この世界造りしひとと (短歌と証し)
この世界造りしひとと恋に落つ
青く染まれる海をみながら
うつくしき方の姿はまなかひの
海の鏡のなかに映れり
恋をしてをれば感覚触れしもの
すべてうつくしゆふぐれの海
わたしにとってキリストは、宗教でなくて、恋愛なのです。
そしてそれは、『わたしが求めるのは愛であって、生け贄ではない』(ホセア6:6) と仰った神のみこころに叶ったことなのだ、とわたしは感じます。
わたしにはなにもない。みずから救いに到達せよ、とキリストは仰いませんでした。座禅を組んで、悟りを開け、竹の鳴る音が聴こえるまで、などとは。
ただキリストは、みずからの命を捨て、その釘跡の生々しい両手をさしのばして、わたしを救いあげてくださったのです。溺れているわたしに、この手を取りなさい、とだけ。
そしてキリストは、わたしを虚しさから、崩壊していく経済と滅びゆく地球と、わたしの罪とすべてから、助けだしてくださったのです。
あと五十年持つかもわからないような世界で、もし目に見えるものだけを見ていたのなら、わたしは正気を保っていられないことでしよう。
だからわたしは、この世が暗闇に包まれれば包まれるほど、このちいさな灯を手に、いよいよ胸をときめかせています。だって神さまが迎えに来てくださる日が近いから。
戦争と戦争の噂が飛び交い、物価は上がり、山が震え丘が動く、この暗黒の日々に、このちいさなキリストの恋人は、すこしずつ手を取られるようにして、もっと深く、もっと深みへと、この世界を造った方と恋に落ちていくのです。