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編集者のこぼれネタ

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各編集者のプライベートや趣味など、日常を垣間見れる記事たちです。
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記事一覧

編集師の最もプリミティブな欲――『感情リテラシー事典』をビジネス書棚に置いてベストセラーにしたい

以下の記事でご紹介した『自分や他人に振り回されないための感情リテラシー事典』ですが、おかげさまで2刷が決まりました。 本の性格とクオリティからして、書店の人文棚に置き続ける努力をすれば、地道に長く売れ、少しずつ版を重ねていくタイプのものかと自負しています。しかし、編集者ならぬ編集師としては、せっかくだからもっと人目につくところに置いてもらい、初動を出し、ベストセラーに仕立て上げたいという最もプリミティブで、そして最もフェティッシュな欲があります。 そこで、2刷が決まったこ

今期前半サボったための刊行ラッシュの報告

フォレスト出版編集部の寺崎です。 今日は祝日なので、ゆるい話題を展開しようかなと思ったのですが、いまちょっと若干テンパっており、祝日でも仕事に追われる羽目になっています。 というのも、今期前半サボってしまった関係で(企画が足らずに担当新刊が出なかった現象=自業自得)、9月以降に新刊ラッシュとなってしまったのです。 というわけで、今日はどんな新刊がこれから出るのか、矢継ぎ早にご紹介します。 渡辺拓『生きるためのデザイン思考』こちらの新刊『生きるためのデザイン思考』は退職

ビジネス書の年間ランキングと株価の相関関係を調べてみてわかったこと

先日、日経新聞に興味深い記事が載っていました。 日経がこういうネタを取り上げること自体がレアな気がします。記事タイトルのとおり「最近のベストセラー本はタイトルが長くなっているが、それはなぜか?」をデータを交えながら分析しています。 詳しくは記事を読んでいただくとして、こういう「データから読み解くベストセラー」みたいな切り口も面白いなぁと思い、「そうだ、日本の株価(景気)はビジネス書ベストセラーのタイトル(=テーマ)に影響を及ぼすのか?」と疑問が湧いてきたので、ちょっと調べ

日本発の自己啓発書が世界で売れている意外な理由

ビジネス書の世界には「自己啓発」という一大ジャンルがあります。われわれは略して「ジコケー」ともっぱら呼んでいます。 もともとはアメリカで生まれたジャンルであり、本国では「Self Help」と呼ばれます。自らを助ける⇒自己啓発というわけです。 この日本発の自己啓発書がいま世界で売れに売れているという記事が日経新聞に出ていました。 日本発の自己啓発書が1000万部突破いちばん売れているのが『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)。記事のなかで、売れている要因として「ありそうでな

世代を超えて愛される「グミ」のヒットの法則

フォレスト出版編集部の寺崎です。 グミが好きです。 みなさんはグミ、好きですか。 レッツ・グミグミしてますか。 グミって、不思議な食べ物ですよね。そもそもなんで「グミ」って呼ぶのか、語源を調べてみたらドイツ語のゴムを意味するGummiに由来しているそうです。 ところで、世の「グミ好き」の方々におすすめの本があります。それは・・・『グミがわかればヒットの法則がわかる』(プレジデント社)という本です。 著者は日本経済新聞で記者として活躍され、現在は流通ジャーナリストの白

詩人から学ぶ「文体」、そして3点リーダーと2点ダーシが生み出す文字宇宙

フォレスト出版編集部の寺崎です。 この仕事をしていると、どうしても「言葉」について考えることが多い。先日もこんな記事を書いてみました。 今日も担当書籍がしばらく出ていなくてネタがないので言葉(日本語の表現)について考えてみようと思う。 人は誰しも言葉を日常的に操っているわけですが、言葉をお金に換える職業の方々がいます。作家、小説家、ライター、コピーライター、WEBライターなどなど。いわば「言葉のプロフェッショナル」たち。 そんななかでも一番、言葉に対してミクロに緻密に

漢字を開くか閉じるか問題から端を発した日本語のあいまいさ問題

フォレスト出版編集部の寺崎です。 書籍の編集の仕事(とくに最初の原稿整理)をしていて、地味に日々迷うことがあります。 それは「漢字を開くか・閉じるか」の問題です。 漢字を「開く」というのは、漢字で表現することです。たとえば「かんじ」ではなく「漢字」と表記する場合が「開く」。逆に「漢字」と表記する場合は「閉じる」といいます。 かつて某大手出版社の百科事典の編集をしていたことがあります。百科事典の表記統一はそれこそ鬼のごとく厳しかったのですが、当時は「開く」ケースが多かっ

台風が、去らぬのならば、本を読もう。【おすすめロングセラー書籍のご紹介】

フォレスト出版編集部の寺崎です。 なんだかこのところの日本列島は、ずっと台風に居座られてしまい、雨が降ったりやんだり。出かける予定を断念したなんて方も多いのではないでしょうか。週間天気予報をみると、来週の火曜日まで雨マーク。 仕事で出かける以外は、しばらくは家でひきこもる生活が続きそうです。 というわけで、今日は担当書籍のうち、おかげさまでロングセラーとなっている「おすすめ本」をいくつかご紹介しようかと思う。 ロングセラーになっているということは、なにかしら世の中のお

デビューのお手伝いをした著者さんのその後……

自分がデビューのお手伝いをした著者さんのその後の活躍というのは、編集者としてうれしいものです。 1作目がヒットしても、2作目以降は苦戦する著者さんが多い中、1作目を出したことで活動の幅が広がり、知名度が上がることで、2作目以降の本も売れる……というのは理想的すぎる著者の成長パターンですね。 最近、そんな著者が2人ほど現れました。 1人目は、『世界の思想書50冊から身近な疑問を解決する方法を探してみた』でデビューした北畑淳也さん。 本書の出版後、哲学系YouTuberへ転身

【日本人だけが知らない】いま世界で起こっている超真実

「ジェームズ斉藤」さんをご存じでしょうか。 TOCANAの連載が個人的にだいすきで、ジェームズ斉藤さんの動向はチェックしていましたが、なんとこのたび初著書がビジネス社さんから出版されました。 内容的にはTOCANAの対談形式の連載をベースにしており、もう少し面白く編集できる可能性もあったんじゃないかなぁと思うところもありますが、それでもなお面白く読める。 「マジか!」ということが本書でたくさん語られています。もちろん、本書でもはっきりとご本人がこのように↓↓↓書かれてい

パリ五輪のテレビ観戦をしなかったこと、少し後悔してます

先日、パリ五輪が終わりました。 私はテレビ観戦はせず、勝手に目に入るネットニュースで結果をチラチラ見るくらいでした。 アテネ五輪くらいまでは、わりとワクワクしながら見ていましたが、それ以降は回を重ねるごとに関心がしぼんでいったのです。 タバコで出場停止の是非を真剣にヤフコメやSNSに書き込んだり、疑惑の判定をした審判のSNSに直接進言するくらいの情熱を持って観戦できる方々がうらやましいものです。 いろいろ理由があるのですが、私の観戦しなくなったのは、自分と同世代の選手がほとん

【お盆休みにおすすめ】全世界で話題の恋愛リアリティショー

今日は振替休日ということで、仕事から離れた話題を一発。 いま、全世界で話題のNetflix恋愛リアリティショー『ボーイフレンド』はもうみなさんご覧でしょうか。「恋愛リアリティショー」といっても、このシリーズは登場する方々が全員ゲイ(もしくはバイセクシャル)という点がこれまでにないコンセプト。 思わず一気観してしまいましたが、これが最高に面白くて、泣けて、笑える、最上級のエンターテイメントになっていました。登場するメンバー全員がそれぞれめちゃくちゃ個性的で魅力的。 沼るこ

日経新聞「ヒットのクスリ」からヒット商品の発想アイデアを盗む

フォレスト出版編集部の寺崎です。 日経新聞の好きなシリーズ記事の一つに「ヒットのクスリ」というものがあります。 巷で売れている商品やサービスを紹介する記事なのですが、いつも「なるほど~」「へぇ~」と唸らされるとともに、自分もこういう視点を持って世の中を眺めてヒットを生みださないとアカンなぁと思わされます。 今日は8月2日の記事「逆張りの目線で市場創造」で紹介された3つのヒット商品について、それぞれ気になって調べてみたので、ご紹介したいと思います。 ジンズ「目が小さくな

著者の原稿にある文末表現「(笑)」は地上から撲滅すべきか?

先日、職場の後輩から相談を受けました。 なにやら聞いてみると、以下のような迷い。 「著者から頂戴した原稿を精査しているが、文末に(笑)が多用されている。これはすべて割愛すべきか?」 自分は基本方針としては、文末の「(笑)」という表現はほぼ削除することが多い。まれに、あとがきに「著者個人のひととなりが伺える一文」が添えられることがある。プライベートのこと、趣味のこと、家族のことなど。そういう文章の場合には、あえて「(笑)」を残したりもする。 後輩の相談に対しては、このよう