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詩小説 『海の日を想う』 #シロクマ文芸部【笑撃編】


 海の日を思い出す機会が減ったのは
 きっとハッピーマンデーのせいだ!
 なあんていうのは大袈裟だけれど

 自分が大人になりすぎて
 きっと日常のことで手一杯になって
 非日常的なことを忘れていただけ……
 なのかなあ。

 先日、やたら外がうるさいなあ
 と思ったら地元の祭りの花火の音だった。


 今もやっているのかはわからないけれど
 その祭りでは潮干狩りをすると

 ごくまれに掘り出した貝に
 シールが貼られていて
 一等賞だと百万円をもらえた。


 百万円は無理だったけれど
 我が家にはその時の戦利品が
 潮干狩りの貝の如く家の物置場に
 未だに眠っている。


 そのことをふと思い出し

「わざわざ掘り出してシール貼って
 また埋めるって大変よなあ」

 と家族に話したら

「あんなん買ったハマグリに
 シール貼って前日に撒き散らすだけやで」

「そやで。干潮に撒いとけば
 満潮の時に勝手に埋まるしな」

 と言われ

「まじか……
 掘り出したもんじゃなければ買ったもんで
 アサリでもなければハマグリなんか……」

 とサンタクロースの正体より
 ショックで落ち込んだ。


 こういう時に海に向かって

「バッキャロー!」

 って叫びたくなる……ものなのかなあ。


 まあ正直に言えば海は何も悪くない
 ただの濡れ衣の日、なんだけどね。



 今週は間に合いました🤗💕✨ みなさんの作品も読みに行こう🏃💨

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