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修復と保存、テセウスの船
当地の博物館において保存車両の修復作業が行われている。
C55-50、かつて宗谷本線、函館本線を主に活躍し現在小樽市総合博物館において保存されている。
これに限らず各地に保存されている蒸気機関車。引退してからほぼ半世紀。現役の期間よりも保存車として過ごす余生が上回る状況。
今残るC55も他になく、ある意味C57よりも貴重な存在と言えよう。
願わくば再びカマに火が入り、線路上を走る姿を目にしたい。
そう思う人も決して少なくなかろう。しかし、費用もさることながら、修復には大幅な部材の更新が必要となる。未だ線路を走る動態保存機、それらももはやほとんどの部品が置き換わり決して当時の原形を寸分違わず残しているとは限らない。
動態保存にはテセウスの船状態となることが不可避。
現役を続けるのとある意味同じ。その時々の事実上に合わせた改造も常に繰り返されるのが常。その意味でも動態保存には一見同じようで姿を変えることが避けられない。東日本のD51-498も西日本のC57-1もその折々で姿を変えつつ今に命脈を保っている。
ならば最終時の状態のままとどめておいてもらいたい。その思いが強い。
美しくよみがえる姿を期待しているところだ。