気になる話題がたくさん詰まっている『働くあなたの快眠地図』、ぜひこちらリンクを貼っておきますので、皆さん、チェックしていただけたらと思います。
寺崎:今日ご紹介した快眠スキル以外にも色々とあって、例えば、これも私は今回担当してはじめて知ったんですけど、「夜眠れない理由は、日本人の不安遺伝子の保有率が高いから」とか、「朝型か夜型かは生まれつき決まっている」とか、「一年を通して疲れやすい時期」とか、「子どもができても川の字で寝てはいけない」とか、「ハイパフォーマーほど平日と休日の寝るスタイルは変わらない」とか、とにかく我々の人生にとても役立つ実践的な内容が盛りだくさんです。しかも紙面はフルカラーで大変読みやすく作り込みました。
今井:なんとフルカラーと!豪華な仕様になっていますね。では、そんな素敵な本の著者の角谷さん、最後にリスナーのみなさんに一言メッセージをお願いいたします。
角谷:はい。ちょっと自分は睡眠を取れていないなとか、うまくいい睡眠を取りたいなという人って結構いると思うんですけど、そこで安易にお金をかけすぎたり、病院に行く前に、この『働くあなたの快眠地図』をとりあえず読んで、1つか2つやってみるだけでもかなり快眠になるれるので、一旦本を読んでやってみてほしいなあと思います。そういうふうに本も作ってあるので、ぜひ活用してみてください。
今井:ありがとうございます。角谷さん、この度は2日間にわたってフォレスト出版チャンネルにご出演いただき、どうもありがとうございました。
角谷:ありがとうございました。
森上:ありがとうございました。
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)