『理科室まがった』 #毎週ショートショートnote【ちょいズル編】
「今のうちに髪切っときなよ」
と母ちゃんから千円札を手渡されたものの、いつもより自由な休みを満喫していた俺
さすがにヤバい!と思ったのはカレンダーが新しい絵に切り替わってからだ。
俺はまがた理容室に駆け込んだ。
「おやまあ、そんなに慌てて」
と出迎えてくれるおばちゃん
「っらしゃい」
「おっちゃん、いつもの丸刈りで!」
「へいよ」
空いてる椅子に座ると、いつも通り俺の髪を刈りあげていく。
「歩はこの春、中学生になるんだよな?」
「うん」
「じゃ今日から三千円だな」
「え?」
いつもの三倍の値段を告げられ、俺は目を剥く。今の俺は千円札と小銭しか持ってない。
「知らなかったのか?中学生になると大人料金になるんだよ」
「だって俺まだ入学してないよ?」
「四月に入ったらもう中学生扱いさ」
「そんな…」
と青ざめる俺に
「なあんてな!今日はエイプリルフールだからまけとくよ。次からはちゃんと払ってくれよな」
と言われ大人の仲間入りしていたことに
初めて気づいた。
今回はタイトルの通り【ちょいズル編】としてお題をやや改変してます。小学生~中学生になるに辺り、変化するのって何かな? って考えた時に、そうだ大人料金になるんだ! ってなわけで、私自身の経験談もふまえて書いてみました。(私の場合は、逆パターンで三月でギリギリ子ども料金期間なのに、生年月日を確認されたなあ、と🐼 その頃には母の身長を追い抜き160cm越えてたのでね…)
じゃあ、なんで4月1日生まれの子はひとつ上の学年になるの? と疑問に思うかもしれませんが、法律上、4月1日が誕生日の人は3月31日24時に満年齢に達すると見なされるからだそうです。(よくよく考えると、定年退職日もそうですよね。)
なので、卒業した小学生たちよ!
今がチャンスだぜ!!
※ちなみにイメージソングは
H2Oさんの『想い出がいっぱい』です。
(中学生の頃の合唱曲だったんだよな~!
確か教科書にも載ってた気がします。)
裏お題のこちらもよかったらどうぞ~