『オノマトペピアノ』 #毎週ショートショートnote【音楽室編】


「オノマトペピアノ様、犯人を教えて」


いつメンの杏樹あんじゅみさき、私の三人は薄暗い音楽室にいた。

「あんたでしょ?私の彼氏をそそのかしたの!」

登校早々、岬が金切り声で私を責め立てた。

「はぁ?何のこと?」

と言い返すと

「とぼけんじゃないわよ!私見たんだから!あんたがあいつといるとこ!」

さらに声を荒らげる。すると杏樹が助け船を出してくれた。

「まあ落ち着いて。放課後、音楽室に行ってみない?」
「それってまさか…」
「一回やってみたかったんだよねえ」

と目を輝かせた。


そして今、私と岬はピアノを前に横並びで座っている。

「私が呼ぶから二人は鍵盤に手を置いて」

促されるまま互いの親指がドの位置になるよう私は右手を、岬は左手を置いた。

杏樹が呪文を呟くと

ポロン

ポロン

と私と岬の指が勝手に鍵盤の上を這う。その動きを杏樹がスマホで録画し、解読して告げた。

「ハンニンハココニハイナイ」



白黒ハッキリついて良かった。

どうせ私の妹が
またちょっかいを出しただけだろうから。


 ピアノの鍵盤って全部で88鍵あるんですよね。だから、ひらがな五十音(濁点だくてん半濁点はんだくてん)+アルファベット26字+数字10と難しい計算をしてみたのですが、字数内に収まらないからサラッとこっくりしてみました。
 サラッと書いてるけど「指が勝手に動くって怖くない?!」って思われるかもしれませんが、私からしたら日常茶飯事なので、オカルト感はないつもりです😇(毎日一人二人羽織で生きてるのでね……)


 姉妹と兄弟つながりで
裏お題もよかったらどうぞ~

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